「化石音源」の発掘

J.S.バッハ:アリア ~管弦楽組曲第3番より

ウィレム・メンゲルベルク指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 1942年4月録音

全く歓迎などはしていなかったのですが、TPP交渉はまとまるものと覚悟していました。
中味のよく分からない貿易協定ではあるのですが、このようなサイトを運営しているものにとっては「著作権」に関わる規定が変更されることだけは確実でした。

著作権に関わる規定は複雑なので困るのですが、ザックリと言えば2017年現在においては1966年までに世界中のどこかで発売された音源であればパブリックドメインになります。
そして、年が改まるごとに2018年になれば1967年に発売された音源がパブリックドメインになると言う形で、パブリックな領土がひろがっていく仕掛けとなっています。

これは現行の保護期間が50年だからです。
ところが、TPP交渉ではこの保護期間が70年に延長されるので、それがめでたく合意して発効されれば今後20年にわたってパブリックな領土が拡張しなくなります。領土が拡張しなければ、サイトに新しく追加できる音源が増えないわけですから、こういうサイト運営しているものにとっては困ったことになります。

そこで、この交渉の内容が表面化してきてからは、そういう事態に備えて「古い録音」をせっせと集める事に力を入れてきました。(^^v
しかしながら、そうやって音源を集めて聞いていくと、そういう30年代、40年代の「化石音源」とも言うべき録音でも広く公開するに値するものがたくさんあることに気づかされました。

Jacques Thibaud

指揮者で言えばフルトヴェングラーやトスカニーニは言うに及ばず、メンゲルベルクやクーセヴィツキーなど数え上げればきりがありません。
ハイフェッツやホロヴィッツ、ルービンシュタインの覇気溢れる演奏が聴けるのはそう言う「化石音源」の時代です。

Arthur Rubinstein

コルトーやティボー、さらにはイザイなどの時代まで遡ればそれは太古の化石と言うことになるのですが、それでも聞くに値する価値ある録音は少なくありません。

Eugene-Auguste Ysaye

しかしながら、幸いにして、誰もが予期しなかったトランプの登場でTPP協定は吹っ飛んでしまいました。
当分の間は、年が改まれば新しい音源をパブリックドメインに迎え入れることが出来そうです。
そして、幸か不幸か、そうやって集めてきた「化石音源」の出番は回ってこないことになりました。

それはそれで目出度いことではあるのですが、それでもそうやって集めてきた「化石音源」に放置しておくのも勿体ない気がします。

そこで、ものは試しとメンゲルベルクあたりから小出しに音源を追加したのですが、意外なほどに多くの方がアクセスしてくれているようで驚かされました。
そう言う「化石音源」の魅力は、現在では絶対に聞くことのできなくなったユニークな演奏が刻み込まれていることです。
そして、そう言う音源に興味を持たれる方もおられるようです。

となれば、そう言う「化石音源」も埃をかぶらせておくわけにもいきません。
ただし、毎日そんな音源を追加されたのではウンザリするでしょうから、週に一回くらいのペースで「化石音源」を発掘しては公開していくのがちょうどいいくらいでしょうか。

もしかしたら、最近えらい古い録音が登場するなと思われるようになるかもしれませんが、聞く価値のある「化石音源」を厳選してアップするつもりですので、ご理解の程お願いします。



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