メニューヒン/モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲(第7番:偽作)

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲(第7番:偽作) ニ長調 K.271a

(Vn)イェフディ・メニューイン ジョルジェ・エネスク指揮 パリ交響楽団 1932年6月4日録音

この作品の自筆原稿は既に散逸しているのですが、アブネックなる人物が所有していたと言われる自筆原稿には「モーツァルトのヴァイオリン協奏曲、ザルツブルク、1777年7月16日」と記されていたと、アンネブックは主張しています。
ただし、モーツァルト新全集では様式的に疑問が残ると言うことで「偽作」のグループに入れられています。

その疑問というのは、1777年の作曲にしては独奏ヴァイオリンに対して要求されている技術やオーケストラの書法が成熟しすぎているというものです。
1777年と言えばマンハイムからパリを回った時期に当たるのですが、木管楽器の使い方やヴァイオリンの重音奏法などは明らかにウィーン時代に近いというのです。

ただし、これを持って「偽作」と決めつけるには根拠が薄弱で、もしかしたらウィーン時代に何らかの手直し、または別人による修正などが加わっているだけという可能性も否定できません。
実際聞いてみれば、なかなかに魅力的な音楽であって、モーツァルトのその他の若書きの作品群に較べれば見劣りはしないように思うのです。

ただ、つまらないと思うのは、そうやって一度偽作のグループに入れられてしまうと、ほんとに誰も見向きもしなくなってしまうことです。演奏会で取り上げられることもありませんし、録音も滅多にされなくなってしまいます。
そうなると、こういう若きメニューヒンによるはち切れんばかりの演奏で録音されたことがとても貴重になるのです。

1932年の録音ですから、メニューヒン僅か16歳の時の録音です。



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