「DEQ2496」を使ってできること(1)~「測定」

「書く」という作業は結構鬱陶しいものですが、いいことがいくつかあります。
一つは、拙い情報であっても、それを発信することで見返りとして多くの情報が寄せられること、もう一つは、自分の中で情報が整理されて次へのステップが明確にできることです。

一つめは今さら言うまでもないことです。
「情報は情報を発信しているところに集まる。」
かつては、マスメディアにでも属していない限り実感できなかったこの原則が、ささやかなものであっても、ネット社会においては一個人であっても感じられるようになりました。有り難い話です。

二つめのメリットは、「書く」という作業を経ることで、自分のやっていることの意味をクリアにできることです。
哲学的に言えば「事物の対象化」と言うことなのでしょうが(^^;、人は書くことによって自分のやっていることや考えたりしたことの「意味」を客観的に整理し、意味づけをすることができます。
時々、人が書いた文章を読んで、「これこそが私が感じていたことだ」と膝を打つようなことがあります。しかし、いつもいつも他人任せで整理ができるとは限らないので、自分が漠然と感じている「何ものか」は、自分自身の力で「形を与えてあげる」必要があります。
その、「形を与えてあげる」ための作業が「書く」と言う行為なのです。

ただし、凄いことを思いついて、その思いついた「何ものか」を書くことよって「形を与え」てみると、実に「つまらないもの」であった(^^;、と言うようなことはよくあることです。
または、意外なまでにそれなりの形になったので一人密かに喜んいると、既に同じようなことを書いている人が他に存在していたことに後で気づいたりします。
人を驚かせるような「オリジナリティ」というのはよほどの才能がなければ生み出せないものです。

以下述べることは、自分としては「意外なまでにそれなりの形になった」ので一人喜んでいた内容なのですが、調べてみると既に多くの方が言及されていたという話です。(^^;
しかし、一つ一つにオリジナリティはなくても、PCオーディオの方向性を考えるという視点でそれらを整理したものはあまり見かけません。そう言う意味では、少しくらいはまとめてみる値打ちはあると思っています。

イコライザの導入はPCオーディオにおけるまっとうな進化?!!

イコライザの導入について初めて触れたときに、ninoさんからすぐに「これは横へ広げる方向ではなくて、まっとうな進化といっていいのではないでしょうか。」というコメントを頂きました。
正直言いますと、その時は「ふーん」という感じで当たり障りのない返事をかえしてしまいました。
何故ならば、イコライザを導入すると言うことは、PCオーディオという営みの中ではちょっとした「脇道」だと考えていたからです。PCオーディオの「本流」はあくまでも「入力系の純度を上げる」ことだと固く信じていましたので、デジタル領域のど真ん中にイコライザを噛ませるなどは「遊び」の領域をでるものではないと決めてかかっていたのです。
ですから、「まっとうな進化」といわれても戸惑いの方が大きかったわけです。

私がイコライザを導入した理由は「もう少し気楽に遊んでみよう」に簡単にまとめてあります。

「入力系の純度を上げる」ための試行錯誤は、現段階では行き着くところまで行き着いた感があります。もちろん、どこかの偉大なる才能が次への新しいステップを準備しているのかもしれませんが、そのようなクリエイティブな才のないものにとっては、現状は手詰まり感でいっぱいです。
ならば、その手詰まり状態の暇な間に、今までは手が出せなかった分野にも手を伸ばしてみようと思ったのがイコライザの導入だったわけです。
ですから、タイトルも「気楽に遊んでみよう」としました。

しかし、「DEQ2496」を導入してからの取り組みを発信することで、多くの方から貴重な情報をいただくことができました。
そして、そう言う情報を参考にさせていただきながら、さらにドタバタを続けることで「イコライザ導入の意味」が少しずつ理解できるようになってきました。
やはり、いろいろと手を動かしながらも、その経緯を自分なりに整理して書いてみるというのはとても大切なことのようです。

そのおかげで、ninoさんの「これ(イコライザの導入)は横へ広げる方向ではなくて、まっとうな進化といっていいのではないでしょうか。」というコメントの真意が少しずつ理解できるようになってきました。正直申し上げますと、今ではもう「確信」に近くなってきています。

もちろん、PCオーディオの本流は「入力系の純度を上げる」ことです。この方向性の追求はこれからも終わることはないでしょう。
しかし、そうやって拾い上げた「データ」をどうやって「音楽的においしく料理するのか?」、これも本腰を入れて追求すべき課題だと確信するようになってきたのです。つまり、それは「遊び」ではなくて、真面目に追求すべき「必須の課題」のような気がしてきたのです。
もっと強い言い方をするならば、デジタル領域の中で、そう言う「料理」の部分にまで踏み込んで取り組まないと、PCオーディオを極めたことにならないのではないかと思うのです。

しかし、そんなことをいくら一般論として述べてみても説得力がありません。(^^;
この間のドタバタで経験したこと、感じたことを具体的に述べながら、この問題について深めていければと思います。「DEQ2496」に搭載されている機能をあれこれと実際に使ってみた経験をもとにして、イコライザの導入がPCオーディオの「傍流」ではなく、取り組むべき「本流」の課題であることを示せれば幸いです。
ですから、今回からは「気楽に遊んでみよう」のタイトルは外すことにしました。

「DEQ2496」は何ができるのか

最初に、「DEQ2496」が持っている機能を概観しておきます。
ただし、マニュアルの受け売りでは人の心に訴えるものはありませんので、実際に私が使ってみて「なるほど、そんなこともできるのか」と感心したことだけを拾い上げます。どのように使うのか未だによく分からない機能も山のようにあるのですが、それは使い方が理解できて実際に試してみた段階で報告できればと思います。

現時点で、私がそれなりに操作できるようになり、その機能に感心させられたのは以下の4項目です。

  1. 測定機能
  2. GEQ(グラフィックイコライザ)メニュー
  3. PEQ(パラメトリックイコライザー)メニュー
  4. WIDTHメニュー(劇薬です)

この4項目について、順次報告していきたいと思います。今回は、①の「測定機能」についての報告です。

測定機能

「DEQ2496」には測定機能がついています。これがなければ「AUTO EQ(自動補正)」ができないのですから、当たり前と言えば当たり前です。
しかし、ネット上を見てみると、「DEQ2496」を導入しても「AUTO EQ(自動補正)」機能しか使っていない人が大部分のようです。実に「MOTTAINAI」話です。

「DEQ2496」を使ってスピーカーの周波数特性を測定するのは実に簡単です。基本的には4ステップで完了します。

①測定用のマイクを「DEQ2496」に接続して、マイクをリスニングポジジョンにセットする。

これは言うまでもないことです。マイクをつながなければ話は始まりません。

②「I/O」画面の3ページ目で「RTA/MIC」を選択する。

AUTOEQ_1

これに関しては、既に「AUTO EQ(自動補正)」を実行しているならばすでに「RTA/MIC」が選択されているはずです。念のためにチェックしましょう。

③「I/O」画面の3ページ目で「PINK NOISE」を選択してピンクノイズを発生させる。

Pink_Noise

初期設定ではピンクノイズのレベルは低く設定(-60db)されていますので、-20dbあたりまであげておいた方がいいでしょう。また、これを選択するとピンクノイズは出っぱなしになります。止めたいときは、この画面で「DIG IN XLR」などを選び直してください。
この状態で既に測定が開始されています。

④「RTA」ボタンを押して計測結果を表示させる。

sokutei

「RTA」画面の3ページを選ぶと一番大きく表示させることができます。

sokutei_1

実に簡単です。
慣れてくれば、30秒もあればスタンバイ完了です。
ですから、何か設定を変更したならば、まずは測定です。

「DEQ2496」をあれこれ弄ってみて痛感したのは、最後はしっかりと「測定」しなければいけないと言うことです。
例えば、GEQ(グラフィックイコライザ)を使って周波数特性を操作すれば、その操作の結果ははっきりと測定結果に出ます。しかし、ある周波数帯域を3db減衰させたからと言ってリスニングポイントで想定通りに3db減衰しているかどうかは測定してみないと分かりません。何故ならば、実際の音というものは部屋の影響などを受けますから、こちらが期待したような変更を実現しようと思えば最後は計測しながら詰めて行かざるを得ないのです。

メインスピーカーのセッティングを見直す

AMATOR

しかし、そう言うこと以上に目を見開かれたのは、「AUTO EQ(自動補正)」を行う前に「やるべき事がある」と言うことでした。
それは、周波数補正を行う前の「素の状態」で、スピーカーの周波数特性をいかにフラットに近づけるかという努力の重要性です。

誤解が生じないように言い添えておきますが、周波数特性がフラットであればそれがベストの音だと言っているわけではありません。

実際、周波数特性がフラットに近いスピーカーの音は中高音域がきつくてやや硬めの音になる傾向があります。しかし、その音こそが音作りのスタート地点としては最も相応しいのです。つまり、フラットがベストな音なのではなくて、音作りのスタート地点としてはベストなのです。

「DEQ2496」の「AUTO EQ(自動補正)」機能はかなり強力なので、少々ラフなセッティングであっても周波数特性のデコボコを平均化してくれます。その実力たるや驚くべきものがあります。しかし、そう言う強力な化粧を施す前に、できればすっぴんの状態でもできるだけきれいにしておいた方が化粧ののりもいいのです。

もう少し具体的に言いますと、例えばある周波数帯域に極端な落ち込みがあれば、「DEQ2496」は「AUTO EQ(自動補正)」によってその周波数帯域をめいっぱいブーストします。私の場合であれば、150Hzあたりが+15dbもブースされていました。そうなりますと、その状態をスタート地点として音作りに取りかかると、そう言う極端に操作した帯域ではさらにブーストしたくてもできないと言うことになってしまいます。
つまりは化粧をのせたくてものってくれない状態になるのです。有り体に言えば、厚化粧の上にはもう化粧はのらないと言うことです。

一般的には、周波数特性のフラット化には「GEQ(グラフィックイコライザ)」を使い、音作りには「PEQ(パラメトリックイコライザー)」を使うようです。
この「PEQ(パラメトリックイコライザー)」を活用した音作りを有効に働かせるためには「GEQ(グラフィックイコライザ)」の操作はできる限り小さい方がいいのです。
ですから、徹底的にセッティングを詰めて、できる限りすっぴんの状態でもきれいにしておく必要があるのです。

今さらながらお恥ずかしい話ですが、「DEQ2496」を導入するまでは、スピーカーのセッティングは全て「自分の耳」だけを頼りに行っていました。
スピーカーのセッティングにはいくつかのセオリーがあります。そして、そういう基本セオリーに基づいてラフにセッティングしてから、最後の調整の部分は「耳」だけを頼りにして詰めていたわけです。その「耳」が「ゴールド」だったらいいのですが所詮は「駄耳」ですからいい加減な物です。
現状のセッティングはフラッターエコーから逃げるためにかなり内振りのセッティングにしていました。基本セオリーから大きくは外れていないので実際に測定した周波数特性はそれほど酷い物ではありませんでしたが、150Hzあたりが大きく落ち込んでいるのが分かりました。他にも小さなデコボコはあるのですが、この150Hzあたりの落ち込みが最も目立ちます。

ですから、そう言う極端な落ち込みや出っ張りがでないようなセッティングはないものかと、今さらながら(^^;あれこれ試してみたわけです。
スピーカーを少し前に出したり後ろに下げたり、はたまた内振りをもう少し緩やかにしたり強くしたり、さらにはスピーカーの間隔を狭めたり広めたり、あれこれやってみては測定を繰り返しました。小さなセッティングの変更であっても、「DEQ2496」を使って測定してみると、そういう変更ははっきりと計測結果に反映されます。方向性は「フラット化」ということで明確にになっていますから、良し悪しはデータからすぐに判断することができました。

それでも結論としては、忙しい仕事の合間を縫っての作業ではスピーカーのセッティングは「詰め切れない」と言うことが分かりました。(^^;
手間を楽しむ「趣味の心」があれば、これほど楽しい作業はありませんが、正直なところ、めげそうなほどに(--;、手間がかるのです。

とは言えこのままでは前に進まないので、中途半端であることは分かりながらも、とりあえずは多少はましかと思えるセッティングの状態で固定をしました。
スピーカーの位置はあまり変更せずに極端な内振りをやや緩やかな方向に変更しただけなのですが、これだけでも随分と特性が変化したのには驚かされました。結果として、「AUTO EQ(自動補正)」を実行した後のイコライジングのカーブは最初の時と比べるとかなり緩やかなものになりました。

しかし、周囲を見渡してみると、こういう当たり前のことをほとんどの人が実践していないことには驚かされます。こんな事を書いている私だって、つい最近までは測定などとは無縁だったのですから偉そうなことは言えませんが、それでも驚くべき事です。
こんな事を書くとまたオーディオ屋からは恨まれそうですが、そう言うラフなセッティングゆえに発生する問題を解決するために少なからぬ人はアクセサリ選びに血道を上げています。そう言う現状を見るにつけ、一本何十万円もするようなケーブルを買い込む前に他にすることがあるだろうと思わざるを得ません。ninoさんが「顰蹙を覚悟で言わせてもらうなら、自分の再生音の測定もしていないのに、ケーブルを取っ替え引っ替えして高域がどうだ低域がああだなどというのはナンセンスではないか思っています。」というのは、まさに正鵠を射るものです。

実は、この夏にルームチューニング用のアクセサリを導入しようかと思ってあれこれ物色していたのですが、それはこの「詰める」作業を徹底的に行ってからの話になりそうです。当然のことながらアクセサリを導入すれば、その効き具合はしっかりと測定した上で評価しないといけないな・・・と思っています。
もちろん、測定の限界と言うこともわきまえておく必要はありますが、こういうアナログ領域ではあまりそう言うことも気にする必要はなさそうです。

サブウーファーの設定

yst-sw500

メインスピーカーのセッティングを詰めるのは大変な作業になりそうです。(^^;
しかし、サブウーファーの設定に関しては、簡単な測定でドンピシャリのポイントを探り当てることができました。

使用しているサブウーファーはヤマハの「YST-SW500」です。左右2チャンネルに1台ずつつないでいます。
公称スペックは以下の通りです。

  • 再生周波数帯域:20~160Hz
  • ハイカットフィルター:40~140Hz連続可変

しかし、実際に測定してみると、ハイカットフィルターは指定した周波数からすっぱり切り落としていないことが分かりました。70Hでカットするとその少し上の80Hzくらいから急激にカットされているような雰囲気です。
また、下の周波数は30~40Hzあたりに少し大きな山ができてしまって、その下からだら下がりです。おそらく、この30~40Hzあたりの山はイコライザで処理しないと取り切れないと判断しました。

次に、メインスピーカの低域用のユニットだけを鳴らしてみて測定すると、70~80Hzあたりからだら下がりになっています。エレクタ・アマトールの周波数特性は公称では「周波数特性:45Hz~30000Hz、±3dB」なのですが、このあたりは車の燃費みたいなもので、普通のリスニングルームでは実現不可能な数字のようです。

と言うことで、サブウーファーのハイカットフィルターは80Hzに設定し直し、ボリュームは9時のあたりに変更すると、非常につながりが良くなりました。
つなぎ目は少しクロスさせるというセオリーはやはり有効でした。

なお、サブウーファーのセッティングですが、これはメインスピーカーの外側に設置するのが基本のようです。また、メインスピーカーとサブウーファーの振動面はラインを揃えておくことも重要なようです。このあたりは、いわゆる基本セオリーでしょうか。
しかし、どこでハイカットするのか、ボリュームはどのあたりが最適なのか、と言うことはなかなか耳だけでは詰め切れないことでした。改めて、測定することの重要性を痛感します。

最後に

ここまで書いてきて、今さらながらなのですが、こういう測定と言うことをしっかりやっている人にとっては、「DEQ2496」の測定機能には不満を覚える人がいるかもしれません。「DEQ2496」はピンクノイズしか発生させられませんし、また測定できる精度は31バンドです。

また、パソコンに然るべきソフトをインストールすれば、「DEQ2496」みたいなものを購入しなくても測定はできると言われるかもしれません。例えば、「MySpeaker」等は有名なソフトなので、私も一度は使ったことがあります。
しかし、実際のメインシステムでこれを使おうと思うと、ノートパソコンを持ち込んでインターフェイスに繋ぎ、そこにマイクをセッティングして、さらにはあれやこれやの設定をしてと・・・結構大変です。
当然のことながら、そう言う機器をつないだ状態で音楽を聴く気にはなれませんから、音楽を聴くときは撤収です。しかしながら、測定は繰り返さないと意味がありません。そのたびに、「ノートパソコンを持ち込んでインターフェイスに繋ぎ、そこにマイクをセッティングして、さらにはあれやこれやの設定をして」というのは、現実問題としては「やってられない!」と言うことになります。
そんなこんなで、結果としてやめてしまった・・・と言う過去があります。

ところが、「DEQ2496」ならば、基本的にメインシステムの中に組み込まれていますから、何か設定を変えて測定したくなっても測定用のマイクをつなぐだけで準備は完了です。先に述べたように、準備には30秒もあれば充分です。この取り扱いの簡便さは、測定は「繰り返し行う必要がある」と言うことを考え合わせると決定的なメリットです。初めて「測定」しながらセッティングを詰めていくような人にとっては、その簡単さがかえって有り難かったりもします。

また、個人のリスニングルームであれば、この程度の性能(31バンド)でも充分ような気もします。
実際に「DEQ2496」の測定機能を使ってみて、その取り扱いの簡単さを考えると、これを「31バンドのFFT測定器」だと割り切っても元が取れるように思いました。

もちろん、使い込んでいく中で不満を感じるようになることもあるでしょうが、そうなってから次のステップに進んでもいいでしょう。
PCオーディオの中にイコライザを取り込んでいろいろなことを学んでいく上では、「DEQ2496」は価格的にも性能的にも、文句のつけようがないほどの優れものです。

次回は、「GEQ(グラフィックイコライザ)メニュー」と「PEQ(パラメトリックイコライザー)メニュー」について報告したいと思います。


3 comments for “「DEQ2496」を使ってできること(1)~「測定」

  1. mr_osamin
    2013年9月15日 at 12:58 PM

    DEQ2496の記事、興味深く拝見いたしました。
    私こと、以前はSRC2496を使っていたことがありますが、単にDACとして使っていただけでした。
    もちろん、DEQ2496の存在は知っていましたが、イコライザーに対する知識もモチベーションもありませんでした。

    が、

    今回、デジタルイコライザーをデジタル信号経路の真ん中に据えることはPCオーディオのまっとうな進化という考え方に共感しました。

    私も早速、DEQ2496の手配をかけたところです。

    こうなると、システム構成の考え方がこれまでと全く変わってきたことに気付きました。

    CDのデジタル信号を直接、イコライザーに入力することはもちろん、PCからはUSB-DDCを接続する。
    イコライザの川下はDACで受ける。
    こうして川上からリスニングルームの環境を考慮した調整ができるわけですから自分にとっては画期的です。

    引き続き、実験を進めていただければと思います。
    今後も注目しています。

  2. 2013年9月15日 at 10:42 PM

    >こうなると、システム構成の考え方がこれまでと全く変わってきたことに気付きました。

    はい、そうなんです。
    定年が近づいてくるので、「最後のグレードアップだー!!」などと叫んでいたのですが、「DEQ2496」を使ってあれこれ弄っているうちに、だんだんと「恐ろしい考え」にとりつかれてきているのです。
    その恐ろしい考えとは、基本特性のしっかりとしているスピーカーならば、後はイコライザあたりで、いかようにも「好きなブランド」の音が出せるのではないかと・・・と言う考えです。
    この基本特性のしっかりとしたスピーカーというのは世間的には音が硬いだの、面白みがないなどと言われたりするんですが、そこをスタートラインに「音作り」をする素材だと考えれば、実に素晴らしいスピーカーではないかと思うのです。

    ブランド特有の変な癖をつけて、その癖ゆえに「ハイエンド」などと称して馬鹿高いお金をふんだくられることを思えば、自分で自分の好みの「癖」をつけた方がよっぽど楽しいのではないか・・・と思う次第なのです。

    それから、もう一つ痛感しているのは、こういうデジタル領域で話がすんでしまう事柄は、集積度だけがものを言うのであって、アナログ的な物量は全く関係がないということです。
    つまり、アナログ的な物量は基本的にコストがかさみますが、デジタル領域の集積度には全くコストがかからないと言うことです。
    もっと有り体に言えば、デジタルのイコライザは値段は安くても性能的には何の問題もないと言うことです。
    DEQ2496に不安を感じるとすれば、その値段の安さくらいですが、そう言う感じ方自体がPCオーディオの領域では捨てるべき既成概念なのでしょうね。

    ちなみに、「基本特性のしっかりとしたスピーカー」と言うことで頭にちらついているのがフォステックスのスピーカーです。某オーディオショップでは「ぼろくそ」言っていましたが・・・。(^^;納得の上でフォステックスですむならば、とんでもなく安上がりです。

  3. mr_osamin
    2013年9月22日 at 11:42 AM

    yungさん

    コメントありがとうございました。

    >DEQ2496に不安を感じるとすれば、その値段の安さくらいですが、そう言う感じ方自体がPCオーディオの領域では捨てるべき既成概念なのでしょうね。

    むしろ私はそうあるべきだと思っています。

    「デジタル化」のもたらす最大のインパクトは、「圧倒的なコストダウン」だと思っているからです。

    ここからは、どのような観点で述べたら良いのか少し迷うところではありますが、

    昔(1990年代くらいまで)と今の違いは、オーディオ機器が超ハイエンド製品とiPodのようなデバイスに二極分化してしまったことで、この真中、つまり空洞化した状況の中に自分が居ることに気付いたのですね。

    高音質を求めると、デジタルオーディオでもやっぱり高額になるというのでは腑に落ちず、
    自作に走ったり、ヤフオクで昔のメーカー品を購入したりと迷走してきました。

    最近ようやくわかってきたこととして、「CDの音は良い」ということでした。
    このブログでも書かれている通り、人間の可聴領域はCDを超えているということも事実だと思いますが、
    元となる音源(録音、ミキシングなど)が良ければ、CDの音質は相当良いところまで行っていると思いました。

    VoyageMPD StarterKit + AKI.DAC(~48KHz)というとても安価な環境で、です。

    ただ、音の最終出口となるスピーカーの原理が変わらない限り、アナログ回路とは切っても切れませんし、
    この経路をそれなりに整備しようとすると、やっぱりコストアップしてゆくんですよね。

    川上のデジタル系信号経路側で、川下のアナログ系信号をコントロールするという発想は、先に述べたようにデジタル化の恩恵、特にコストダウンの可能性を感じるのです。

    >つまり、アナログ的な物量は基本的にコストがかさみますが、デジタル領域の集積度には全くコストがかからないと言うことです。

    この一文は、わが意を得たり!という感じでした。

    >ちなみに、「基本特性のしっかりとしたスピーカー」と言うことで頭にちらついているのがフォステックスのスピーカーです。

    これは是非、取り組んでいただきたいと思います。
    私ごときが言うのもなんですが、基本特性さえ良ければ、相当良いところまでゆけるのではないでしょうか?

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