「ちむどんどん」より「芋たこなんきん」

退職してからよく見るようになったのがテレビドラマです。とりわけNHKの朝ドラはよく見るようになったのですが、今回の「ちむどんどん」は最悪の脚本ですね。主演の黒島結菜は好きな女優さんなので気の毒の限りです。
私の主観ですが、最近の東京制作の朝ドラはどれも出来が悪く、それに対して大阪制作のドラマはいいものが続いているように思います。

そういうことで、黒島結菜は大好きなのですが「ちむどんどん」はついに見るのをやめてしまいました。
その代わりに、再放送の「芋たこなんきん」は楽しみにしています。田辺聖子の自伝的ドラマを田辺聖子自身が原作を書き、その田辺聖子を藤山直美が演じるという、こてこての大阪ドラマですが、大阪人にとってはたまりませんね。

川柳をなめちゃいかんな


そして、作家としての田辺聖子には今まであまり興味がなかったのですが、このドラマで興味をひかれ、本棚を探せば「道頓堀の雨に別れて以来なり」という未読の本が出てきて、今はそれも合わせて読んでいます。
「川柳作家・岸本水府とその時代」というサブタイトルがついている著作なのですが、上下2巻で1300ページを超す大著です。
ちなみに、「道頓堀の雨に別れて以来なり」の「道頓堀」は「とんぼり」と読みます。

今やっと上巻を読み終わったところなのですが、自分の中にもあった川柳というジャンルへの誤解と偏見を思い知らされました。
川柳と言えば、俳句や短歌よりも一段下のジャンルと思われ、駄洒落や茶化しみたいなものがメインかと思っていたのですが、多くの人がそう言う偏見をふりほどくために人生をかけてきた歴史を田辺聖子の著作で教えられました。
約束事の少ない川柳は俳句よりも入り口が容易く、そして奥は俳句と変わらぬほどに深く、そして俳句にはない詩情を持った文学ジャンルだと知らされました。

生まれ来た裸のほかは世の恵み

内藤凡柳さんの句だそうです。いい句です。
重いことをこのように軽みを持って表現するのが川柳の魅力ですね。

2 comments for “「ちむどんどん」より「芋たこなんきん」

  1. 喜多木常
    2022年7月9日 at 4:33 PM

    いやぁ~、同じことを考えている人がいるんですね~。私も2週間前から見るのを止めてしまいました。沖縄の抱える現実がどんな切り口で描かれるのかを少し期待していたのですが、やはり内地の人に受けるためにはこのような当たり障りのない脚本にするしかないのでしょうかね。主人公の成長、恋愛というありきたりの青春群像劇となり、展開が見えすぎるのはちょっと勘弁してほしいです。
    「ちむどんどん」から撤退して、「芋たこなんきん」を毎日見ています。ドラマは喜怒哀楽がほどよく描かれて初めて視るに値するものだと思うのですが、その描き方が現実社会と絡ませられて物語が進んでいきます。こうなるのかなぁ、と思わせながらも少しはずして物語を進めていくちょっとした意外性を含んでいるので15分が短く感じます。その意味では前々回の「カムカム」も15分があっという間でした。

    • yung
      2022年7月9日 at 4:41 PM

      前々回の「カムカム」も15分があっという間でした。

      本当に、あのドラマは素晴らしかったですね。「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」がここぞというところで大きな役割をはたしていて、日頃はほとんど聴くことのないジャズもいいものだと思ったものでした。
      そんな話をすると、友人がいろいろな人が演奏した「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」を一枚にまとめてプレゼントしてくれました。

      しかし、最近は日課のウオーキングの時には妻共々「日陰の道を歩きたい」などと言ってはいますが・・・(^^;。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です