Author Archives: yung

万葉集を読む(20)~山上憶良「世間の住り難きを哀しびたる歌」(6)

前回は、世の無常を「為(せ)むすべもなし」として全て受け容れる日本的価値観を自覚して、それを中国的価値観、もしくは仏教的価値観と対峙させる憶良という存在の大きさについて考えてみました。 そして、そう言う思いは当時の万葉人

万葉集を読む(19)~山上憶良「世間の住り難きを哀しびたる歌」(5)

前回は、憶良が中国的価値観を徹底的に身につけたエリート官僚でありながら、そこから抜け出して日本的な価値観を自覚しようとする模索が読み取れると書きました。 そこで、もう一度注目すべき事は、前段の「中国的価値観を徹底的に身に

万葉集を読む(18)~山上憶良「世間の住り難きを哀しびたる歌」(4)

さて、次の問題は世の無常を「為(せ)むすべもなし」と切って捨てたこの作品を嘉摩三部作の中においてみれば何が見えてくるのかと言うことです。 そこで注目すべきは、この「世間の住り難きを哀しびたる歌」の最後に以下の注釈(左注)

万葉集を読む(16)~山上憶良「世間の住り難きを哀しびたる歌」(2)

憶良が「二毛の嘆き」をはらうとして詠んだ長歌が以下のものです。 その論理は実に明確であり、その展開の仕方は近代的ですらあります。 全体としてかなり長い長歌ですので、その論理の展開に従って全体を四つの部分に分け、さらには中

万葉集を読む(15)~山上憶良「世間の住り難きを哀しびたる歌」(1)

9月の「万葉集を読む」講座は「巻5の804~805」の「世間(よのなか)の住(とどま)り難きを哀しびたる歌」でした。講師は大谷歩先生でした。 この「世間(よのなか)の住(とどまり)り難きを哀しびたる歌」はいわゆる憶良の「

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