チャールズ・ローゼン/ソニー・クラシカル・コレクション(21CD)

チャールズ・ローゼン/ソニー・クラシカル・コレクション(21CD)
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チャールズ・ローゼンという名前はピアニストと言うよりは音楽学者として記憶されている人が多いのではないでしょうか。
「ピアノ・ノート 演奏家と聴き手のために」とか「ベートーヴェンを“読む” 32のピアノソナタ」などはなかなかに面白くも興味深い書物で、手もとに置いている人も多いのではないでしょうか。

しかし、こうしたボックス盤がリリースされてみると、彼の本領はやはりピアニストであることを教えられます。
ただし、どうしたわけかは彼は自分の人生を二分してしまったようです。その前半はコンサート・ピアニストとして精力的に演奏活動を行い、そして録音に対しても積極的でした。しかし、その後半は学者としての活動がメインとなり、たとえば「ベートーヴェンを“読む” 32のピアノソナタ」などもセルモネタのポンチアナ音楽祭における夏期講習会のピアノ学生たちへ」と記されていて、和場「講義録」みたいなものでした。

ですから、彼の録音活動はその前半に集中しており、そして、精力的に演奏活動を行わないピアニストの録音がいつまでもカタログに残るはずもなく、いつしか「忘れ去られたピアニスト」になってしまいました。

しかし、日本では全くの「無名」であってもアメリカでは今も著名なピアニストのようなので、このような形でボックス盤がリリースされたのでしょう。
そして、そのボックス盤を見て驚いたのは、そのレパートリーの広さです。

まあ、「レパートリーの広さ」というのは「売り文句」としてはよく使われるのですが、チャールズ・ローゼンの場合は、その広さが半端ではありません。
よく使われる「広さ」は「バッハからシェーンベルグ」までですが、ローゼンの場合は「バッハからブーレースandエリオット・カーター」までです。そして、その中間に存在するモーツァルトやベートーベンの古典派、シューマン・ショパン・リストというロマン派、ドビュッシー・ラヴェルの印象派、そしてバルトークやストラヴィンスキーなども含まれています。

そして、それらの演奏は、いわゆる学者的な演奏と言うよりは、立派なコンサート・ピアニストによる演奏になっています。
多くの人にとってはほとんど視野に入っていなかったピアニストだと思うのですが、「ピアノ・ノート」を記したピアニストとの演奏を聞くという意味だけでも値打ちがあるように思われます。

【収録情報】
Disc1
● ラヴェル:夜のガスパール
● ラヴェル:クープランの墓
録音:1959年1&11月、ニューヨーク

Disc2
● ショパン:バラード第4番ヘ短調Op.52
● ショパン:スケルツォ第3番嬰ハ短調Op.39
● ショパン:ポロネーズ変イ長調Op.53-6
● ショパン:マズルカ第2番嬰ハ短調Op.6-2
● ショパン:マズルカ第31番変イ長調Op.50-2
● ショパン:マズルカ嬰ハ短調Op.52-3
● ショパン:夜想曲第8番変ニ長調Op.27-2
● ショパン:夜想曲嬰ヘ長調Op.15-2
● ショパン:夜想曲第17番ロ長調Op.62-1
録音:1960年2月、ニューヨーク

Disc3
● ストラヴィンスキー:セレナード イ長調
● ストラヴィンスキー:ピアノ・ソナタ
● シェーンベルク:ピアノのための小品Op.33a&33b
● シェーンベルク:ピアノのための組曲Op.25
● ストラヴィンスキー:ピアノと管弦楽のためのムーヴメンツ
イーゴリ・ストラヴィンスキー(指揮) コロンビア交響楽団
録音:1960年12月、1961年2月、ニューヨーク

Disc4
● エリオット・カーター:ハープシコード、ピアノ、2つの室内オーケストラのための二重協奏曲
ラルフ・カークパトリック(Cemb) グスタフ・マイヤー(指揮)室内オーケストラ
● キルヒナー:ヴァイオリン、チェロ、10の管楽器と打楽器のための協奏曲
トッシー・スピヴァコフスキー(Vn) アルド・パリソ(Vc) レオン・キルヒナー(指揮)室内オーケストラ
● エリオット・カーター:ピアノ・ソナタ
録音:1961年9&4月、ニューヨーク

Disc5
● ドビュッシー:12の練習曲
録音:1962年2月、ニューヨーク

Disc6
● シューベルト:ピアノ・ソナタ第20番イ長調D.959
● モーツァルト:ロンド イ短調K.511
録音:1961年4月、1962年3月、ニューヨーク

Disc7
● シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集Op. 6
● シューマン:謝肉祭Op.9
録音:1963年3月、ニューヨーク

Disc8
● リスト:ドン・ファン幻想曲
● リスト:ペトラルカのソネット104番
● リスト:ハンガリー狂詩曲第10番
● バルトーク:ハンガリー農民の歌による即興曲Sz.74
● バルトーク:3つの練習曲Op.18
録音:1963年12月、ニューヨーク

Disc9
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調Op.106『ハンマークラヴィーア』
録音:1964年10&12月、ニューヨーク

Disc10
● ショパン(ローゼンタール編):ワルツ第6番(子犬のワルツ)
● J.シュトラウスII(ゴドフスキー編):酒、女、歌
● メンデルスゾーン(ラフマニノフ編):夏の夜の夢~スケルツォ
● シューベルト(リスト編):ウィーンの夜会第6番
● J.シュトラウスII(タウジヒ編):ただ一度の人生
● クライスラー(ラフマニノフ編):愛の悲しみ
● ビゼー(ラフマニノフ編):『アルルの女』第1組曲~メヌエット
● J.シュトラウス(ローゼンタール編):ウィーンの謝肉祭
録音:1965年2&3月、ニューヨーク

Disc11
● ショパン:ピアノ協奏曲第2番へ短調Op.21
● リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
ジョン・プリッチャード(指揮) ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
録音:1966年1月、ロンドン

Disc12
● ドビュッシー:映像 第1&2番
● ドビュッシー:版画
● ドビュッシー:レントより遅く
● ドビュッシー:ハイドンを讃えて
● ドビュッシー:英雄的な子守歌
● ドビュッシー:喜びの島
録音:1965年11&12月、ニューヨーク

Disc13
● エリオット・カーター:管弦楽のための変奏曲
フレデリク・プラウスニッツ(指揮) ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
● エリオット・カーター:ハープシコード、ピアノ、2つの室内オーケストラのための二重協奏曲
ポール・ジェイコブス(Cemb) フレデリク・プラウスニッツ(指揮)イギリス室内
管弦楽団
録音:1966年9月、ロンドン

Disc14-15
● バッハ:『音楽のささげもの』BWV.1079~6声のリチェルカーレ
● バッハ:『音楽のささげもの』BWV.1079~3声のリチェルカーレ
● バッハ:『フーガの技法』 BWV.1080(全曲)
録音:1967年1&3月、ニューヨーク

Disc16
● バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV.988
録音:1967年6月、ニューヨーク]

Disc17
● ハイドン:ピアノ・ソナタ第36番ハ短調
● ハイドン:ピアノ・ソナタ第31番変イ長調
● ハイドン:ピアノ・ソナタ第18番ト短調
録音:1974年9月

Disc18
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第27番ホ短調Op.90
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調Op.106『ハンマークラヴィーア』
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番イ長調Op.101
録音:1969年11月、1970年6&7月、ロンドン

Disc19
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
録音:1969年3月、1970年6月、1968年11月、ロンドン]

Disc20
● ブーレーズ:ピアノ・ソナタ第1番
● ブーレーズ:ピアノ・ソナタ第3番
録音:1970年3月、1969年3月、ロンドン

Disc21
● ヴェーベルン:『第7の環』による5つの歌曲Op.3
● ヴェーベルン:5つの歌曲Op.4
● ヴェーベルン:ヴァイオリンとピアノのための4つの小品Op.7
● ヴェーベルン:チェロとピアノのための3つの小品Op.11
● ヴェーベルン:4つの歌曲Op.12
● ヴェーベルン:四重奏曲Op.22
● ヴェーベルン:ヒルデガルト・ヨーネの詩による3つの歌Op.23
● ヴェーベルン:ヒルデガルト・ヨーネの詩による3つの歌Op.25
● ヴェーベルン:ピアノのための変奏曲Op.27
録音:1969~1972年、ロンドン



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