ランパル/エラート録音全集 第1集:1954~63年(10CD)

ランパル/エラート録音全集 第1集:1954~63年(10CD)
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ランパルという人はたびたび来日し、さらには気軽に日本の童謡なんかも録音しちゃった人なので、何となく「偉い」感じがしない人でした。
それは、おそらく、彼がパリのようなエリートが集う街ではなくて、マルセイユという南仏の血を色濃く持った街で生まれ育ったことが大きく寄与しているのでしょう。

しかし、そんな日本人にとってなじみ深いおじさんの没後15年を記念して、EratoとEMI(HMV)がすべての音源をボックスで発売するシリーズがスタートさせるというのは「尋常」な話ではありません。

何しろ、計画では、そのシリーズは全4巻CD67枚分となる大型企画になるというのです。
CDが全く売れないこの時代に、「全4巻CD67枚」のシリーズです。

当然のことながら、レコード会社も商売でCDをリリースしているのですから、この大型企画は「売れる」と判断しているのでしょう。そして、それは裏返してみれば、この「ランパル」というおじさんの尋常ではない評価の高さに思いを致せと言うことです。

そうなんです、じっくりと調べてみれば、気軽に日本の童謡なんかを録音しちゃうので少しも「偉そう」に見えないのですが、実は20世紀におけるフルート演奏を振り返る上では絶対に落とすことのできない偉大な存在だったのです。

言うまでもないことですが、20世紀のフルート演奏の歴史はモイーズから始まります。

その功績を一言で表現すれば、「近代フルート奏法」の確立したことに尽きます。彼の本質は職人であり、数多くのエチュードや教則本を残すことで、その演奏法を築き上げました。

そして、一部の言い伝えによるとモイーズは弟子でもあったランパルをあまり評価していなかったようなのですが、それでもランパルはモイーズの仕事を受け継いで、今度はフルートを「真のソロ楽器」にしました。そこにこそランパルの業績があります。
フルートをメインとした演奏会では間が持たないと言われていたことを覆して見せたのがランパルだったのです。
そして、それに続く彼の業績は、そうやって独立させたソロ楽器としてのフルートのために、そのレパートリーを広げていったことです。それは、。プーランクのような同時代の作曲家から作提供してもらうだけにとどまらず、数多くの忘れられたバロック音楽を発掘することにも力を尽くしました。
この最初の第1集に収録されている作品の大部分はかなりマイナーな作品が大部分を占めているのですが、彼がもっとも精力的にレパートリーの拡大に取り組んだ姿が刻みこれているとも言えます。

「初回のみの限定生産」と言うことらしいので、興味にある方は早めに予約を入れておいた方がいいようです。

【収録情報】
Disc1
● ブラヴェ:フルート協奏曲イ短調
● ビュファルダン:フルート協奏曲ホ短調より
● コレット:3本のフルートのための協奏曲ト長調 Op.3-6
● モーツァルト:ディヴェルティメント K.187,188
● ペルゴレージ:2本のフルートのための協奏曲

Disc2
● ヴィヴァルディ:ピッコロ協奏曲ハ長調 RV.443-444
● サンマルティーニ:ソナタ第1番ヘ長調
● クヴァンツ:ソナタ ハ長調 Op2-4
● テレマン:ソナタ ト短調 TWV42:g9
● ルイエ:ソナタ ニ短調 Op.2-4
● テレマン:リコーダーとフルートのための協奏曲ホ短調 TWV52:e1
● J.S.バッハ:マニフィカト BWV.243より

Disc3
● プロコフィエフ:フルート・ソナタ ニ長調 Op.94
● マルチヌー:フルート・ソナタ
● ヒンデミット:フルート・ソナタ
● ルーセル:三重奏曲ヘ長調 Op.40

Disc4
● モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 K.299
● ジョリヴェ:セレナーデ
● フランセ:管楽五重奏曲第1番

Disc5
● J.S.バッハ:フルート・ソナタ集(BWV.1030, 1031, 1032, 1020, 1033, 1034)

Disc6
● J.S.バッハ:フルート・ソナタ BWV.1035
● J.S.バッハ:無伴奏フルートのためのパルティータ BWV.1013
● J.S.バッハ:『マタイ受難曲』より
● テレマン:カノン風ソナタ ニ短調 TWV 40:121
● ロカテッリ:ソナタ ホ短調 Op.4-1

Disc7
● ドビュッシー:フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ
● ドビュッシー:神聖な舞曲と世俗的な舞曲
● J.S.バッハ:無伴奏フルートのためのパルティータ BWV.1013
● テレマン:無伴奏フルートのための幻想曲より(第6,3,11,1,8,10番)
● C.P.E.バッハ:無伴奏フルートのためのソナタ イ短調 Wq.132

Disc8
テレマン:
● 四重奏曲ト長調 TWV 43:G2
● 四重奏曲ホ短調 TWV 43:e4
● ソナタ イ長調 TWV 42:A
● 四重奏曲ニ短調 TWV 43:d1
● トリオ ホ長調 TWV 42:E4

Disc9
● タルティーニ:フルート協奏曲ト長調
● サンマルティーニ:フルート協奏曲ヘ長調
● ヴィヴァルディ:フルート協奏曲イ短調 RV.108
● ペルゴレージ:フルート協奏曲第1番ト長調
● ロッシーニ:四重奏曲第1番、第4番

Disc10
● ロッシーニ:四重奏曲第5番、第6番
● モーツァルト:ソナタ K.10-15

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