“豪華な歌手陣とバイエルン放送響によるサウンド的に申し分のない『リング』として有名なハイティンクの名盤が、ようやくまとまった形で復活です。 ワーグナーにふさわしい重厚な音響と、各パートが明確に響き合うハイティンクのバランス・コントロールの確かさは第1級で、歌手たちも無理なくそれぞれのベストフォームを聴かせているのが印象的です。風格あるジェイムズ・モリスのヴォータン、大迫力のエヴァ・マルトンのブリュンヒルデなど、なかなか高水準な仕上がりとなっており、作品を細部まで味わい尽くすには最適な丁寧な仕上げも魅力十分です。 60ページ・ブックレット、各CD紙ケース入り、クラッシュメルボックス仕様となっております。”
掲示板の方でも紹介されていましたが、いわゆるメジャーな指揮者とオケによるセットとしては破格の値段設定と言うことでしょうね。
一番安いと言うことなら、ノイホルト盤でしょうか。
14枚セットで2,356円はのけぞるようなお値段です。録音も1993?1995年にかけてカールスルーエ・バーデン州立歌劇場の上演をライヴ収録したデジタル録音と言うことで、優秀とは言えなくても雑音満載の歴史的録音とは一線を画します。
演奏の方もヨーロッパの普通の歌劇場で普通に上演されている普段着の指環という雰囲気でしょうか。でも、こういうのを聞かされると、ヨーロッパの底力みたいなものを感じさせられます。
楽劇『ニーベルングの指環』全曲 ノイホルト(14CD)
個人的には、何種類かの指環の全曲盤を持っていますが、時々車に積み込んで通勤の行き帰りに聞くのはグスタフ・クーンによる全曲盤です。
ナポリ・サン・カルロ歌劇場管弦楽団・チロル音楽祭管弦楽団
1998?2001年にかけて録音
ARTE NOVA 74321 87075-2
世間ではノイホルト盤と並んで音質も最低なら演奏も最低!!、唯一の取り柄は安いことだけ!・・・なんどと散々な言われ方をされますが、いわゆるヨーロッパの田舎歌劇場で日常的に上演されているオペラというのはどういうものかを知るには興味深い録音です。
まあ細かいことを言わずに、とかく無駄になりがちな通勤時間を有効活用して日頃は滅多に通して聞くような買いのない指環を通して聞くには丁度いいんじゃないのでしょうか。
<ハイティンク/ワーグナー『指環』全曲の詳細>
楽劇『ラインの黄金』
ジェイムズ・モリス(Bs:ヴォータン)
マルヤーナ・リポヴシェク(Ms:フリッカ)
ハインツ・ツェドニク(T:ローゲ)
テオ・アダム(Br:アルベリヒ)
ペーター・ハーゲ(T:ミーメ)
アンドレアス・シュミット(Br:ドンナー)
ペーター・ザイフェルト(T:フロー)
エヴァ・ヨハンソン(S:フライア)
ハンス・チャンマー(Bs:ファゾルト)
クルト・リドル(Bs:ファフナー)
ヤドヴィカ・ラッペ(A:エルダ)
ジュリー・カウフマン(S:ヴォークリンデ)
シルヴィア・ヘルマン(S:ヴェルグンデ)
スーザン・クィットマイヤー(Ms:フロースヒルデ)
録音:1988年11月 ミュンヘン、ヘルクレスザール(デジタル)
楽劇『ワルキューレ』
ライナー・ゴルトベルク(T:ジークムント)
エヴァ・マルトン(S:ブリュンヒルデ)
シェリル・ステューダー(S:ジークリンデ)
ジェイムズ・モリス(Bs:ヴォータン)
ヴァルトラウト・マイヤー(Ms:フリッカ)
マッティ・サルミネン(Bs:フンディング)
アニタ・ソルト(S:ゲルヒルデ)
ルース・ファルコン(S:ヘルムヴィーゲ)
ウテ・ヴァルター(S:ヴァルトラウテ)
ウルズラ・クンツ(A:シュヴェルトライテ)
シルヴィア・ヘルマン(S:オルトリンデ)
マルガレータ・ヒンターマイヤー(A:ジークルーネ)
キャロライン・ワトキンソン(A:グリムゲルデ)
マルガリータ・リローヴァ(A:ロスヴァイゼ)
録音:1988年2,3月 ミュンヘン、ヘルクレスザール[デジタル]
楽劇『ジークフリート』
ジークフリート・イェルザレム(T:ジークフリート)
エヴァ・マルトン(S:ブリュンヒルデ)
ジェイムズ・モリス(Bs:ヴォータン)
ペーター・ハーゲ(T:ミーメ)
テオ・アダム(Br:アルベリヒ)
クルト・リドル(Bs:ファフナー)
ヤトヴィカ・ラッペ(A:エルダ)
キリ・テ・カナワ(S:森の小鳥)
録音:1990年 ミュンヘン、ヘルクレスザール(デジタル)
楽劇『神々の黄昏』
ジークフリート・イェルザレム(T:ジークフリート)
エヴァ・マルトン(S:ブリュンヒルデ)
ジョン・トムリンソン(Bs:ハーゲン)
トーマス・ハンプソン(Br:グンター)
テオ・アダム(Br:アルベリヒ)
エーファ・マリア・ブントシュー(S:グートルーネ)
マリヤーナ・リポヴシェク(Ms:ヴァルトラウテ)
録音:1991年 ミュンヘン、ヘルクレスザール(デジタル)
バイエルン放送交響楽団&合唱団
ベルナルト・ハイティンク(指揮)