以下のような内容のメールをいただきました。
著作権関係についての問い合わせをよくいただきます。個別に答えているとたいへんですし、今回は、サイト内で紹介してもよいと言うことですので、全文引用させていただいた上で、これを一つの例としてお答えさせていただきます。
mp3のダウンロードに関しての質問でございます…。
「演奏に関しては、著作隣接権が適用されます。録音物、音源の公表後、50年を期限とします。」 とサイト等を調べましたら書かれてありましたが、クラッシックCDで現在も1960年代演奏のものが発売されています。これらは著作隣接権からしてどのような関係になるのでしょうか。どうも法律についてうとく、たとえばBGMなど公共で使ってよいのでしょうか。今回、このサイトの縁でジョージ・セル指揮の1961年演奏のCDをアマゾンにて購入したのですが、販売側の著作権についてこの関係がもうひとつはっきりしません。申しわけございませんがこの関係についてお教え願えましたら幸いなのですが。ぶしつけな質問ですみません。
音楽に関わる著作権についての概要は以下のページにコンパクトにまとめてありますので、それを参照してください。
「サイト管理者のための著作権講座」
結論だけをここに記すと以下のようになります。
2016年1月1日現在
- 演奏家に関しては、1966年以降に演奏されたものが保護の対象となります。
- レコードに関しては、1966年以降に発行されたレコードが保護の対象となります。ただし、録音してから50年が経過しても発行されない時は、保護の対象からは外されます。また、1951年以前に録音されたものは、経過措置として発行年に関わりなく保護の対象からは外されます。この経過措置については、その後映画「ローマの休日」の著作権を巡って裁判で争われ、最終的に最高裁判決として1952年までに公開された著作物に関してはパブリックドメインとなることが確定しました。よって、文化庁の見解は最高裁の判例によってくつがえされたので、現在は公開日にかかわらず1952年までに録音されたレコードは全てパブリックドメインとなっています。
- 放送に関してはパブリックドメインとなることはほとんど考えられません。
今回、このサイトの縁でジョージ・セル指揮の1961年演奏のCDをアマゾンにて購入したのですが、販売側の著作権についてこの関係がもうひとつはっきりしません。申しわけございませんがこの関係についてお教え願えましたら幸いなのですが。ぶしつけな質問ですみません。
販売者側がどのようにして権利関係をクリアしているのかは、当然の事ながら販売者側に質問していただくしか方法はないかと思います。
そんな権利関係などは平気で無視をして海賊盤という形で販売している業者もあれば、きちんと権利関係をクリアしている業者もあり、千差万別です。
また、その権利関係のクリアの仕方も、販売者側と権利保有者の間でどのような内容で契約が交わされているのかも千差万別だと思います。
ですから、そのあたりの微妙な問題は当事者に質してみるしか方法はないのですが、おそらくそんな質問に答えてくれる業者はいないと思います。
何故ならば、そう言うことを公にしないのはビジネス上のルールとしては当然のことだからです。
ただ不思議なのは、どうして販売者側がどのようにして権利関係をクリアしているのかを知りたいのか、その理由が今ひとつよく分かりません。
どうしてもお知りになりたいのであれば、上で述べたように、ダメ元で問い合わせをしていただくしかないかと思います。
でも、明確にパブリックドメインとなっていて自由に複製が可能な音源以外については、その様な問い合わせは無視されるだろうと思います。