“長年モスクワ音楽院の教授を務めたミャスコフスキーですが、作風の変遷には大きなものがあり、交響曲にしても、聴きやすさを基調にはしているものの、中には実験的で前衛的な要素や、民俗的な要素が認められるものもあり、また、シンプルで古典的なもの、合唱を交えた大掛かりなものから、ブラスバンドのためのものまで多彩をきわめているのが特徴。往年の名指揮者ニコライ・マルコによると、奇数番号の交響曲は瞑想的でペシミスティックな情感を湛えるものが多く、偶数番号の交響曲は、大衆のために作曲しているとミャスコフスキー本人が語っていたということです。”
ミャスコフスキーと言えば、とにかくたくさんの交響曲を書いた人と言うことで名前が出てくるのですが、恥ずかしながら、ユング君はその作品を一つも聞いたことがありません。何しろ、「ミャスコフスキー」を何度も「ミャコフスキー」と間違ってしまうほど、私の中での認知度は低い作曲家です。
しかし、交響曲の歴史を考える上では、少しは聞いておく必要があるような気がします。その言う意味でも、このセットの資料的価値は非常に高いと言えます。
また、スヴェトラーノフは、際物的にこのような仕事をしたのではなく、心の底からこの作曲家の音楽を愛した結果としての全集・・・らしいのです。
スヴェトラファンにとっては周知のことのようなのですが、この全集は「スヴェトラ御大が、音楽的な作曲者の位置や作曲者とソビエトとの複雑な関係等をものともせず、ほとんど個人の思い入れの果てに完成させた」プロジェクトらしいのです。ですから、当初は全世界で300セットのみの限定発売、価格4万円というものだったらしいです。
私はコレクターという意識はないのですが、やはり・・・買いでしょうか・・・?
<収録作品>
ミャスコフスキー:交響曲&管弦楽作品全集
CD1[76:46]
・交響曲第1番ハ短調 作品3
・交響曲第25番変ニ長調 作品69
CD2[75:07]
・交響曲第10番ヘ短調 作品30『青銅の騎士』
・交響曲第11番変ロ短調 作品34
・交響曲第19番変ホ長調 作品46
CD3[78:46]
・交響曲第9番ホ短調 作品28
・交響曲第14番ハ長調 作品37
CD4[76:12]
・交響曲第7番ロ短調 作品24
・交響曲第8番イ長調 作品26
CD5[76:38]
・交響曲第5番ニ長調 作品18
・交響曲第12番ト短調 作品35『十月革命15周年に捧ぐ』
CD6[77:41]
・交響曲第4番ホ短調 作品17
・交響曲第15番ニ長調 作品38
CD7[75:01]
・交響曲第17番嬰ト短調 作品41
・交響曲第20番ホ長調 作品50
CD8[79:04]
・交響曲第22番ロ短調 作品54『交響的幻想』
・交響曲第26番ハ長調 作品79『ロシアの主題による』
CD9[74:01]
・交響曲第24番ヘ短調 作品63
・交響曲第27番ハ短調 作品85
CD10[79:57]
・交響曲第3番イ短調 作品15
・交響曲第23番イ短調 作品56『バラード』
CD11[79:48]
・交響曲第16番ヘ長調 作品39
・交響曲第18番ハ長調 作品42『10月革命20周年に捧ぐ』
・祝典序曲 ハ長調 作品48
CD12[79:01]
・交響曲第2番嬰ハ短調 作品11
・交響曲第13番変ロ短調 作品36
・スラヴ狂詩曲 ニ短調 作品71
CD13[78:19]
・交響曲第6番変ホ短調 作品23『革命』
・悲愴序曲 ハ短調 作品76
CD14[77:45]
・交響曲第21番嬰ヘ短調 作品51
・シンフォニエッタ イ長調 作品10
・沈黙 ヘ短調 作品9
・セレナード第1番 作品32-1
CD15[78:58]
・シンフォニエッタ イ長調 作品32-2
・シンフォニエッタ イ短調 作品68-2
・コンチェルティーノ・リリコ ト長調 作品32-3
CD16[77:37]
・リンクス 作品65
・ディヴェルティスマン 作品80
・アラスター ハ短調 作品14
ソ連国立交響楽団(第3番・第22番/ステレオ)
ソ連国境警備隊楽団(第19番/ステレオ)
ロシア国立交響楽団(上記以外/ステレオ)
ロシア国立アカデミー合唱団(第6番)
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)