“限りなく美しいモーツァルトの音楽。カラヤンやバーンスタイン、テイトによる交響曲、カサドシュやブレンデルやペライアのひくピアノ協奏曲、ブダペスト弦楽四重奏団やハーゲン弦楽四重奏団の室内楽、シェリングのヴァイオリン、ハスキルやグルダのピアノ、魅惑のオペラなど、演奏史に輝く名盤から新しいディスクまで、モーツァルトをきく喜びをつづる至福のエセー。”
モーツァルトをきく (ちくま文庫 よ 20-4 吉田秀和コレクション)
吉田秀和氏の著作が文庫の形でシリーズ化されて出版されていることを以前に紹介しました。気づいたときは全20巻の内3巻まで出版されていたのですが、さらに気づかないうちに4巻目も出版されていたようです。
調べてみると12月ー3月ー5月ー8月と出版されているので、もうすぐ第5巻が出版されるんでしょうね。
なお、第4巻の解説を依頼されている天野祐吉氏がご自分のブログでこのエッセイ集にふれているエントリーを発見しました。
子曰く [ことばの元気学]
「いまから見ると、モーちゃんの音楽は洗練の極致に思えるけど、当時としては破壊的であり、革命的であり、野性的だった。」
等という、ホントに手垢にまみれたような文章ばかりなので、正直言って苦笑せざるを得ませんでした。(肝腎の解説文は読んでいないので、もしかしたらそちらの方はもう少しまともなのかもしれませんが・・・)
もちろん天野氏は広告関連が御専門であってクラシック音楽はそれほどお詳しくはないと拝察します。今ではお上品の代表みたいな音楽も当時は前衛的な音楽だったというのは大変な卓見だと思われたのでしょうが、お金もらって文章を書いている人としては底が浅すぎますね。
他の分野では天野氏の卓見を高く評価しているだけに、できれば仕事は選んでほしいし、出版社も人選は慎重にしてほしいですね。