花の文化園の特徴の一つは、貴重な山野草を簡単に見ることができることです。
有名なのは2月に咲く「セツブンソウ」で、その時期になると大きなカメラを抱えた愛好家がたくさんやってきます。
「セツブンソウ」というのは写真などで紹介されるときは大きく拡大した状態なので、それを頭に描いて実物を見ると驚いてしまいます。傍目から見ると、何も咲いていない砂地の前に数人のカメラマンが大きくて立派なカメラを抱えてうずくまっているようにしか見えません。
そして、そのカメラマン達のカメラの先をよくよく見てみると、ほんとに小さな花が咲いているのです。
しかし、そう言う「わかりにくい」山野草はごく僅かで、少し注意しながら園内を散策してみると、結構貴重な草花に出会えます。
例えば、4月の終わり頃から5月の初め頃に、こんな綺麗な花を咲かせる野草と出会えます。
クマガイソウ(写真は4月28日に撮影したものです。)
絶滅危惧種に指定されていますから、自然の状態で生育しているものを見る機会は殆どないと思われます。
調べてみると「ラン科」に分類されるようで、受粉するにはマルハナバチ等の仲間がこの大きな花の中に潜り込んで花粉を運んでもらう必要があるようです。
見てもらえば分かるように、花は非常に複雑そうな作りになっていて、ハチがこの中にはいると同じ場所からは出ることができない仕組みになっています。
そこで、ハチは仕方なくこの花の中の迷路のような通路をぐるっと回ることでようやく出口にたどり着くのですが、その迷路を通過していく間にたっぷりと花粉を体にこすりつけるという仕掛けなわけです。
ところが、この立派そうに見える花は非常に命が短くて、私が確認した範囲では1週間は持たないようです。
なるほど、これでは次の子孫を残すのは大変です。
エビネ
このクマガイソウのすぐに近くに「エビネ」が花をつけています。
こちらも同じく「ラン科」の野草で準絶滅危惧種です。
ただし、こちらは愛好家が多くて、この園でも時々そう言う愛好家のグループが展示会をやっています。
サクラソウ
山野草のゾーンから梅園の方に向かうと、小道沿いにたくさんのサクラソウが咲いています。
このサクラソウも準絶滅危惧種ですが、その愛らしい花には人気があって愛好がたくさんいます。文化園の入り口に、毎年そう言う愛好家のグループが丹精をこめて花を咲かせたサクラソウが展示されています。
このサクラソウゾーンの少し先に行ったところに「セツブンソウ」が咲いているのですが、予備知識がないとほとんどの人はとりすぎてしまいます。
花の文化園へ
文化園の入り口に「奥河内くろまろの郷」という施設ができましたので、南海高野線の河内長野駅からもバスが出ています。しかし本数は少ないので車で行った方が便利です。
「奥河内くろまろの郷」には広い駐車場が完備されていて駐車料金も無料です。文化園の入り口にも駐車場(無料)はありますがやや場所が分かりづらいですし、道もいささか狭いので「くろまろの郷」に駐車した方がいいでしょう。
ゴールデンウィークや特別なイベントがある日には駐車場への入場に渋滞が発生する事もありますが、車の出入りが頻繁なので少し待てば問題なく駐車できるはずです。そう言う特別な日以外は休日でも全く問題はありません。
文化園は「くろまろの郷」の駐車場から橋を渡り階段を上がればすぐに入り口です。徒歩2~3分と言うところです。
なお、文化園には入場料が540円必要です。ちなみに私は2200円の「年間パスポート」をいつも買っています。