前回は最後にこのように書きました。
「音質に関しては、昨日も書いたように、実に「透明度」の高い音に激変します。正直、これほども変わるのかと驚いています。
ただし、問題は、その「変わる」事が果たしていいことなのかどうかは、これまた日本国の一時の「改革」ブームと同じで、事の本質をしっかりと見極める必要があります。」
結論から言えば、これは間違いなく「改善」です。それも、素晴らしいほどの劇的な効果を感じます。
まず何よりも感じ入ったのは、低音の「軽さ」です。
よくオーディオの世界では「重低音」などと言いますが、実際の楽器はあんな「重たい」音はしません。コントラバスにしてもチェロにしても、実にふんわりとしながらも朗々とした響きがするものです。HDからRAMDiskに切り替えてまず感心したのはその「軽さ」です。
HDだけで聞いていたときはそれで充分満足していたのですが、一度RAMDiskからの「軽さ」と「深み」のある響きを聞いてしまうともう元には戻れません。
次に、アドバンテージがあるのは響きの「透明感」です。金管群のどこまでも伸びていくような響きは本当に魅力的です。
ただし、その分細部の見通しがよくなりすぎて、昔の、ある意味大雑把な演奏の「粗さ」が分かりすぎて苦笑することも増えてきました。
CDがメディアが中心に座った90年代以降はオケの性能がアップしたと言われますが、その事が実に納得できてしまいます。
と、言うことで、早速にメモリの積み増しに着手しました。
注文したのは
「Pulsar DCDDR2-4GB-800 マスタードシード 4997401134563 PULSAR DCDDR2-4GB-80」
です。
2営業日でつくというわりには1週間もかかったのですが、早速にエンヤコラとPCに差し込んでみました。すでに、1Gbを2枚差してあるので、これで合計6Gbです。
マイコンピューターからのプロパティで確認してみると、3Gb程度認識しています。
32bitパソコンでは4Gbの壁があって、さらにパソコンの環境によって800Mbz前後があれやこれやに予約されるので、まあ、3Gbと言うのはそんなものでしょう。
これで、管理外区域の2Gbが、PCのパフォーマンスを落とすことなくRAMDiskとして活用できるはずでした。
ところが・・・、どうしてもこの管理外区域の2Gbが認識できないのです。
BIOSで確認してみると間違いなく物理メモリとして6Gb認識していますので、メモリに問題はないようです。また、ネット上であれこれ調べてみると、BIOSの「Memory Remap Feature」を「Enable」にする必要があると書いていたので、おそらくそこが問題だと思ってBIOSを調べたのですが、どうしても「Memory Remap Feature」という項目を見つけることが出来ません。
困ったものですが、実は、面白くなってきたとひそかにほくそ笑んでいます。
何故なら、ちょっとトライしてすぐに結果が出るようでは「趣味」としての楽しみはありません。ふうふう言いながらあれこれトライしてじりじりと目標に向かっていくところに「趣味」としての楽しみがあります。
PCオーディオは長らくブラックボックスに閉じこめられていたデジタルオーディオの世界を一気に解き放したようです。ユーザーがこれほど簡単に色んな事にトライできて、そのトライによってみるみる音質が向上していくのですから、昔気質のオーディオファンにはたまりません。
なお、前回紹介したメイド・イン・チャイナのソフトでは不安だという人には、国産のいいソフトを発見しました。
バッファローのベータ版RAMDISKユーティリティ
インストールは実行ファイルをクリックするだけですし、バックアップも自動的にとれるように設定できます。メモリから切り出したいサイズも細かく設定できます。
明らかに、メイド・イン・チャイナの「Gavotte Ramdisk」よりは使い勝手がいいので、今はこのソフトでRAMDiskに1.5Gb切り出し、メモリには残りの1.5Gbをあてがっています。スタンドアローンで音楽再生に特化したPCには十分すぎるスペックです。
もしも、多めにメモリを積んでいるようでしたら1円もかからないトライですので、一度はRAMDiskから読み出した音を体験されてはいかがでしょう。