Windowsは起動するときにシステムにインストールされているフォントを全て読み込みます。ですから、これを削除すると起動が速くなると言う「文脈」でこの「裏技」がいろいろなサイトに紹介されています。
これを見て、それなら、起動だけでなく「音質」も向上するのではないか?と考えるのが「PCオーディオ」の人たちです。
フォントの削除というのはいささか「危険」が伴いますが、お金は一銭もかかりませんので、とにかくトライアルのみです。そして、その「結果」は「天啓」とも呼ぶべき効果があった・・・と報告されたのでは、私もトライしてみるしかありません。
<安全なフォントの削除の仕方>
フォントには基本的には3種類(赤・緑・青)があります。
赤はWindowsがシステムとして使っているもので、絶対に削除してはいけません。
緑は、アイコンやタイトルバーなどに使われているので、自分のシステムでは絶対に使っていないという自信があるとき以外は削除しない方が無難です。
青は、例えば年賀状作成のソフトなどをインストールしたときに序でにインストールされるフォントです。基本的に削除してもシステム的に困ることはありませんが、そのフォントを使っている文書などは表示されなくなります。
と言うことで仕事用にも使っているPCだと、こういう事はしない方がいいと思いますが、音楽再生に特化したPCならかなり思い切ったチャレンジができるはずです。
なお、削除の仕方は、
フォントがインストールされている”C:\WINDOWS\Fonts”から不要なフォントを選んで[右クリック]→[削除]・・・で、
いいのですが、これだと、後で不都合が発生したときのリカバリーが大変ですので、普通は”C:\WINDOWS\Fonts_iranai”みたいな新しいフォルダを作って、そこへ不要と思われるフォントを移動させる方がいいでしょう。
ただし、これだと、フォントはパソコンの起動時に読み込まれなくなりますが、フォントのレジストリ情報などは削除されませんので、ある程度使ってみて「大丈夫」との確信が持ててから削除するのがベストと思われます。
もちろん、フォントを移動させて不都合が出れば、元の”C:\WINDOWS\Fonts”に戻して再起動すれば簡単に元に戻ります。
やり始めると、とことんやらないと気が済まない質ですので、限界まで削除してみました。ただし、何を削除しても大丈夫かはお使いの環境で大きく異なります。基本的には上記のような一般論しか言えませんので、そこは自己責任でトライしてみてください。
さて、その結果は・・・、まさに「唖然」とするほどの変わりようです。もしかしたら、以前の[explorer.exe]プロセスの終了に匹敵するほどの効果かもしれません。
具体的に言うと、例えば、リリー・クラウスの56年のモノラル録音。
彼女は、場合によっては左手をかなり控えめに鳴らしています。そんな時に、左手の響きがいささか不明瞭になるのが不満だったのですが、この対策を施してから聞いてみると、左手は控えめでも、一つ一つの音はしっかりと鳴りきっているのがはっきりと分かるようになりました。
また、音楽ファイルをRamDiskから読み出したときに、中高域にほんの少し「艶」みたいなものがのるのが不満だったのですが、これもまた、すっきりと自然な雰囲気に改善されたように思います。
PCオーディオというのは本当に不思議な世界です。
ほんのちょっとした思いつきで信じられないほどの音質改善が実現します。
ただし、その思いつきがなかなか「降ってこない」のですが、「舞い降りた」時の喜びは言葉には言い表せないほどのものです。
こんな事を思いついた人に・・・感謝!!!