“フランスを代表する伝説の名エンジニア、アンドレ・シャルラン。彼が1960?70年代にかけてステレオ録音したシャルラン・レーベル伝説の録音が復活いたします。シャルランが生涯こだわり続けた「ワン・ポイント録音」の素晴らしさを実感!”
アンドレ・シャルラン
「アンドレ・シャルラン」と聞いてピントこない人にとってはあまり魅力のないシリーズかもしれません。
作品も地味なものが多いですし、演奏家も総じてマイナーです。
しかし、伝説の名エンジニアとして「アンドレ・シャルラン」の名前を記憶にとどめている人にとってはかなりの魅力を持ったシリーズかもしれません。そう言う人にとっては、今回は26タイトルが一気にリリースされるので、さてどのあたりから手をつけようかと楽しい悩みが待っています。
マルチバイ特価で1500円程度になりますので、とりあえず1万円の投資で6?7点ゲットするとなるとどのあたりをセレクトすればいいのでしょうか?
( ̄ω ̄;)う?ん…・・・と考えて、個人的には以下の6点を選びました。
(1) フォーレ:ピアノ五重奏曲第1番、第2番、ピアノ四重奏曲第1番、ドリー、他 ティッサン=ヴァランタン、ORTF四重奏団、ピュイグ=ロジェ(2CD)
この2枚組は絶対に外せないでしょう。間違いなく、これぞシャルランの代表作です。
(2)フォーレのレクィエム マルタン&サン・ユスターシュ管弦楽団
これもまた、シャルランの代表作とも言うべき録音ですね。一度は聞いておいて損はない録音だと言えます。
(3)ジョルジュ・オンスロウ:弦楽五重奏曲 Op.78-1/弦楽四重奏曲 Op.8-1
これもまた一度は聴いておいて損はない作曲家、それが「オンスロウ」です。
(4)オルガン名曲集(バッハ:トッカータとフーガ、目覚めよ!と呼ばわる物見らの声、他) リテーズ
オルガン曲から一つは選びたいとなると、まずはこの一枚でしょうか。
(5)ミヨー:屋根の上の牛、世界の創造 ミヨー&シャンゼリゼ劇場管弦楽団
作曲家であるミヨー自身の演奏と言うことと、録音のクオリティの高さで選びました。
(6)ベートーベン:オルガン作品集 クロムバッハ
最後の一枚は悩みましたが、作品の珍しさと録音の優秀さでこれを選びました。
これ以外にも、アバドがチェンバロを担当している録音や、カラヤンのお兄さんだったヴォルフガング・ フォン・カラヤンの録音などもあります。
願わくば、一枚1000円程度でリリースしてくれていれば申し分なかったのですが・・・。
「題名のない子守歌」さんから掲示板の方にこんな書き込みをいただきました。
『ブログの方にレスしようとしたらエラーが返ってきたのでこちらに;;
アンドレ・シャルランで検索したらこんなページが・・・
http://sawyer.exblog.jp/178…
>>1990年代だったと思うが、
>>なんとシャルランレコードのCD復刻、
>>其れも1枚1000円と超安価であった。
>> 東京の「ヴィーナスレコード」というところからの発売である。
>>CDに復刻されたレクイエムを聴いて正直ガッカリした・・・
>>というのは、かって聴いたシャルランの鮮烈な録音の姿かたちもなかったからである。
HMVで売られているのが同じ音源でないことを祈ります。』
うーん・・・、既に発注したのでもしかしたら「人柱」になるかもしれませんね。
手元に届けばまた報告したいと思います。
yungさん 初めまして。こちらのページからシャルランの復活CDの発売を知り、HMVの通販から購入しようとしましたが、希望のCDが在庫無で11/30入荷ということ。結局予約をキャンセルしました。ダメ元でタワーレコード(大阪・難波&梅田)に行ったところ、在庫があり、4枚購入しました。(@\1690)早速4枚購入してPCにリッピングし視聴しましたが、LPで聴いた音と遜色なく、他社のCD同様、60年代の(サブ)マスターからの復活にしては満足のいく音だと思います。大阪にお住まいの方はタワーレコードに足を運んでみてはいかがでしょうか?
>ダメ元でタワーレコード(大阪・難波&梅田)に行ったところ、在庫があり、4枚購入しました。(@\1690)早速4枚購入してPCにリッピングし視聴しましたが、LPで聴いた音と遜色なく、他社のCD同様、60年代の(サブ)マスターからの復活にしては満足のいく音だと思います。
発売延期に次ぐ延期だったのですが、8月に注文したCDが2日前に漸くにして手元に届きました。
音質は確かに良好で、ワンポイント録音らしい自然な音場のなかで演奏の姿が捉えられています。
おっと、言い忘れた、手元にそろったのは以下の3枚です。
・フォーレ:レクィエム
マルタン&サントゥスタシュ管弦楽団、サントゥスタシュ教会聖歌隊
分厚くて暖かみのある音が魅力的ですが、所々に「カチャ」みたいな雑音が背後に混ざります。
・オンスロウ:弦楽五重奏曲、弦楽四重奏曲
ジャリ、カラチリー、コロ、B.パスキエ、トュルニュ
はじめて聞く作品なのですが、その美しいメロディにはひきこまれます。ただ、2〜3回聞けば飽きてしまうような面もあります。
録音は70年代のものとしては標準レベルでしょう。
ワンポイント録音のメリットはあまり感じませんでした。
・フォーレ:ピアノ五重奏曲第1番、第2番、ピアノ四重奏曲第1番、ドリー、他
ティッサン=ヴァランタン、ORTF四重奏団、ピュイグ=ロジェ(2CD)
これが今回一番ほしかったCDで、2日前に漸く届いたのもこのCDです。
早速聞いてみましたが、エレジーのチェロの生々しい響きなどはかなり魅力的です。
ピアノ五重奏曲や四重奏曲も、弦とピアノのバランスが難しい録音だと思うのですがかなり上手くとらえられていると思います。響きがやや薄いかなとも思いますが、まあ合格点でしょう。
ただし、これもまた背後にわずかながら「ボソ、ボソッ」というようなノイズが乗ります。
と言うことで、ここからは私の全くの推測です。
どうも、今回のシリーズも(サブ)マスターテープからのCD化ではなくて、初期LP盤からの板起こしのような気がします。
ご存知のように、シャルランの手になる「マスターテープ」は既にこの世に存在しません。税金の滞納で差し押さえを食らったときに、彼の「ワンポイント録音」によるマスターテープは時代遅れの代物で無価値なものと判断されて廃棄されてしまったからです。
ですから、現在存在するのはマスターテープのコピーです。しかし、その保存状態もあまり良くないようで、おそらくは初期盤からの板起こしの方がベターだと判断したのではないでしょうか。(あくまでも私個人の推測ですよ・・・^^;)
ただ、背後のノイズは、(サブ)マスタテープの劣化によるものではなく、明らかにスクラッチノイズの類のように聞こえます。
おそらく、今回の発売延期はその辺りの音質の詰めで、発売元のキングがかなりだめ出しをしたのではないでしょうか。
その結果として、かつてのような粗悪な復刻とは一線を画すものになっていますが、シャルランの「完全ワン・ポイントのむせかえる香り高き録音」が再現されているかと言われれば疑問です。個人的評価は70点程度でしょうか。
しかし、その辺りのいろんな事情を勘案すれば、これが「限界」かとも思えます。
残念ながら、シャルランの偉業は完全に失われてしまったと言わざるを得ないようです。