ベートーベン:弦楽四重奏曲全集(ステレオ) ブダペスト弦楽四重奏団(8CD)

“ブダペスト弦楽四重奏団による2度のベートーヴェン全集は、新旧共にその価値は高いのですが、このステレオ録音では、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲のひとつの究極の姿が提示されていると絶賛されていました。ベートーヴェン作品の構造を堅固に示しながらも、楽想の受け渡しは肩肘張ることなくおこなわれ、息の合った奏者同士ならでは自然体のベートーヴェンの姿が築き上げられています。”

ベートーベン:弦楽四重奏曲全集(ステレオ) ブダペスト弦楽四重奏団(8CD)
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最近になって、「Sony Classical 」が激安のボックス盤を次々とリリースしてきています。
このボックスも8CDで、オンライン特価が2190円です。
50年代初頭にモノラルで録音された全集が、新即物主義によるベートーベン演奏の金字塔とも言うべき演奏だったので、その後のステレオ録音に関してはいまいち評価が上がりませんでした。(悪い演奏ではなかったのですが・・・)
ただし、商売的にはそれでは困るので、レーベルの方はモノラル録音の方はさっさと廃盤にして、こちらのステレオ録音の方を現役盤として位置づけてきました。(これ、よくやる手ですね・・・ほんとに、困ったものです。)
しかし、アルバン・ベルクSQなどによる録音が登場してくると、このステレオ録音によるブダペストSQによる録音は次第に忘れ去られカタログから消えていってしまいました。(中古ショップでは3万円の値が付いていたこともあったそうな・・・)
もう少し正確に言うと、ブダペストSQそのものが忘却の彼方に消えていこうとしていました。
しかし、最近になって、アルバン・ベルクSQなどに代表されるようなマシンのように正確で、かつ精緻な演奏に「しんどさ」を覚える向きも出てきたようです。そんな突き詰めたような演奏ではなくて、ゆっくりとくつろいで聞きたいという思いです。
そう思えば、これが「ベートーヴェンの弦楽四重奏曲のひとつの究極の姿」かどうかは心許ないですが、そう言うマシンのように正確ではないが心に染み入る演奏スタイルの一つであることは事実です。
もしも、このCDを未だにお持ちでなく、アルバン・ベルクみたいな演奏には「もう飽きた!」もしくは「もう、いやだ!!」という方がおられれば、悪くない選択ではないかと思います。

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