お相撲の話です。

今日は音楽とは全く関係のない話です。お相撲の話です。
最近は野球賭博の問題や八百長の問題などもあっていたって評判の悪いお相撲ですが、私は昔から大好きでした。

お相撲に興味を持ったのは祖父の影響です。
祖父は大のお相撲好きで、私は小学校の頃からその祖父の横でお相撲を見ていました。考えてみれば、それから半世紀近く相撲を見続けてきたわけで、その間で、私がお相撲がつまらなく思ったのは、若貴の華やかな時代だけでした。まあ、どう見ても相撲などとは縁がないと思うような方々があれやこれやと知ったかぶりを披露してくれるものですから、ホントにうんざりさせられて、一時相撲を見るのをやめた時期があっただけです。

最近は相撲人気のかげりが言われるのですが、相撲なんてもともとがそんなものです。野球やサッカーみたいに多くの人から歓声を浴びせられるようなものじゃないのです。
分かるやつだけが分かればいい、というのは言い過ぎかもしれませんが、まあ、そう言う側面があることは否定しきれません。

さて、突然こんな事を書き始めたのには理由があって、それは今日の千秋楽の取り組みが実に面白くも興味深かったからです。

おそらく、興行的言えば、稀勢の里が11勝を挙げて文句なく大関昇進を決め、白鳳も把瑠都を破って全勝優勝と行きたかったところでしょう。ところが、現実はそう言う興行的思惑とは正反対の結果となりました。
そのあたりの雰囲気は相撲協会も分かっていたようで、稀勢の里の大関昇進は11勝でなくてもいいと言うことでさっさと規定事実化していました。合い口の悪い琴奨菊相手にガチガチ状態の稀勢の里が勝てるはずがないという「配慮」によるものでしょう。
しかし、個人的に言えば、相撲というのは他のスポーツと違って「こういう成績を上げれば昇進」などと言う杓子定規な規定にはなじまない競技だと思っています。白鳳の連勝と止めたのは稀勢の里ですし、今年もほぼ互角の勝負をしています。さらに言えば、直近3場所で33勝に達しなくても最近はほぼコンスタントに二桁の勝ち星をあげていますから、今場所も10勝あげた時点で大関昇進を決めても大きな問題はないと思っています。

さらに面白かったのは、7勝7敗の崖っぷち力士の勝敗です。
これは、一昔前ならば、ほとんどが崖っぷち力士の方が勝ち星をあげて勝ち越しというのが通り相場でした。ところが、今日の千秋楽は崖っぷちから勝ち星をあげたのは二人だけ、さらにそのうちの一人は7勝7敗の相星だったので、実質は一人だけでした。
こんなにも辛い星勘定の千秋楽というのはちょっと記憶にありません。

さらに言えば、今場所は攻防が少なくてあっけなく勝負の決まる相撲が多かったと言われます。
しかし、これもまた、長年相撲を見てきたものにとっては、ガチンコ勝負になった証拠とも言える現象です。昔から、「大勝負に名勝負なし」は相撲界の常識です。
己の人生がかかったような大勝負になれば、それは当然のことながら八百長も人情相撲も入り込む余地はありません。お互いが、本気の本気で相撲を取れば、意外なほどにあっけなく勝負がついてしまうことが多いものです。

この一年、実に多難な相撲界ではあったのですが、どうやら立ち直りに向けて少しずつ前進を始めたようです。

2 comments for “お相撲の話です。

  1. mkn
    2011年12月2日 at 12:24 AM

    栃ノ海は知りませんが柏戸や佐田の山の引退をうっすら覚えています。大鵬が羽黒岩に連勝を止められた「疑惑の一番」も見ました。
    ところで私は運動オンチですがそれでも高校生までは砂場や体育館でとっくみあいをして遊んだものです。今の子供たちはあまりしないのでは?そのあたりに「相撲人気の陰り」の原因があると考えています。
    さて私は相撲というものは「村の男たちの力比べ」に根源があるように思っているものですから「体重がすべて」につながってしまう突き押しの相撲というのがどうも苦手です。サルコジ氏は相撲を「ポマードメタボの押しくらまんじゅう」としか見ていないそうですがある意味当たっていると思いますね。評判の悪い朝青龍ですがその流れに一石を投じた力士として評価しています。琴奨菊は良い力士ですが大関以上となるとどうでしょうか。稀勢の里は勢いはすごいですがそれ以上かと聞かれるとこちらも…。
    ちなみに横綱でもっとも贔屓だったのは輪島でした。好みを分かっていただけるでしょうか。

  2. yung
    2011年12月3日 at 5:02 PM

    >大鵬が羽黒岩に連勝を止められた「疑惑の一番」も見ました。

    あれ?大鵬と戸田じゃなかったでしょうか?と、思って調べてみたら、その後羽黒岩に四股名を変えていたんですね。
    でも、あの一番の印象が強くて、私の中では何時までも「戸田」のままです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です