マーラーと親密だった弟子として、早くから作品紹介に務めたワルターのマーラー演奏には特別な説得力があります。米COLUMBIAによる一連のマーラー録音は、そうした長年に渡るワルターのマーラーへの貢献の成果を、状態の良いサウンドで鑑賞することができる条件の整ったものです。
マーラー 交響曲集 ワルター&コロンビア響、ニューヨーク・フィル(7CD)
そのうちにリリースされるだろうと思っていたのですが、ようやくにしてお目見えしたようです。
日本におけるワルターの人気は確固としたものがあります。ですから、最晩年のコロンビア響との録音は、彼の真価を伝えるものではないと言われても、録音のクオリティなども考え合わせると未だに根強い人気があります。
ところが、調べてみると、この一連の録音はかなり昔に再発されたままで、結構入手するのが難しくなっています。もちろん、お値段方も今の感覚からすると有り得ないほどに「高い」ままの状態です。
おそらく、これをきっかけにベートーベンやブラームスなどもまとめてリリースされるのではないかと思います。
楽しみといけば楽しみですね。
【収録情報】
グスタフ・マーラー:
Disc1~2
・交響曲第1番ニ長調『巨人』
コロンビア交響楽団
録音時期:1961年
録音方式:ステレオ(セッション)
・交響曲第2番ハ短調『復活』
エミリア・クンダリ(S)
モーリーン・フォーレスター(A)
ウェストミンスター合唱団
ニューヨーク・フィルハーモニック
録音時期:1957&58年
録音方式:ステレオ(セッション)
・歌曲集『さすらう若人の歌』
ミルドレッド・ミラー(Ms)
コロンビア交響楽団
録音時期:1960年
録音方式:ステレオ(セッション)
Disc3~4
・交響曲第4番ト長調
デジ・ハルバン(S)
ニューヨーク・フィルハーモニック
録音時期:1945年
録音方式:モノラル(セッション)
・交響曲第9番ニ長調
コロンビア交響楽団
録音時期:1961年
録音方式:ステレオ(セッション)
Disc5
・交響曲第5番嬰ハ短調
ニューヨーク・フィルハーモニック
録音時期:1947年
録音方式:モノラル(セッション)
Disc6
・『大地の歌』
ミルドレッド・ミラー(Ms)
エルンスト・ヘフリガー(T)
ニューヨーク・フィルハーモニック
録音時期:1960年
録音方式:ステレオ(セッション)
Disc7
・交響曲第1番ニ長調『巨人』
ニューヨーク・フィルハーモニック
録音時期:1954年
録音方式:モノラル(セッション)
・『若き日の歌』~思い出
・『若き日の歌』~別離と忌避
・『若き日の歌』~再び相まみえずに
・『若き日の歌』~私は緑の森を楽しく歩いた
・『若き日の歌』~夏に小鳥はかわり
・『若き日の歌』~ハンスとグレーテ
・『若き日の歌』~春の朝(たくましい想像力)
デジ・ハルバン(S)
ニューヨーク・フィルハーモニック
録音時期:1947年
録音方式:モノラル(セッション)