Lili Kraus 再説(1)

Lili KrausのCDが届きました。
そんなわけで、またまたiPodに詰め込んで通勤の行き帰りに聞いてみました。そして、その聞いた中で面白そうな録音は帰ってきてからメインのシステムで聞いています。
結論を言えば・・・これ、ホントに素晴らしいです。
いくら「悪貨は良貨を駆逐する」のがこの世の常とはいえ、これほどまでに素晴らしいモーツァルト演奏がどうしてかくも長く埋もれていたのか、首をかしげるばかりです。
まずは音質。
90年の初めにLPでリリースされたときは酷い音でした。
ある人が曰く、まるでブリキの缶をたたいているような音!!・・・でした。あれでは、演奏の善し悪しを論ずる以前に聞き通すのさえ困難でした。
しかし、フランスで発売された初期盤の音質は全く別物であることを一部の人は指摘していました。しかし、国内盤があれほどまでに酷いと、そう言う一部の声はかき消されていきました。
この音質の悪さが、この素晴らしい録音が埋もれてしまう大きな原因であったことは明らかですから、ホントに罪の重い話です。
しかし、今回のCD化で、そう言う一部の声が「真実」であったことがハッキリ証明されました。
それは、「なんとか聞けるような音質になった」というものではなく、ホントに目の前の前でLiliがピアノを弾いてくれているような生々しさです。
東芝EMIに対しては、いったいどの様なプレスの仕方をすればあれほどまで酷いLPを作ることができたのか、一度じっくりと事情を聞かせていただきたいと思うほどです。
まさに、伝説の録音エンジニア、シャルランの面目躍如の録音であることがハッキリと分かります。
ですから、LPは持っているからという人も、この復刻CDに注目する理由は十分にあるのです。
(明日へ続く)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です