カラヤン・エディション

【カラヤン・オフィシャル・リマスター・エディション】

没後25周年記念企画。カラヤンがEMIで制作した音源を、アビー・ロード・スタジオでオリジナル・ソースから新たに24bit/96kHzリマスターしたシリーズ。ベートーヴェン第九のステレオ録音など注目音源も含まれる大規模企画で、第1弾として3タイトルが登場し、8月までに全部で13タイトルの限定ボックスがリリースされる予定です。

引用元: カラヤン・オフィシャル・リマスター・エディション
icon

ずいぶん前のことですが、これまた高名な評論家が、フルトヴェングラーなどとは違って帝王カラヤンもこの世を去ってしまえば次第に人々から忘れ去られていくようだ、みたいなことを書いていました。その頃は、強固な「アンチ・カラヤン」だった私も、そう言う文章を読んで大いに納得していたものです。(^^;
ところが、消え去るはずのカラヤンがなぜか消えないのです。具体的な名前を挙げると差し障りがあるので控えますが、かつては巨匠と呼ばれた多くの指揮者が、その死とともに忘れ去られていくのとは大違いで、最初の頃は「なんてしぶといんだ!!」と毒づいていたものです。

そして、ついにその死から四半世紀の時が過ぎたにもかかわらず、こんな素敵なエディションがリリースされることになりました。
私の「脱・アンチ・カラヤン」の経緯については既にあちこちで書いているのでもう繰りかえしませんが、ひと言で言えば、この「忘れ去られない」という事実の前に「一度は真面目にカラヤンと向き合ってみよう」ともう用になり、そして、実際に「向き合って」見ることでカラヤンの凄さが少しずつ分かっていったと言うことでした。

もしも、私のように、一度はカラヤンと真剣に向き合ってみようという「アンチ・カラヤン」な人がいれば、このエディションはなかなかにいい切り口のような気がします。

カラヤンとソリストたちⅠ
icon

icon
icon

  1. モーツァルト:ホルン協奏曲第1番ニ長調 K.412 「第1楽章」
  2. モーツァルト:ホルン協奏曲第1番ニ長調 K.412 「第2楽章」

これなどは、間違いなく、永遠に語り継がれる名盤でしょうね。そして、その功績は必ずしもブレイン一人に帰せられるべきものではありません。

【収録情報】
Disc1
・シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
ディヌ・リパッティ(ピアノ)
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1948年4月、アビー・ロード・スタジオ

・モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467
ディヌ・リパッティ(ピアノ)
ルツェルン祝祭管弦楽団
1950年7月、ルツェルン、クンストハウス
Disc2
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73『皇帝』
ヴァルター・ギーゼキング(ピアノ)
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1951年6月、キングズウェイ・ホール
Disc3
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488
ヴァルター・ギーゼキング(ピアノ)
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1951年6月、アビー・ロード・スタジオ]

・モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調K.491
ヴァルター・ギーゼキング(ピアノ)
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1953年8月、キングズウェイ・ホール
Disc4
・シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
ヴァルター・ギーゼキング(ピアノ)
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1953年8月、キングズウェイ・ホール

・フランク:交響的変奏曲
ヴァルター・ギーゼキング(ピアノ)
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1951年

・グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16
ヴァルター・ギーゼキング(ピアノ)
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1951年
Disc5
・モーツァルト:ホルン協奏曲第1番ニ長調 K.412
・モーツァルト:ホルン協奏曲第2番変ホ長調 K.417
・モーツアルト:ホルン協奏曲第3番変ホ長調 K.447
・モーツァルト:ホルン協奏曲第4番変ホ短調 K.495
デニス・ブレイン(ホルン)
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1953年11月、キングズウェイ・ホール
Disc6
・モーツァルト:協奏交響曲変ホ長調K.297b
シドニー・サトクリフ(Ob)
バーナード・ウォルトン(Cl)
デニス・ブレイン(Hr)
セシル・ジェイムズ(Fg)
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1953年11月、アビー・ロード・スタジオ

・モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調K.622
バーナード・ウォルトン(Cl)
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1955年6月、アビー・ロード・スタジオ
Disc7
・クルト・ライマー:ピアノ協奏曲ハ短調
・クルト・ライマー:左手のためのピアノ協奏曲
クルト・ライマー(ピアノ)
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1954年11月、キングズウェイ・ホール

・マスネ:タイスの瞑想曲
マヌーグ・パリキアン(Vn)
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1954年7月、キングズウェイ・ホール
Disc8
・ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83
ハンス・リヒター=ハーザー(ピアノ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1958年11月、ベルリン、イエス・キリスト教会

ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

1 comment for “カラヤン・エディション

  1. 菅  幹夫
    2014年2月15日 at 3:39 PM

    50年以上前の話になりますが、高校のブラスバンドでメロフォンと呼ばれるホルンに似た右指バルブの楽器を預けられて頑張った記憶があります。その後、教員養成大学で本物のホルンに関わり、本曲の第2楽章に挑戦した記憶が甦りました。ブレインが軽々と吹き鳴らす音に聴き惚れると、テクニックの凄さを実感しますし、60年前の演奏の新鮮さが印象的でした。モノラル録音も良い物ですね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です