今週の一枚(11) R.シュトラウス:最後の四つの歌

人間には「見送る人」と「見送られる人」の二種類があるそうです。そして、「見送る人」は何人も何人も、見送って、見送って、見送って、最後は一人になって生きていかなければいけないのだそうです。ですから、そう言う人は早い時期に覚悟を決めて一人でいることに慣れないといけないのだそうです。
朝の連ドラ「ごちそうさん」の中で、木村緑子さん演じる和枝がめ以子に向かって語った言葉です。
60を目の前にしてくると、こういう言葉はじんわりとココロにしみ込んできます。

ちなみに、「見送る人」の資格は「ココロと体が強い」事らしいです。
私はそんな資格はないので「見送られる人」になるのかと思うのですが、妻は断じてそんなことはないと保障してくれます。あなたのようなマイペースな人間が私より先にあの世に行くとは思えません、ということらしいです。
そう言えば、私はあれこれと心を砕いて日々必死の思いで生きているのですが、周りの友人や同僚たちはいつも涼しい顔してマイペースで生きているのがうらやましい・・・、などと言われます。
こういう周りの評価とセルフイメージのズレには文句の一つも言いたくなるのですが、まあ、周りの連中に私の「苦悩」などは分かるものかとココロの中で愚痴る程度にしておきましょう。

(S)シュヴァルツコップ アッカーマン指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1953年9月25,26日録音

万感の思いをこめた別れの音楽です。
とりわけ、第4曲「夕映えのなかで」の神々しいまでの美しさを聞くと、俗物と言われることの多かったシュトラウスのもう一つの側面に気づかされます。そして、そう言う複雑さを同居させていた男だったがゆえに、深い諦観の中にも艶麗たる優美さが失われていない音楽を書くことができたのでしょう。

  1. R.シュトラウス:最期の4つの歌 「春」
  2. R.シュトラウス:最期の4つの歌 「9月」
  3. R.シュトラウス:最期の4つの歌 「眠りにつくときに」
  4. R.シュトラウス:最期の4つの歌 「夕映えのなかで」

1件のコメント

  1. 本当にそうですね.「夕映え..」と「英雄の生涯」では,真逆の音楽です.もしリヒャルト・シュトラウスが早逝して,晩年の曲が世に出なかったら,作曲家としての評価はずいぶん違ったと思います.この「四つの最後の歌」や「バラの騎士」が頭の中にあるから「英雄の生涯」の中にもかすかに諦念の萌芽?のようなものが聴き取れるのであって,もし「英雄の生涯」しか知らなかったら,ずいぶん押し付けがましい鼻持ちならない音楽としか受け取ることができないでしょう.

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