“全13枚組。1974年の録音で、1989年にイタリアのNuova Eraレーベルから発売された全集(2万円ほどしていました)のライセンス・アイテムです。かなり安くなりました。場所をとらないスリムパッケージ仕様。”
デームスと言えばユング君の中ではウェストミンスターレーベルでウラッハとのコンビでブラームスのクラリネットソナタを録音していました。その録音についてかつてこんな事を書いたことがあります。
「ウラッハが50年代に残した録音を聞いてみると、その素晴らしさはもちろんウラッハの貢献によるものが大きいのですが、それと同じくらいにウラッハをサポートしている脇役陣の素晴らしさに気づかされます。・・・デームスは言うまでもなくウィーン近郊に生まれてウィーンで育ったピアニストです。・・・つまり全員が同じ言葉をしゃべっているのです。
ですから、自分たちの町の音楽家であったブラームスやモーツァルトを、自分たちが知っているように演奏しているのです。そこには「グルーバルスタンダード」などという意味不明の概念が入り込むような隙間などは寸分も存在しません。」
そして、ここで聴くことのできるシューマンもまた確信に満ちたこの上もなく真っ当なスタンダードとなりうる演奏です。
このセットがわずか2000円とは、ホントに有り難い世の中になったものです。
一度シューマンのピアノ曲を概観してみたいという人には絶対にお勧めです。
録音は1970年代の初頭ですから、音質には何の不満もありません。
<収録作品>
Disc.1
ダヴィッド同盟舞曲集 op.6
3つの幻想的小曲 op.111
暁の歌 op.133
4つの小曲集 op.32
Disc.2
謝肉祭 op.9
アルバムの綴り op.124
アラベスク op.18
Disc.3
ピアノ・ソナタ第1番 op.11
クララ・ヴィークの主題による10の即興曲 op.5
6つの間奏曲 op.4
Disc.4
子供の情景 op.15
3つのロマンス op.28
フゲッタ形式の7つのピアノ小品 op.126
パガニーニの奇想曲による6つの演奏会練習曲 op.10
Disc.5
幻想曲 op.17
幻想小曲集 op.12
パガニーニの奇想曲による6つの練習曲 op.3
Disc.6
交響的練習曲 op.13
5つの変奏曲
4つの夜曲 op.23
ペダルフリューゲルの為のスケッチ op.58
花の曲 op.19
Disc.7
クライスレリアーナ op.16
子供の為の3つのソナタ op.118
Disc.8
子供の為のアルバム op.68
Disc.9
森の情景 op.82
ピアノ・ソナタ第3番 op.14
Disc.10
ユモレスク op.20
幻想的情景 op.26
トッカータ op.7
子供の為のアルバム op.68から追加曲
Disc.11
8つのノヴェレッテ op.21
ペダルフリューゲルの為の練習曲 op.56
Disc.12
色とりどりの小品 op.99
4つのフーガ op.72
4つの行進曲 op.76
アレグロ op.8
Disc.13
アベック変奏曲 op.1
蝶々 op.2
ピアノ・ソナタ第2番 op.22