“CD初出となるレア音源集。放送録音のため、モノラルながら聴きやすい音質ということです。1957年のセルといえば、セッション録音ではあの『エロイカ』や『グレート』、『ティル』『ドン・ファン』『死と変容』、ハイドン97&99番、ブラ1旧盤など、ライヴではルガーノでのシューマン2番、海、ラコッツィーという快演を連発していた年であり、その年のライヴということなら大いに演奏内容にも期待できるものと思われます。”
気づかないうちにセルの新音源がリリースされていました。それもベルリンフィルとの録音ですから注目です。お値段も1000円を切りますからこれはうれしい限りです。
ただし、「1957年のセルといえば、・・・快演を連発していた年であり、その年のライヴということなら大いに演奏内容にも期待できるものと思われます。」というのはあまり期待しない方がいいと思います。
何故かというと、この時期のセルが素晴らしい演奏を展開したのは全てクリーブランドのオケを相手にしたときのことで、それには理由があるからです。ですから、相手のオケがクリーブランドでなければその「理由」も存在しないわけで、素晴らしい演奏を展開している・・・というのはあまり期待しない方が賢明かと思われます。
ではその「理由」なのですが、詳しくはこちらあたりを読んでいただければと思います。
しかし、そんな暇はないという方のために簡単に言えば、
「未だ誰もが為しえなかった高いレベルの演奏を目指して、指揮者とオケが必死に音楽づくりに挑んでいる姿が感じ取れる50年代の録音は、晩年の録音にはない魅力があふれています。」ということです。
ですから、他のオケを相手したときにこのような「必死さ」があらわれているかと聞かれれば、おそらくは「No」でしょうね。
しかし、貴重な録音であることは間違いありません。
<収録作品>
モーツァルト:
・交響曲第29番イ長調 K.201
・ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K.503
・交響曲第40番ト短調 K.550
レオン・フライシャー(ピアノ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ジョージ・セル(指揮)
録音:1957年8月3日、ザルツブルク(ライヴ、モノラル)