“名演奏を集めた、お買い得なアルバムです。いずれも、とても良い音質です(『英雄』以外はすべてステレオ)。(アルブレー)”
一般的に考えれば、3枚セットで1962円ですからかなりのお買い得だと思うのですが、このレーベル(Andromeda)は、10枚セットでも似たような価格設定をしているものもあるので、その意味で言えば少々お高めかもしれません。
しかし、収録されている演奏はタイトルの「ライナー&シカゴ交響楽団の黄金時代」に恥じない優れものばかりです。もしかしたら、前の「ライナー」を外して、ズバリ、「シカゴ交響楽団の黄金時代」としていいのかもしれません。それほどに、ライナー時代のシカゴは凄かったです。
録音の方も、いち早くステレオ録音に取り組んだRCAレーベルですから、エロイカを除けばすべてステレオ録音です。そして、大変な意気込みをもって「ステレオ録音」という新しい技術的挑戦をしていたこの時期の録音は、そう言う「勢い」みたいなものを強く感じさせてくれるすぐれたものです。
トスカニーニからセルやライナーに引き継がれた「流れ」を確かめたい人には必聴のアルバムです。
<収録作品>
・ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 op.55『英雄』(1954年12月4日)・・・これだけモノラル録音
・ベートーヴェン:『フィデリオ』序曲(1955年12月12日)
・ヨハン・シュトラウス?世:『美しき青きドナウ』 op.314(1957年4月15/16日)
・ヨハン・シュトラウス?世:『皇帝円舞曲』 op.437(1957年4月15/16日)
・ヨーゼフ・シュトラウス:『オーストリアの村つばめ』op.164(1957年4月15/16日)
・ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 op.92(1955年10月24日)
・ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調 op.95『新世界より』(1957年11月9日)
・ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』(1957年12月7日)
・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 op.23(1955年10月29日)
シカゴ交響楽団
エミール・ギレリス(ピアノ):チャイコフスキー
フリッツ・ライナー(指揮)