“ピーター・ジャクソン映画化決定! 全世界を虜にした世紀のドラゴンがついに日本に舞い降りる!”
[テメレア戦記] I 気高き王家の翼 (ハードカバー)
何か面白そうな本はないかと図書館をうろうろしていて、何気なく手に取ってみたのがこの本です。
著者は、ナオミ・ノヴィクということなので日系のアメリカ人かと思ったのですが、実は日本と何の関係もないポーランド移民の2世だそうです。
そうですよね、日本人は「簡をもって尊し」とする風潮がありますから、こういう風に話から話へと紡いでいくストーリーテリングは基本的に苦手です。歴史物なら、「歴史的事実」というものにもたれてそれなりに話は紡げても、こういうファンタジーとなるとホントに向かないですね。
ただし、この作品もナポレオン戦争という「歴史的事実」に依存している部分はかなりあるので、まさに力業で一つの世界を語り紡いでいくという、例えば指輪物語のトールキンほどの凄さはないのかもしれません。
しかし、ドラゴンをこんな風に物語の中心に据えた発想は初めてではないでしょうか。そして、その事は多くの人もふれているのですが、主人公のテメレアの何ともいえない「可愛らしさ」によって大成功しているように思えます。
難しいことは抜きにお話の楽しさにひたりたい人には本当にピッタリの一冊です。私も、その面白さに引きずり込まれて、借りてきたその日に一気に読み終えました。
ただし、こんなにも面白い本なのに、売り手の方はあまり熱意がないようで、すでに4巻まで既刊なのに、これに続く第2巻の出版は「予定」と記すだけで、具体化はされていないようです。
おまけに、その出版社の紹介ページを見ると、
[テメレア戦記] I 気高き王家の翼
「ちょっとわがままだけれど、その大きな体で周りのものを威圧するテメレアの心と体の成長、命を捧げた海軍から陸軍に移籍したローレンスの苦悩、そして、何ものにもかえがたいテメレアとローレンスの、親子のような、恋人のような 深い深い絆―。」
なんて書いてあります。
ローレンスが移籍したのは海軍から空軍です。
きっとこれを書いた担当者は本を読んでないんでしょうね。
情けない・・・。