葛井寺(大阪府 藤井寺市)の藤

写真は5月1日に撮影したものです。

「葛井寺」と書いて「ふじいでら」と読んで「藤井寺市」にあります。
それなら、何故に素直に「藤井寺」と書かないのだと言われれば、それは、まずは「葛井寺」があって、その後このお寺の名前にちなんで「藤井寺市」という名前がついたからです。

入口横の藤棚

実はこの藤井寺市というのは面積では大阪府では一番小さな市なのですが、その「名前」について様々な紆余転変を繰り返してきました。この藤井寺市にはもう一つ「道明寺」という有名なお寺があって、かつては「藤井寺道明町」と名乗っていた時期もあり、その後「美陵町」となって、市政実施に伴って現在の「藤井寺市」に落ち着いたようなのです。

ここまで咲かせるのは大変です

とはいえ、「葛井寺」は西国33カ所の札所の一つになっているほどの有名な寺院ですし、現在は「藤の名所」として非常に有名なお寺ですから「藤井寺市」というのは一番都合の言い落としどころだったのでしょうね。
ちなみに、「西国33カ所」は「巡礼」という形式を始めて確立したシステムで、後に「四国88カ所」がこのシステムをモデルとして作られたという経緯があります。

この白い花が見事でした

「葛井寺」は近鉄藤井寺駅を下りると徒歩5分ほどのところにあります。
藤井寺市は面積が小さいわりには人口が多いので(^^;、「巡礼」という言葉とは似ても似つかぬ風情の中にあるお寺です。線路に沿って阿部野橋とは反対方向に少し歩いていくと商店街と交差しますので、そこを右手におれると、まさにその商店街の中に「葛井寺」がたたずんでいます。
藤のシーズンは訪れる人が多いので、その商店街から直接はいることができる通路は封鎖されていますので、「南大門」の方に向かいます。

藤棚と南大門

門を入ると、さっそく右手に見事な藤棚が目に飛び込んできます。
この藤は地元の方がボランティアとしてお世話をされているようで、入り口のところでひっそりと維持管理のための募金を募っておられました。見ていると、その募金箱にお金を投入する方はほとんどいないようなので、幾ばくかを募金しながら「もっと強気で募金を訴えた方がいいんじゃないですか」などと言ってしまいました。(^^;

白カピタンという品種だそうです

「藤」というのは非常に気難しい花のようで、剪定や肥料のやり方を間違うと途端に花つきが悪くなるそうです。また、逆に元気がよすぎると次世代に命を繋ぐ必要を感じなくなって花をつけないという気まぐれなところもあるようです。
ですから、これだけ見事に毎年花を咲かせ続けるというのは大変なことなので、是非とも「葛井寺」に藤を見に行った人は募金をしてあげてください。

入り口から本堂に向かって進むと左手にお地蔵様が立っていて、その向こうにも大きな藤棚があります。

お地蔵さんの向こうにメインの藤棚があります

「葛井寺」の藤のメインはちょうどそのあたりで、白い花をつけた「白カピタン」も見事に咲いていました。

青空にこの白が生えて本当にきれいでした

ただ驚いたのは、ここにも数多くのインバウンドの観光客が訪れていたことでした。あちこちからいろいろな国の言葉が聞こえてきますし、頭にスカーフを巻いたイスラム圏からの女性もたくさん見かけました。
成るほど、今や日本観光は奈良・京都だけでなく、こう言うところにまで及んで居るんだと感心した次第です。

しかし、そう言う外国からの観光客にとっても、この「藤」は十分に見応えがあるようでした。

葛井寺へ

お寺に駐車場はありませんので、車で来た人は随分と困っているようでした。藤井寺市は非常に人も建物も混みあった地域ですから車で訪れるのは避けた方が賢明です。
藤井寺は近鉄南大阪線を使えば阿部野橋から15分ほどで着きますし、お寺へはそこから徒歩で5分程度ですから、電車を使うことをお勧めします。

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