吃驚仰天!1939年の録音に著作権を主張!!

YouTubeにどんな古い録音をアップしても著作権侵害の申し立てはきます。
ですから、新しい音源を追加したときは、それに対する異議申し立てを行うまでが一連の作業をとなります。馬鹿馬鹿しいとは思うのですが、そう言うシステムになっているようです。
そして、その異議申し立てはほとんど受理されて侵害の申し立ては撤回されます。

しかし、ごく稀に却下してくる奴がいます。
それに対しては再審査請求を行うという流れになるのですが、今まではこれで100%問題は解決していました。

しかし、今回この再審査請求に対しても却下してきた奴がいました。
問題となった音源はこれです。

ベートーベン:序曲「レオノーレ」第2番 Op.72a
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 NBC交響楽団 1939年11月25日録音

Youtubeにかんしてはどの国の法律が適用されるのかは分かりませんが(カリフォルニア州法かな?)、欧米での保護期間でさえ70年ですから、どういう理屈でこの音源に権利を主張できるのかが私には理解できません。
ちなみにカリフォルニア州法ならば70年だったはずです。
ただし、著作権法は複雑な部分もあるので、何らかの根拠があるのかもしれませんが、それにしても謎です。

何が何だか理解できないニャン!

しかしながら、この音源は基本的にRCAに権利があったものだと思うのですが、侵害の申し立てを行ってきたのは復刻盤レーベルの「Andromeda」の代理人を名乗る人物です。

YouTubeの管理画面では

SME
AdShare MG for a Third Party
(Andromeda の代理)

と名乗っています。
そして、この人物の言い分を受け入れて「諾」としたGoogleサイドの言い分は以下の通りです。

SME さんが再審査請求を確認した結果、お客様の動画には著作物(Leonore Overture No. 2, Op. 72a – Arturo Toscanini)が含まれていることが判明いたしました。この著作物を動画で使用することは許可されていません。
対処が行われなかった場合は、問題の動画は 2018/01/10に YouTube から削除され、お使いのアカウントには著作権侵害の警告が適用されます。この著作物を使用する権利があると思われる場合は、この日以降に異議申し立て通知を提出できます。
動画を現在の状態のまま維持し、著作権侵害の警告を受けないようにするために、以下の再審査請求をキャンセルすることができます。

「Andromeda」というレーベル自体がパブリックドメインとなった音源をボックス盤にして商売しているところだと思うのですが、いったいどういう経緯でこの音源に対する権利が主張できるのでしょうね。
笑えるのは、「再審査請求を撤回する」と、「警告」は免れて(^^;、収益は「Andromeda」に入るそうです。こんな音源からはいる収益なんて数円程度だと思うのですが、腹立たしいので音源そのものを削除しました。

当然の事ながら、今後このレーベルの商品は今後はどんなことがあっても一切購入しませんから、差し引きすればレーベル側の大損と言うことで腹の虫をおさめましょうか。
それと、YouTubeというところは、パブリックドメインの音源を公開する場としては使いにくいですね。けちらずに、レンタルサーバーの容量を使いましょうか。

1 comment for “吃驚仰天!1939年の録音に著作権を主張!!

  1. richard wagner
    2021年2月3日 at 3:49 PM

    1924年作曲のジョージ・ガーシュウィンの「Rhapsody in Blue」が去年2020年1月1日にやっとPDになりました。アメリカでは1998年にそれまで“発表後75年”に定められていた著作権保護期間が“発表後95年”に延長された結果、1998年に保護期間をクリアーしていない作品は95年の保護期間が適用されたようです。アメリカには著作隣接権の概念がなく、レコードのすべての権利はレーベルが持っているようなので、おそらくですが、YouTubeは包括契約で著作権の契約をしているはずですが、当該の泡沫レーベルは契約漏れで著作権料がスルーされていたのでアピールしたのだと思います。アメリカは歴史が浅い国なので歴史的な文化財が少なく、著作権(お金)で自国の文化の価値を認識させるしかないのかなとも思います。

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