“最近Arte Novaからブルックナー交響曲ツィクルス完成間近のデニス・ラッセル・デイヴィスが、ハイドンの交響曲を約10年かけて録音に挑みました。D・R・デイヴィスは、1995?2006年の間、シュトゥットガルト室内管弦楽団の首席を務め、以前のミュンヒンガーとは違い、近現代音楽などもコンサートに取り入れ、この楽団の成功に導きました(現在は、ミヒャエル・ホフシュテッターが就任)。D・R・デイヴィスは音楽監督に就任した1995年すぐ、ハイドンを記念する2009年に向けて全曲録音の計画を立てました。様々な演奏解釈、古楽器奏法が確立していったこの時代、彼にとって複雑な思いであったでしょうが、彼なりの研究の結果において、モダン楽器を使いつつも控えめなビブラートと、トランペットとティンパニは古楽器を採用。録音には約10年かかっていますが、最初から最後まで一貫して統一されたコンセプトの上で進められました。コンサート・マスターは、バロック・ヴァイオリン奏者としても有名な、ベンジャミン・ハドソンが務めています。”
ハイドン交響曲全集 ラッセル・デイヴィス&シュトゥットガルト室内管(37CD)
ハイドンの交響曲を全部聞こうと思えば、長らくドラティ盤が唯一の存在でした。演奏そのものも悪くないものなので、いわばこれが長く「決定盤」としての位置をキープしてきました。
ただ、問題は、とんでもなく高価なセットだと言うことで、よほどハイドンに興味を持っている人か、よほどのコレクターでもない限り、実物のセットは見たことがないという代物でした。(^^;
(実際、私もかなりのコレクターの部類に属すると思うのですが、それでもドラティのこのセットは幻でした。)
そんな独占状態に風穴を開けたのがアダム・フィッシャー盤でした。このアダム・フィッシャー盤が完成に至るまではあれこれの紆余曲折があったのですが、最後は日本からのプッシュが功を奏して完成にこぎつけたという経緯があります。そして、この全集がわずか1万円ちょっとの値段でリリースされたことで、多くの人が初期、中期のハイドンのシンフォニーを実際に聞くことができるようになりました。
演奏も録音もそれなりの水準を維持しているセットだけにまさに福音でした。さらに、嬉しかったのは、これをきっかけに幻のドラティ盤も一気に値下げされて再リリースされたことです。
もちろん、両方ともゲットしました。アダム・フィッシャー盤は全て聞きましたが、ドラティ盤の方は未だに道半ばです。それでも、これはこの上もない喜びをもたらしてくれました。
そんなところに、何と3番目の全集完成の報告が入りました。価格も、何とマルチバイ特価を使うと6000円を切ります。
初回のみの限定生産と言われると、これもまた買ってしまうんだろうな・・・と、思っています。(^^;