今年はあっという間に桜が咲き、あっという間に満開になり、そしてどうやらあっという間に散ってしまうようです。
世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
あまりにも有名な在原業平の歌です。
しかし、伊勢物語の中ではこの歌を受けてある人がこのように返していることは余り知られていないようです。
散ればこそ いとど桜は めでたけれ 憂き世になにか 久しかるべき
今の時代を生きる人間にはこちらの歌の方が心に響きます。
業平の歌の背景には「藤原高子」との許されざる恋愛があることは良く指摘されています。
高子は後に清和天皇に嫁いだ女性ですから、藤原氏がそんな恋愛などを許すはずもありません。しかし、業平はなくなるまでその高子のことを忘れられなかったようです。
ここで「桜のなかりせば」というのは、それは「高子との出会いがなければ」と言うことなのでしょうが、この世の中から咲き誇る桜がなくなることはないのですから、それは同時に反語的表現として高子への深い思いを詠んだものとも言えます。
日本人にとって桜というのは常に特別な存在です。
私が生まれ育った小さな村は桜にうずもれたような村でもありました。それだけに、私にとって桜とは常に当たり前のものとして存在していたのですが、それでも「桜の季節」は特別でした。
桜というのは手のかかる樹木です。常に人が世話をし続けなければ毎年綺麗に花を咲かせることは難しい植物です。
ですから、私の生まれた村では、今風に言うならばボランティア団体として桜の世話をする集まりがありました。そして、父はその集まりの中心人物の一人として活動を続けていました。
夏の暑い日でも、暇があれば桜の木の下草を一人で黙々と刈り続けるような人でした。
そして、そんな団体の活動が評価されて全国植樹祭で表彰されたときには偶々その集まりの責任者をしていたので、表彰式に出席しました。その時の、父の何とも言えないはにかんだような表情と、それでも嬉しさを隠しきれない顔が今も深く印象に残っています。
そんな父も亡くなってからもうすぐ15年の時が流れます。
随分と気楽な人生を送っていたようにしか見えなかったのですが、その葬儀の時には村中の人が参列してくれて、あらためて父が村の人々からどれだけ愛されていたのかを初めて悟らされた愚かな息子が私でした。
桜が咲く時期になると、いつもそんな父の姿が思い出されます。
さまざまのこと思い出す桜かな
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづこころなく はなのちるらむ
有名な紀友則の歌です。この歌、下の句の最初の「し」以外は、すべて優しい「は行」で始まっています。「しづこころなく」がこころに刺さり、毎春、背筋が伸びます。
さて、またPCオーディオねたですみません。この間、HIFACE EVOをひょんなことから手に入れ、ユング様に、電源のことを伺ったものです。エルサウンドのトランス電源ですが、足元に、ガッチリした肉厚の「たも材」をいれ、かなり満足な物になりました。やはり電源も足元が大切なようです。
HIFACE EVOの件ですが、私は、いままでUSBケーブルにエルサウンドの「データ専用USBケーブル汎用版」を使って、APU1D4の汚れたバスパワーをカットしていたのですが、ひょんなことからHIFACE EVOがバスパワーなしで、TINYCOREから認識されることを知りました。ですから今は、USBデータのみケーブルで接続しております。原理的には、良い方向へ変化するはずですが、私の試聴では、心もち小さい音の解像度が上がったかなという程度です。心もちということはたぶん変化なし、ということなんでしょう。しかし精神衛生上はいいです。
ここに書き込む多くの方は、音楽主体のようですが、わたしは、PCオーディオと音楽が同じぐらい好きです。掃き清められた神社の清浄さのなかで音楽を聞きたい。そんなところでしょうか。
取り留めもなく、長文になりました。すみません。HIFACE EVOの情報がこの文章の主題です。
末尾になりましたが、皆様のご健勝とコロナの早期収束を祈念します。
これは貴重な情報ですね。是非とも私も一度試してみたいと思います。
USB接続の最大の問題点が「バスパワー」にあることは間違いありませんし」、おsれがどうにも回避できないのが悩みの種でした。
本当に貴重な情報ありがとうございます。
桜咲き、桜散る、ですか。
受験システムが大きく変遷した現在、まだ存在しているのかは知りませんが、我々の世代には難関校の受験会場には「電報屋」という方々が居ました。
勿論、当時と言えど3大紙のローカル欄や地元紙の朝刊には合格者名は載ったので、手応えの有った受験生が記念品代わりにしようとしたのかも知れません。
合格だと「桜咲く」、不合格だと「桜散る」。
ところが北海道内の大学を本州以南の受験生が不合格になると電文が違いました。
*北海道大学 「ツガルカイキョウ、ナミタカシ」。
*小樽商科大学「ジゴクザカ、コロゲオチル」(坂の町小樽の地獄坂の上に有ります)。