パブリックドメインの役割

最近このようなメールを頂きました。「紹介してもいいよ!!」にチェックしていただいていたので、手を加えずにそのまま紹介させていただきます。
wrote:やもりさん
「いつもありがとうございます。
このサイトがCDの売上に貢献した私の例を紹介させてください。
アルバンベルクのベートーヴェン弦楽四重奏曲集(中期以降)を持っていました。
それで十分満足だったのですが、このサイトでブダペストを聴き、とても感動しました。特に緩徐楽章など、余計な感情を込めずに淡々と音楽を構築していくスタイルが、私には合ったようです(バックハウスのスタイルに似ている?)。そして、バリリやブッシュとの聴き比べがまた楽しく、その勢いで更に聴き比べをしたくなり、エマーソンとグァルネリの全集を購入してしまいました。
全く同じくバルトークについても、手持ちのアルバンベルクとこのサイトのジュリアードを聴き比べて、エマーソンとケラーの全集を買いました。今のところ、エマーソンが気に入っています。
このサイトに出会うまで、バルトークは弦楽四重奏曲しか知らなかったのですが、「オケコン」や「ピアノ協奏曲」といった名曲があることも知りました。コメントに出てきたショルティの「オケコン」や、ピアノ協奏曲1&2番なども(もちろん3番と合わせて)、購入したくなっています。
更に加えて、アンセルメの「眠れる森の美女」が、2時間を越えるのに全く退屈しないことに驚き、プレヴィンの「3大バレエ全曲」も注文してしまいました(シンフォニックな演奏とのこと、楽しみです)。
CDの購入なんて、本当に久しぶりでした。このサイトのおかげ(せい?笑)ですね。
音楽業界の人たちは、なぜ著作権をきつくしようとばかり考えるのでしょう? 目先のことしか考えていないのでしょうね。パブリックドメインがCDの売上にこんなにも貢献するのに」
経済学の分野では「需要が供給」を生むのでしょうが、文化の世界では「供給が需要」をうむようです。
今から10年ほど前に「文化と行政」という駄文を綴ったことがありますが、少なくとも音楽の分野においてはネット上におけるパブリックドメインが重要な一翼を担いうるところまで発展してきたと言い切れそうです。
はじめは本当に一個人の酔狂として始めたサイトですが、最近は社会的責任と言えば大げさですが、使命感みたいなものを感じるようになっています。
出来得れば、同じようなサイトがもう少し生まれてこないかなと期待はしています。

6 comments for “パブリックドメインの役割

  1. ろば
    2011年2月25日 at 10:27 PM

    私もユングさんのサイトのおかげでCD購入をしているものの一人です。
    ペルルミュテールのモーツァルト:ピアノ・ソナタなどは、私のモーツァルト嫌いを変えたばかりか、CD購入にまで至りました。
    全てを無料で済ませる手段もないわけではありませんが、個人的にはそれで満足できませんし、むしろ不自由に感じることもあるので、予算の都合がつけばできるだけ購入するようにしています。
    企業と消費者の問題についてはなかなか難しいと感じています。
    法律問題というよりも、ニーズに対しての機敏な動きが取りづらいのではないかと考えています。
    ただ、『時間が解決する』、という安穏とした態度ではやはり巨大組織を動かすのは無理なので、そうした中でユングさんのサイトなどは意義や価値があると考えています。
    駄文失礼しました。

  2. nako
    2011年2月25日 at 11:27 PM

    わたしも同じくです。なんせ初心者なので聴いて知るのが精いっぱいな低レベルの次元の話ではありますがこのサイトでグリュミオーとハスキル、リパッティやフランソワらを知って、彼らのCDを買い集め始め、今は毎月のように某サイトのクラシックの売上に貢献しています。
    このサイトからのダウンロードも盛大にさせていただいておりますが、ユングさんの案内文等がきっかけになって、あたらしい演奏にも手を伸ばすところまで発展してまいりました。
    やはり、気軽に聴けることは、きっかけの一つになりますよね。
    供給が需要を生む・・・正にその通りです。
    興味を持つきっかけがなければ、そのまま終わってしまうのですから。
    そういった意味でも、ユング様のサイトのもたらす意味は、とても大きいと思います。

  3. masuda
    2011年2月26日 at 1:43 AM

    私はこちらのサイトに出会い、CDをオンラインで購入するようになりました。
     こちらでは、曲の一部だけでなく、すべてを何度でも聴かせて頂けるので、「これ、好きやな」と分かりやすく、好きな作品は身銭を切って(という程でもないですが)手元におきたくなります。
    聴きたいものが、「○○さんのこの曲」と、分かっているので
    便利な通信販売が使えます。大変ありがたいです。
     以前はお店で、何を選べばいいのか分からず「知っている曲」でないと買うことができませんでした。
    「ピアノ曲、亜麻色の髪の乙女もサマータイムも入ってます」
    のような・・・
    「知らない曲」は怖くて買えませんでした。
    でも、やっぱり聴きたいですし、知りたかったのです。
    演奏家さんにはまるで意識がなく、少ない手持ちのなかで
    「ワルター・ギーゼキング」さんという方だけ、覚えていました。
    (その後、同じCDにホロヴィッツさんやビル・エヴァンスさんもいらっしゃると気付きました)
    こちらのサイトでギーゼキングさんのモーツァルトを聴かせて頂き、「あの音の人や!」と、本当にうれしく思いました。
    ソナタ全集が届いた日の気持ちは、今、思い出しても楽しくなります。
    苦手だったショパンは、リパッティさんの舟歌をきっかけに聴くようになりました。今ではCD棚にショパンのコーナーがあります。
    今日、アラウさんが届きました。
    フランクのヴァイオリン・ソナタは3種も聴かせて頂いたのに、チェロ編曲版があると知り・・今日届きました。
    ユングさんのこのサイトに出会えなければ、私はCDの購入を諦めていたのかな。
    本当にありがとうございます。
    田舎の40代おばちゃんは楽しさを頂きました。

  4. 2011年2月26日 at 9:46 AM

    71歳の男性です。
    ユングさんの酔狂で再び目覚め、周波数レンジの低くなった耳で、それなりに楽しんでいます。
    最近はHMVさんの売上にもささやかながら、貢献しております。
    ネットが世界を動かす世の中です。
    時代遅れの著作権保護、ダビング10などすぐにネットに取って変わられるでしょう。
    時代のスピードから考えますと、50年は長すぎますね。

  5. Condor
    2011年2月26日 at 2:53 PM

    私もこのサイトのおかげで再びクラシックを聴き始めたクチです。
    特にクララ・ハスキルやフランソワは聴いたことがなかったですし、
    父のライブラリがDGのカラヤンやベームばかりでしたので、
    フルトヴェングラーなどの過去の巨匠の名演を楽しめたのは
    大きな収穫でしたし、上記三名についてはボックスセットを
    購入してしまいました。演奏会にも気が向けば行っております。
    おそらく、書き込まないだけで、私のような人は結構存在するのではないでしょうか。
    今後とも参考、お世話になるつもりでおりますので、よろしくお願いします。

  6. kawata
    2011年2月26日 at 5:27 PM

    たしかに非常に重要なことですね・・・
    ただ、クラシック音楽は「同じ曲でも何枚もCDを買う」という
    ちょっと特殊な面がありますからね・・・。
    普段、クラシックを聴かない友人から
    「なんで同じ曲のCDを何枚も持ってるの?一枚あればいいじゃん」
    と言われたことがありますが、もしクラシック音楽が
    一枚買ってそれで終わりという性質だと、今回のような、
    供給が需要を生むということは起こりにくいような気がします。
    yung様も「文化と行政」の中で触れられていますが、
    文化を一括りで見ないで、ジャンルごとに熟考しないとまずいですね。
    少なくとも、クラシック音楽にあるリピート性質?を考えれば、
    供給が需要を生むに十分合致していると言えますね。
    ですので、こちらのサイトの存在意義は非常に大きいと思います。

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