伝統的な手法によるモーツァルト解釈の第一人者として、20世紀初頭からなかばにかけてのヨーロッパなどで高く評価されてきたブルーノ・ワルターの演奏は、豊かな情感にあふれたロマンティックな美しさを志向したスタイル。近年のピリオド・アプローチとは正反対の内容ですが、半世紀ものあいだヨーロッパの聴衆を魅了し続けてきたという事実は、演奏史に深く刻まれるものですし、時代を画した演奏にはやはり相応の重みが備わっているものと思われます。
当セットには、ワルター晩年の代表作として長年親しまれてきたステレオ録音による後期6大交響曲集はじめ、モノラル期のドラマティックな演奏も収めた多彩な内容となっています。
引用元:モーツァルト後期交響曲集(ステレオ)他/ワルター
ワルター最晩年のコロンビア響との録音はなかなか格安ボックス盤では出てきません。
実は、個人的には、ワルター&コロンビア響との録音はLP時代に全て買い込んでありました。ですからCD時代になっても、どうしても気になるものしか購入しなかったので、もしもボックス盤が出れCDとのダブり率はかなり低くなるはずなのです。
そのうち出るだろうと楽しみにはしているのですが、やはり・・・出ません。ずいぶん前にリリースされたばら売りのCDが今も現役盤で頑張っているのですが、一枚1000円以上もするCDを買う気にはなかなかなれません。
このボックス盤も、ニューヨークフィルとの古いモノラル録音との混合なので、いささか紹介するのを躊躇っていたのですが、やはりコロンビア響とのボックス盤は出ないので、仕方なく紹介しておきます。
ただし、古い方のモノラル録音も、コロンビア響との録音も、モーツァルト演奏の一つのスタンダードとしての地位を築いてきたものですから、どちらも悪かろうはずがありません。
【収録情報】
CD1
モーツァルト:
・交響曲第35番ニ長調K.385『ハフナー』(録音:1959年1月 ステレオ)
・交響曲第36番ハ長調K.425『リンツ』(録音:1960年2月 ステレオ)
・歌劇『劇場支配人』序曲K.486(録音:1961年3月 ステレオ)
・歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』序曲K.588(録音:1961年3月 ステレオ)
・歌劇『フィガロの結婚』序曲K.492(録音:1961年3月 ステレオ)
・歌劇『魔笛』序曲K.620(録音:1961年3月 ステレオ)
コロンビア交響楽団
ブルーノ・ワルター(指揮)
CD2
・交響曲第38番ニ長調K.504『プラハ』(録音:1959年12月 ステレオ)
・交響曲第39番変ホ長調K.543(録音:1960年2月 ステレオ)
・セレナード第13番ト長調K.525『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』(録音:1958年12月 ステレオ)
コロンビア交響楽団
ブルーノ・ワルター(指揮)
CD3
・交響曲第40番ト短調K.550(録音:1959年1月 ステレオ)
・交響曲第41番ハ長調K.551『ジュピター』(録音:1960年2月 ステレオ)
・フリーメーソンのための葬送音楽ハ短調K.477(録音:1958年12月 ステレオ)
コロンビア交響楽団
ブルーノ・ワルター(指揮)
CD4
・レクィエム ニ短調K.626(録音:1956年3月 モノラル)
イルムガルト・ゼーフリート(ソプラノ)
ジェニー・トゥーレル(アルト)
レオポルド・シモノー(テノール)
ウィリアム・ウォーフィールド(バス)
ウェストミンスター合唱団
ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団
ブルーノ・ワルター(指揮)
CD5
・ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216(録音:1958年12月 ステレオ)
・ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218(録音:1958年12月 ステレオ)
ジノ・フランチェスカッティ(ヴァイオリン)
コロンビア交響楽団
ブルーノ・ワルター(指揮)
・6つのメヌエットK.599より第5番ヘ長調(録音:1954年12月 モノラル)
・12のメヌエットK.568より第12番ハ長調(録音:1954年12月 モノラル)
・3つのドイツ舞曲K.605(録音:1954年12月 モノラル)
コロンビア交響楽団
ブルーノ・ワルター(指揮)
CD6
・交響曲第25番ト短調K.183(録音:1954年12月 モノラル)
・交響曲第28番ハ長調K.200(録音:1954年12月 モノラル)
・交響曲第29番イ長調K.201(録音:1954年12月 モノラル)
コロンビア交響楽団
ブルーノ・ワルター(指揮)
ワルターのモーツァルト。私は好きです。
今となっては重厚で古いタイプの演奏ですが。
コロンビア響の小編成のスタイルが私には合います。
やはりワルターのモーツァルトは素晴らしいと思います。