N響を育てたふたりの巨匠、ベテランの至芸を披露

N響85周年記念シリーズ 初CD化

N響を育てたふたりの巨匠、ベテランの至芸を披露

引用元: チャイコフスキー:『悲愴』、ボロディン:交響曲第2番(ローゼンストック指揮 ステレオ)、シューベルト:『グレート』、他(ロイブナー指揮) N響(2CD)



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85周年を迎えるN響が過去の「名演奏」の中から選りすぐった録音を初CD化というシリーズです。その中で、一番興味を引いたのがこのローゼンストックとロイブナーによる2枚組です。

ローゼンストックと言えば、シベリア鉄道と関釜連絡船を乗り継いで1936年8月17日に日本に到着し、未だ半アマチュアレベルだった新交響楽団(現在のN響)を徹底的に鍛え上げて今日の基礎を築いた指揮者・・・と言うことでよく知られています。
ですから、はるか昔の人というイメージがあったのですが、なんと創立50周年を祝う1977年の定期演奏会でも指揮棒を振っていたんですね。
驚きました。

こんな事を書くと実に失礼なのですが、きっとシリーズの看板にあるような「名演奏」ではないと思うのですが、それでも「歴史的存在」とも言うべき指揮者の演奏が実際に聴けるというのは興味をそそられます。

一緒に収録されているヴィルヘルム・ロイブナーに関してはローゼンストックほどには有名ではないのですが、ローゼンストックがN響を去ったあとを受け継いでN響を支えた指揮者です。ロイブナーはローゼンストックとは全く違って、実に優しく穏和な人だったようでオケのメンバーは大いに安心をしたという話が残っています。

ただし、その事がオケにとって「幸せ」な事だったのかと問われると疑問符はつきます。その証拠に、この穏和なロイブナーの次にローゼンストックの10倍は怖いと言われたヴィルヘルム・シュヒターを招くことになります。シュヒターはN響を徹底的に鍛え上げ演奏能力を飛躍的に伸ばしました。今回のシリーズで残念なのはシュヒターの録音が含まれていないことです。

どちらにしても、N響を育ててきた「歴史的存在」とも言うべき指揮者の録音が聞けるというのは実に興味をそそられます。

3件のコメント

  1.  私がまともにクラシック音楽を聴き始めた頃、N響の指揮者はシュヒターでした。中学1年か2年のときにシュヒターがやめることになり、お別れ演奏会がありました。NHKの第1と第2の両方を使った「立体音楽堂」で放送されたと記憶していますが、チャイコフスキーの5番でした。いい曲だと思いました。しばらくしてムラビンスキーのグラムフォン盤が出てすぐに購入しました。
     シュヒターのLPでは、黛敏郎の涅槃交響曲も得ていました。FMで放送されたのを聴いた覚えがあります。購入するまでの決心はつきませんでしたが。
     シュヒターの後、クルツが数ヶ月振っていたような記憶があります。

  2. 私の年代では残念ながら、このお二人の演奏は聴いたことがありません。
    やはりN響と言えば、マタチッチ、スイトナー、シュタイン、ワルベルクですね。
    後はサヴァリッシュです。

  3. 私は高校生の時シュヒター指揮のN響演奏会の殆どを聞きました。と言うのも同級生に関係者の息子が居て招待券を貰え、一緒に行ったのです。中でも記憶に残っているのはカルミナブラーナと英雄の生涯です。後者は日本初演であったと言う事です。彼はその後ドルトムントの音楽総監督になったのですが、最近そこの出身の若いドイツ人ヴァイオリニストと知り合ったので、シュヒターの話をしたら、彼女椅子から転げ落ちんばかりに吃驚して、なんでそんな事を知っているのだ、と聞き返してきました。彼女は勿論彼の事は見た事も無いのですが、その素晴らしさは今なお語り継がれているそうです。

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