率直な指摘

私が毎日チェックしているブログの一つに「ウッドウイルのブログ」があります。
それほど頻繁に更新されるわけではないのですが、このブログのサブタイトルが「ホームページには書けない裏話情報等々?? 」と言うことで、時々とても面白い話が読めます。

実はこの「ウッドウイル」とはハンドメイドでスピーカーを制作している工房なのです。
制作しているスピーカーはオーダーメイドが基本ですので決して安くはありませんが、どれをとってもきわめて「美しい」スピーカーばかりです。もちろん、オーダーメイドでない標準スタイルのスピーカーも、全て美しいです。

そんな、スピーカー作りのプロが書いているブログなので、時々実に貴重な情報が読めます。
今回も思わず目を引いたのが、「2011東京インターナショナルオーディオショウ」に出品されていた、名だたるハイエンドスピーカーに対する率直な感想です。

2011東京インターナショナルオーディオショウ

オーディオの評論というのは、どうしてもスポンサーあってのものなので、本音のところはなかなか読み取れません。しかし、こういうプロの方が率直に語っている言葉は実に説得力があります。

JBLDD66000(ペア700万円・・・(・ω・ノ)ノヒョエ~)は「中高域は圧巻ですが、大入力の低音成分を含んだ音源では低域がぼやけるのが難点」とか、

TANNOY KINGDAM(ペア480万円・・・( ̄△ ̄)・・・)は「試聴会が始まる前のBGMの音が良いので座って待っていましたが・・・低域のコーン振動板の音色と同軸のホーン型の音色が高域になるにつれて違って聞こえるのが気になり、設計の難しい所だなと同情いたしました」

などというのは、なかなか聞くことのできる言葉ではありません。

それ以外にも、
PIEGA MasterONE(ペア530万円・・・(*゚・゚)o うひょ~)に関しては「リボンの音色は好きですが、やはりウーファーの音色との違いが際立って不自然。これでこの価格はうーん?。」

とか、実に面白いです。

ただ、悲しいと思ったのは、

「音的にはDYNAUDIO、意匠的にはソナスファーベルをと思っていましたが、DYNAUDIOは特に変わり無し、ソナスの「The Sonus faber」は思わず目を背けたくなる。」という指摘です。

長年ソナスのスピーカーを使ってきたものにしては、分かっていたつもりでも「ソナスの「The Sonus faber」は思わず目を背けたくなる。」と指摘されると、やはりソナスは代替わりをして別のメーカーになってしまったんだという思いを再確認させられました。
やはりあのメーカーは創業者のフランコ・セルブリンがいてこそのメーカーだったのですね。

確かにこれでは目を背けたくなりますね。

この事に関しては、既にあちこちで書いてきたことなのですが、やはり繰り返しておこうかと思います。
私は20年近くにわたって、ソナスの初代モデルである「エレクタ・アマトール」を使い続けてきました。ところが、この「エレクタ・アマトール」は音も聞かずに、「見た目」だけで妻がチョイスをしたものでした。
スピーカー売り場のいろんなモデルを眺め回して、音などは全く聞かずに、彼女が「これ!」と決めたものでした。つまりは、リビングにおいても違和感を感じないと彼女が判断したのは、その当時ではこのモデルだけだったのです。
店員さんは、その大胆な「買い方」に驚いていましたが、しかし、長く使い続けてきて、女性のカンの凄さに驚いています。

私が愛していたソナスとはそう言うメーカーだったのです。
ところが、フランコ・セルブリンが引退をして、新しい経営者に変わってしまったソナスには、イタリアン・デザインの極致と評価された美学は微塵もありません。
その事を、プロの目からも指摘されてみると悲しい思いが否定しきれません。
残念な話です。

2件のコメント

  1. ユングさん。
    先日はコメントありがとうございました。
    静かな私のブログにお客さんが急に増えたので調べたら此処へ来てしまいました。

    ソナスファーベルの事が互いに気になっていますね。
    私のお客さんでもソナス所有の方が多くてあのデザイン性を保ちながらお客さん独自の音の好みによる作品製作依頼があるのです。

    スピーカーをどう捉えて製作するのかと言う時にポリシー、理論、機能、構造、素材、意匠などの各要素がありますが、構造と意匠の部分ではソナスを参考にしてきました。
    当工房のウイングなどの無垢材100%の曲面構造体スピーカーの意匠決定には
    大きな影響を受けているのは事実です。

    工場で(工房で)働くソナスの人達の表情は単純作業員ではなくて、やはり職人、
    作家という趣があります。それを支えている経営者と会社組織にエンジニア。
    皆がクラフトマンシップを持ち続けて居るのでしょう。今もそうで有る事を祈ります。
    ヴァイオリン製作の聖地イタリアのクレモナの家内工業的な製作手法を大規模にした様なその会社には、一度訪れてみたいとあこがれてもいます。

    そんな価値ある物作りをして、それを受け入れてくれる社会(市場)が継続して
    存在する。素晴らしい世界です。

  2. 今は何やかやと世界を騒がしているイタリアですが、個人的にはあの国は大好きです。
    旅行で何度か訪れたことがあるのですが、有名なブランドの製品でなくても、惚れ惚れするような手作りの品物が町にあふれていることに心底感心させられました。財布のような小物やバッグは言うに及ばず、アクセサリ類なんかも素敵で、我妻の目の色が変わる国です。
    そして、オーディオの世界ではなんと言ってもソナスですよね。

    正直申し上げて、私がウッドウイルさんのことが気になったのは、雰囲気がソナスに共通するものがあったからです。だから、今使っているエレクタ・アマトールがへたってきたらウッドウイルさんにお願いしようかなどと心密かに考えていました。

    「スピーカーをどう捉えて製作するのかと言う時にポリシー、理論、機能、構造、素材、意匠などの各要素がありますが、構造と意匠の部分ではソナスを参考にしてきました。」という言葉を聞かせていただいて、なるほどと納得した次第です。

    今後も優れたスピーカー作りを(田中伊佐資氏のスピーカー作りではかなり苦労されたようですね^^;)心より期待しています。

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