私は長年にわたってFirefoxを使い続けてきました。
FirefoxはIEが独占状態だったプラウザのおかしな現状に風穴を開けたという意味で大きな存在でした。何よりも、重くて重くてどうしようもなかったIEと比べると信じがたいほどの軽快さで、その「軽さ」を経験してしまうと、二度とIEに戻る気がしなくなる優れものでした。
おまけに、今では「常識」になっているタブ表示もIEに先駆けて採用したので、その使い勝手の良さは「涙もの」でした。
Firefoxの前身はIEとの覇権争いに敗れたNetscapeでした。覇権争いに敗れた最大の原因は、IEに負けてならじ!と「あんな事」や「こんな事」をてんこ盛りのように盛り込んだことでした。結果として、訳の分からない機能(その殆どが誰も使わない)が山のように詰め込まれて、結果としてページがなかなか表示されないほどに重くなってしまったのです。
Firefoxはその苦い過ちを教訓にして、「あんな事」や「こんな事」というあれこれの機能はプラグインという形でユーザーの側で追加する方式にして、できる限り軽くすることをモットーにして出発しました。
その方針転換はプラウザの占有率を大きく変動させました。
IEの占有率は常に90%を超えて殆ど独占状態だったのが、じわりじわりとFirefoxが浸食をはじめ、ついにFirefoxが30%、IEが60&と言うところまで勢力図を塗り替えたのです。
ところが、どこをどう勘違いをしたのか、この1年ほどの様子を見ていると、Firefoxは信じがたいような方針転換を行いました。
まずは、ヴァージョンアップが頻繁に繰り返されるようになりました。おかげで、テーマやプラグインがそのヴァージョンアップに追いつかなくなり、今まで愛用していたテーマがプラグインが急に使えなくなるという事態に直面しました。
驚いたのは、Googleのツールバーが「裏技」を使わないと組み込めなくなったことです。これには参りました。
さすがに、Googleのツールバーなしで使い続けるわけにはいかないので、「裏技」をネット上で発見するまではヴァージョンダウンして古いヴァージョンのFirefoxを使っていた時期があったほどです。
しかし、使い慣れたプラウザというものはなかなか変更するのが難しいものです。
なにしろ、PCを前にしたとき、圧倒的にプラウザで「あんな事」や「こんな事」をしているのですから、それはもう身体の一部みたいになってしまっています。
それを変更するというのはなかなか「鬱陶しい」ものなで、まあ我慢して使っていました。
ところが、その我慢がついに限界を超えて、堪忍袋の緒が切れてしまいました。
そう、ここ数度の度重なるヴァージョンアップによって、訳が分からないほど「重く」なってしまったのです。特に、重いサイトではタイムアウトでつながらなくなったり、タブをたくさん表示させているとハングアウトしたりするようになってきたので、これはもう駄目だなと見切りをつけることにしました。
調べてみると、同じような思いを抱いている方が多いようで、あちこちでFirefoxからの転向宣言がなされています。
また、プラウザの占有率もそのような状況を反映して、ChormeがFirefoxを抜いて第二位に踊り出したようです。現状は相変わらずIEが1位ですが、占有率は40%にまで低下しています。次いでChormeが第2位、Firefoxが第3位で、占有率はともに25%です。
日本国内ではIEの占有率はかろうじて50%を維持しているようです。
この数日、プラウザをFirefoxからChormeに変更して使い勝手を探っているのですが、Firefoxで利用していた機能は問題なくChormeでも使えることが分かりましたし、とにかく「うんざりするほど重くなっていた」Firefoxから解放された思いがしました。
それにしても、Firefoxの開発陣は、いったい何を思い違いしたのでしょうか?