トスカニーニ追悼演奏会CD

M&ACD1201 (2CD)
トスカニーニ追悼演奏会(1957年2月3日 シンフォニーオヴ・ジ・エアー(旧NBC響)
 ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」(ワルター指揮 SOA モノ)
 ドビュッシー:交響詩「海」(ミュンシュ指揮 SOA モノ)
 エルガー:エニグマ変奏曲(モントゥー指揮 SOA モノ)
私はあまり信用していないのですが、評論家のU氏が「最高のエロイカ」と絶賛しているのがこれです。最近は入手が困難だったのですが、M&Aから二枚セットで発売されるようです。
でも、知っている人は知っていると思うのですが、トスカニーニの引退によって解散させられた「NBC交響楽団」は「シンフォニー・オヴ・ジ・エアー」として活動をしていたのですが、強力な統率者を失ってオケとしての機能は崩壊の道をたどっていました。
そんなガタのきたオケに練習をつけて気合いを入れ直すという骨の折れる仕事は引退目前のワルターにとってはちょっと無理な話でした。
ですから、このエロイカはマルケヴィッチという超こわもての指揮者がみっちりと(^^;練習をつけて、本番だけはネームバリューのあるワルターが振ったというものでした。
大学の研究室なんかにはこれと似た話がよくありますね。
弟子の講師たちが血のにじむような思いで実験を繰り返してようやく作り上げた成果を教授の名前で学会に発表するというやつです。おそらく、オケのメンバーはワルターの棒の後ろにいるマルケヴィッチを思いながら演奏したのでしょう。
そう言う屈折した思いで聞くには最高のエロイカかもしれません。
なお、このCDには余計なことに、この「シンフォニー・オヴ・ジ・エアー」が指揮者無しのオケとして再スタートした最初の演奏会の模様も収録されています。
おかげで、一枚ですむはずのCDが二枚になって割高になっています。
指揮者なし シンフォニーオヴ・ジ・エアー
 1954年9月21日ステレオ録音
 ワーグナー:「マイスタージンガー」前奏曲、
 チャイコフスキー:「くるみ割り人形」組曲、
 ベルリオーズ:「ローマの謝肉祭」序曲
全く持って余計です。

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