“ESOTERICブランド生誕20周年を記念するアニバーサリーモデル
エソテリックブランド初のスピーカーシステム
新開発マグネシウムダイヤフラムを採用
トールボーイ・スピーカーシステム(スピーカーベース標準装備)
MG-20 希望小売価格 367,500円(税抜350,000円)/台
2007年4月下旬発売
ブックシェルフ・スピーカーシステム
MG-10 希望小売価格 210,000円(税抜200,000円)/台(ペア梱包)
2007年3月下旬発売”
TEAC ESOTERIC COMPANY
オーディオ関連企業が元気がない中で、それなりに気を吐いてきたのがTEACです。「ESOTERIC(エソテリック)」はそのTEACの高級ブランドで、剛性を高めたガッチリとしたCDプレーヤが印象的でした。
この「ESOTERIC」が「ESOTERICブランド生誕20周年を記念するアニバーサリーモデル」ということで初めてスピーカーシステムをリリースすると言うことで少しばかり興味をひかれました。
しかし、次の一節に「???」というかんじです。
<エンクロージャーはタンノイ社の音響テクノロジーと木工技術の粋を結集>
知ってる人は知ってると思うのですが、タンノイのスピーカーはオートグラフの時代からエンクロージャーを「鳴かせる」のが基本でした。つまり、振動板だけをピュアに鳴らすのではなくて、箱も積極的に鳴かせて、その総体で音作りをしてきたメーカーです。昔はアンプは非力でしたから、こういう作り方をしないと低音を出すことは不可能でした。
しかし、昨今のスピーカーはそう言う箱鳴きを徹底的に排除する方向で進化していて、正直言ってタンノイの設計思想は時代遅れになりつつあります。
特に、TEACのプレーヤーなんかは徹底的に剛性を確保して不要な振動をキャンセルすることを基本にしていたように思いますから、この組み合わせには違和感を覚えます。
ただし、各メーカーが今や血眼になってその懐を狙っている団塊世代にとっては「タンノイ」ブランドは憧れでした。TEACもまた、そんなさもしい考えからタンノイとの提携をしたなら悲しい話です。
もちろん、エソテリックブランドを関する以上は、盛大な箱鳴きも混みで作りました・・・なんて口が裂けても言えないでしょうから、確かに下のようなことが書かれています。
内部共振によるカラーレーションを防ぐため、内部に強力なクロスブレーシング(添木)を行い、さらにユニット後部をリアパネルからの支柱で特殊ダンプ材を介して補強。バッフルを固定するサイドウッドには25mm厚のチェリー無垢材を贅沢に採用。不要振動や共振を抑え、パワーを上げてもエンクロージャーの不要共振が極めて少なく、パワフルな重低音再生に効果を発揮します。
でも、こういう不要振動や共振を抑えこむ箱を作るのは決してタンノイは得意ではないと思います。本当に、剛性の高い箱を作りたいならば、提携する先は他にもいくらでもあるはずです。
はてさてこのスピーカー、どんな音がするものやら、いろんな意味を込めて一度は聴いてみたいものです。