3月の雨は5月の花を咲かせる
恥ずかしいことに、このイギリスのことわざを初めて聞いたとき、その意味を「3月の冷たい雨にうたれてこそ、5月にきれいな花を咲かせることができる。辛く、厳しいことがあってもそれに耐えてこそ報われるときがくる」と解釈してしまいました。
日頃は偉そうなことを言っていても、やはり私も骨の髄まで日本人のようです。
かつて、日本人を「根キリ」といったのは誰だったでしょうか。「根キリ」とは「根がキリスト」という意味だそうで、その心は「輝く明るい未来のために、今の厳しさをひたすら耐え続ける」という生活スタイルを言うそうです。
このステキなことわざを、「辛く、厳しいことがあってもそれに耐えてこそ報われるときがくる」なんて解釈してしまうようでは、それこそ「根キリ」もいいところです。
情けない!!
このことわざの正しい意味は「3月の暖かい雨にうたれてこそ、5月に美しい花を咲かせることができる。人間もまた、周囲の暖かい励ましがあってこそ、その才能を花開かせることができる」というもので、私の独自解釈とは正反対なのでした。
しかし、この勘違いはもしかしたら大きな意味を持っているのかもしれません。 人を育てるのは「厳しい鞭」なのか「暖かい抱擁」なのか?冷たい雨が降りしきる空を眺めながら、ため息をつくユング君でした。