MPD構築~その基本的な考え方

基本的な考え方

MPD(Music Player Daemon)というシステムで音楽を再生するシステムを構築するノウハウについて報告したいと思います。
ただし、私はPC関係の専門家ではありませんので、その内容についての正確性は保証しかねますので、実際に試されるときはあくまでも自己責任でお願いします。(・・・と言う、いつものお約束の前置きです)
また、システムの構築に当たっては、Linux等をさわるのは初めてだと言う方でもチャレンジできるように、GUI画面(Windows等で見慣れた画面です)で操作が可能なところはできる限りGUI画面で操作して、CUI画面からコマンドを打ち込むというようなことは極力少なくできるようにしたいと思います。(もっとも、皆無にはできませんが・・・)

まず、はじめに「MPD」を構築するのは、音楽再生専用のWindowsPCを前提としています。
なぜならば、「MPD」を導入しようなどと考えられる方は、おそらく仕事用のPCと音楽用のPCを兼用している方は少ないでしょうし、さらにLinuxPCを既に導入されて、それをメインで使用されている方はさらに少ないだろうと思われるからです。

一般的に、WindowsPCであれば、CドライブとDドライブに分けられているのが一般的だと思われます。
そして、CドライブにはWindowsがインストールされていて、Dドライブはデータ置き場になっていることが一般的でしょう。
そこで、このWindowsPCに「Vine5」をベースとしたMPDシステムと「Voyage MPD」をインストールされた「トリプルブート」のPCにしたいと思います。

なぜそんなことをするのかと言えば、「MPD」システムとして動作させると、そのPCはほとんど何もできないからです。とくに、MPDに特化した「Voyage MPD」は音楽再生以外は何もできないと考えていいと思います。
CDのリッピングやファイルのデコード、エンコード、アナログデータを取り込んでのデジタル化、その他様々な編集作業など、一切何もできません。これは、「Vine5をベースとしたMPDシステム」(以下、「Vine MPD」と述べる)もそのような状態で動作させますので事情は同じです。
ですから、そう言う様々な作業をするためにWindowsは残したいと思います。周辺ソフトの充実度から言っても、リッピングや様々な編集作業をするのは「Windows」の方がはるかに便利です。

さらに言えば、音楽再生専用のPCはケチるべきでないと思います。PCの性能はスペックだけを見ていても分かりません。スペックは高いが値段は安かったというPCは必ずどこかのパーツをケチっています。そして、パーツをケチったPCは必ず動作が不安定になり、それが音楽再生にマイナスとなります。
私は、PCショップのまわし者ではありませんが、信用のおけるお店できちんとリクエストを出して組み立ててもらったPCを使うのがベストだと思います。それでも、一般的なオーディオ機器と較べれば安い買い物です。
ちなみに、私が使っている専用のPCは「静音ネットショップ レイン」というお店で組んでもらいました。

このお店は「ファンレス」ではなく、きちんと「ファン」を回した上で静音化を計ったPCを販売しています。こういう静音PCはパーツをケチると必ず上手くいきませんので、その筋で評価の高いお店は信用がおけます。なお、なぜにファンレスPCを敬遠するのかと言えばそれは別の話になりますのでここでは触れません。
つまり、我が家に転がっている10台近くのPCの中で、もっとも性能が良くて安定しているのが専用PCなのです。
ですから、音楽再生だけにこれを使うのは勿体ないので、リッピングや様々な編集作業にも使いたいのです。ですから、Windowsは残したいのです。(しつこい・・・?^^;)

次に、なぜに二通りの「MPD」システムをインストールするのかと言えば、それはシステムに柔軟性を持たせたいからです。
「Vine MPD」と「Voyage MPD」を聞き比べてみればほとんど差はありません。しかし、シビアに聞き比べてみると、やはりMPDに特化された「Voyage MPD」の方が少しばかりまさっているかなと思います。だとすれば、「Voyage MPD」だけで十分ではないかという意見もあると思います。
それは全くその通りで、さらに言えば、CDのリッピングなどの作業は別のPCでやらせて、音楽再生はハード構成もできる限りシンプルにした専用のPCに「Voyage MPD」だけをインストールすべしと言う考えもきわめて妥当です。MPDシステムはもう一台クライアント側のPCが必要ですから、リッピングなどはそちらでやればすむ話です。

しかし、ここで一つの懸念が浮かび上がります。
PCオーディオの世界はまさにドッグイヤーです。現時点では間違いなく「MPD」システムが最も優れた音楽再生の方法です。これは疑いの余地もありません。しかし、1年後、2年後になってもそのように言い切れるかと言えばそれはかなり不確実です。
Linuxにおける音楽再生の試みはまだ始まったばかりで、今後改良される余地は山ほどあります。それは、やるべき事はほとんどやり尽くされた感のあるWindowsの世界とは大違いです。例えば、発想がMPDと全く同じであっても、より洗練された形で実装されたシステムが新しく登場する可能性などはは非常に高いと思われます。もしかしたら、全く今まで思いもつかなかったような提案が出てこないとも限りません。
そのような新しい提案がなされたときに、「Voyage MPD」はMPDに特化しているがゆえに十分な対応が難しいと思われます。特に、専門的な知識やスキルに乏しい素人にはかなり荷が重くなることは事実です。
しかし、「Vine MPD」ならば、それは基本的に「Vine5をベースとしたMPDシステム」ですから、Linux上で動くシステムならばいかようにでも対応できます。ドッグイヤーのPCオーディオの世界ではこの柔軟性は大きな魅力です。
新しい提案が登場してきたのに、それを指をくわえて眺めているだけなんて我慢できませんからね(^^;

と言うわけで、このWindowsPCに「Vine5」をベースとしたMPDシステムと「Voyage MPD」をインストールされた「トリプルブート」のPCを選んだ次第です。
まずは、これがこれから構築しようとするシステムの基本的な考え方です。

HDを4分割する

WindowsPCならば、普通はCドライブとDドライブに2分割されているはずです。私の専用PCのHDは300Gbで、Cドライブが50Gb、Dドライブが250Gbとなっています。
ここに、「Vine MPD」と「Voyage MPD」をインストールしたいので、Dドライブを3分割します。当然のことながらWindowsがインストールされているCドライブはいじらずに、Dドライブを分割します。

HDを切り分けるソフトはいくつかありますが、Windowsから使えるものとしては「EASEUS Partition Manager」が有名です。
使い方などは、ネット上のあちこちに詳しい情報が載っていますので、それを参考にしてください。(慣れた人なら、おそらく直感的に使えると思います。)

そして、こんな感じになるようにHDを切り分けておくとあとからとても便利です。

私は、250GbDドライブをDを

1.Windows用として「200Gb」
2.「Vine MPD」用として「40Gb」
3.「Voyage MPD」用として「10Gb」

としました。(上の画像は別のPCのものなので数字が少し違っています。)
これで、下準備が完了です。