電源のオン・オフだけで操作できる「Vine MPD」を構築する(2)

「MPD」をインストールする

いよいよ「MPD」のインストールを行いますが、残念ながら、ここだけは「CUI画面」からコマンドを打ち込む必要があります。
しかし、やってみれば驚くほど簡単なので、めげずにチャレンジしてください。

まず、デスクトップ画面から端末を起動します。そして、必要なのは以下の4つのコマンドだけです。

# cd /usr/local/src/mpd-0.15.15 [Enterキーを押す]
# ./configure [Enterキーを押す]
# make[Enterキーを押す]
# make install[Enterキーを押す]

念のために、一つずつ説明しておきます。下準備がきちんとできていればおそらくエラーは出ないと思われます。

# cd /usr/local/src/mpd-0.15.15 [Enterキーを押す]

先ほどダウンロードして解凍したディレクトリに移動します。

# ./configure [Enterキーを押す]

うじゃうじゃと訳の分からない文字列が表示されますが気にしない。
最後にこんな風に表示されればOKです。

########### MPD CONFIGURATION ############

Client Support:
IPv6 support ………………enabled
TCP support ……………….enabled
Unix domain socket support ….enabled

Playback Support:
ALSA support ………………enabled
FIFO support ………………enabled
HTTP daemon support ………..disabled
JACK support ………………disabled
libao support ……………..disabled
OSS support ……………….enabled
OS X support ………………disabled
Pipeline output support …….disabled
PulseAudio support …………enabled
Media MVP support ………….disabled
SHOUTcast support ………….disabled
Solaris /dev/audio support ….disabled

File Format Support:
AAC support ……………….disabled
C64 SID support ……………disabled
FFMPEG support …………….disabled
FLAC support ………………enabled
fluidsynth MIDI support …….disabled
MikMod support …………….disabled
MODPLUG support ……………disabled
MAD mp3 decoder support …….disabled
MP4 support ……………….disabled
Musepack (MPC) support ……..disabled
OggFLAC support ……………enabled(FLAC 1.1.3)
Ogg Vorbis support …………disabled
Wave file support ………….enabled
WavPack support ……………disabled
wildmidi MIDI support ………disabled

Archive support:
BZ2 archives support ……….disabled
ISO 9660 archives support …..disabled
ZIP archives support ……….disabled

Streaming support:
last.fm radio support ………disabled
libcurl support (streaming) …disabled
libmms support …………….disabled

Other features:
ID3 tag support ……………disabled
libsamplerate support ………disabled
Zeroconf support …………..disabled
libcue support …………….disabled

##########################################

Generating needed files for compilation

configure: creating ./config.status
config.status: creating Makefile
config.status: creating config.h
config.status: config.h is unchanged
config.status: executing depfiles commands

You are now ready to compile MPD
Type “make” to compile MPD

ポイントは

ALSA support ………………enabled
FIFO support ………………enabled

この2つが「enabled」になっていること。
さらに、

FLAC support ………………enabled
Wave file support ………….enabled
となっていることです。

ちなみに、最新の「mpd-0.16」では、最後の部分に次のように表示されます。

########### MPD CONFIGURATION ############

Archive support:
(-bzip2) (-ISO9660) (-ZIP)
Client support:
(+IPv6) (+TCP) (+UNIX Domain Sockets)
File format support:
(-AAC) (-C64 SID) (-FFMPEG) (+FLAC) (-FluidSynth) (-GME) (-libsndfile)
(-MikMod) (-MODPLUG) (-MAD) (-MPG123) (-MP4) (-Musepack) (-OggFLAC)
(-OggTremor) (-OggVorbis) (+WAVE) (-WavPack) (-WildMidi)
Other features:
(-libsamplerate) (+inotify) (-SQLite)
Metadata support:
(-cue) (-ID3)
Playback support:
(+ALSA) (-FFADO) (+FIFO) (+File Recorder) (+HTTP Daemon) (-JACK) (-libao) (+OSS)
(-OpenAL) (-OS X) (-Pipeline) (+PulseAudio) (-Media MVP) (-SHOUTcast)
(-Solaris) (-WinMM)
Streaming encoder support:
(+FLAC) (-LAME) (-Ogg Vorbis) (-TwoLAME) (+WAVE)
Streaming support:
(-CURL) (-Last.FM) (-MMS)

##########################################

「File format support:」で
(+FLAC) (+WAVE)
「Playback support」で
(+ALSA) (+PulseAudio)

となっていれば大丈夫かと思われます。
これを確認したら、次は

# make[Enterキーを押す]

さらに、訳の分からない文字列が表示されますがこれもまた気にしない。そして最後に、

make[1]: ディレクトリ `/usr/local/src/mpd-0.15.15′ から出ます

のように表示されれば、エラーなくコンパイルできたと思われます。

最後は、

# make install[Enterキーを押す]

とします。
これは一瞬で終わり、こんな風に表示されると思います。

make[1]: ディレクトリ `/usr/local/src/mpd-0.15.15′ に入ります
test -z “/usr/local/bin” || /bin/mkdir -p “/usr/local/bin”
/usr/bin/install -c ‘src/mpd’ ‘/usr/local/bin/mpd’
test -z “” || /bin/mkdir -p “”
test -z “/usr/local/share/doc/mpd” || /bin/mkdir -p “/usr/local/share/doc/mpd”
/usr/bin/install -c -m 644 ‘AUTHORS’ ‘/usr/local/share/doc/mpd/AUTHORS’
/usr/bin/install -c -m 644 ‘COPYING’ ‘/usr/local/share/doc/mpd/COPYING’
/usr/bin/install -c -m 644 ‘NEWS’ ‘/usr/local/share/doc/mpd/NEWS’
/usr/bin/install -c -m 644 ‘README’ ‘/usr/local/share/doc/mpd/README’
/usr/bin/install -c -m 644 ‘UPGRADING’ ‘/usr/local/share/doc/mpd/UPGRADING’
/usr/bin/install -c -m 644 ‘doc/mpdconf.example’ ‘/usr/local/share/doc/mpd/mpdconf.example’
test -z “/usr/local/share/man/man1” || /bin/mkdir -p “/usr/local/share/man/man1”
/usr/bin/install -c -m 644 ‘doc/mpd.1’ ‘/usr/local/share/man/man1/mpd.1’
test -z “/usr/local/share/man/man5” || /bin/mkdir -p “/usr/local/share/man/man5”
/usr/bin/install -c -m 644 ‘doc/mpd.conf.5’ ‘/usr/local/share/man/man5/mpd.conf.5′
test -z “” || /bin/mkdir -p “”
test -z “” || /bin/mkdir -p “”
make[1]: ディレクトリ `/usr/local/src/mpd-0.15.15’ から出ます

これはそれぞれのファイルがどこにインストールされたかを教えてくれています。
大切なのは、「MPD」の本体は「/usr/local/bin/mpd」にインストールされたこと、設定ファイルの「mpd.conf」の見本が「/usr/local/share/doc/mpd/mpdconf.example」にあることです。

これで、「MPD」のインストールが完了したので、次は設定ファイルである「mpd.conf」の編集を行います・・・が、その前にもう一つ、端末画面が開いている間にもう一つコマンドを打ち込んでください。「GUI画面」でも可能ですが、ここでコマンドを打ち込んだ方が手っ取り早いです。

# cp /usr/local/share/doc/mpd/mpdconf.example /etc/mpd.cof

意味は、設定ファイルの見本である「mpdconf.example」を「mpd.conf」と言う名前で「/etc」というディレクトリにコピーしたという意味です。
デスクトップから「/etc」を開いてみれば、そこに「mpd.conf」というファイルができているのが分かります。

次は、「mpd.conf」の編集を行い、音出しまでいきたいと思います。


7 comments for “電源のオン・オフだけで操作できる「Vine MPD」を構築する(2)

  1. bunbun
    2011年1月25日 at 9:21 PM

    新たにPCオーディオを始めたいと思っています。
    今までいいとわかっていても手をつけなかったのは、PCのモニタやキーボードなどをオーディオシステムの中に置きたくなかった、音楽を聴くのにPCを立ち上げるのはなんとなく嫌だった、PCが安定せず、再起動、再インストールなどが必要になるのが嫌だった、電源を強化すればもっと良くなるなどパーツが増えるのが嫌だった、などの理由があります。
    HPを拝見しますと、VoyageMPDを導入すると、モニタやキーボードなどはなくスマートですし、PCのCPU負荷問題から解放され、再生用に別途汎用PCを起動する必要がないと思われますので、これならばと思ったわけです。ただMPDが接続できるのはドライバーインストール不要のUSBDAC(もしくはDDC)と思うのですが、貴HPの写真(モニタやキーボードと一緒に写っている写真)を見ますとFIREFACEをお使いのように見えますが、MPDを導入された今ではDACを変えられたのでしょうか。
    また音楽再生専用のPCも新たに購入する予定ですが、購入されたという「静音ネットショップ レイン」でのお勧めを教えていただけませんでしょうか。

  2. ユング君
    2011年1月26日 at 9:11 PM

    >ただMPDが接続できるのはドライバーインストール不要のUSBDAC(もしくはDDC)と思うのですが、貴HPの写真(モニタやキーボードと一緒に写っている写真)を見ますとFIREFACEをお使いのように見えますが、MPDを導入された今ではDACを変えられたのでしょうか。

    残念ながら、現時点では「fireface400」も「Hiface Evo」も「Voyage MPD」では認識しません・・・と言うか、linuxでは認識しません。
    基本的には、最新のMacに特別なドライバーなしで認識する機器ならば「Voyage MPD」は認識するそうです。>>>yoさんとNick(Voyage MPDの作者)とのやりとりより。

    そんなわけで、現時点で仕方がないのでオンキヨーの「ND-S1」を使ってます。ただし、電源強化と制震対策を施していますので現時点ではこれで十分かなと思えるほどの実力は発揮してくれています。
    そこそこのDACを既に所有しているなら、悪い選択ではないようです。
    そして、「Voyage MPD」を使えば、そう言うハード関係よりもPCの方がいかに大きな影響力を持っていたかを知らされます。

    >音楽再生専用のPCも新たに購入する予定ですが、購入されたという「静音ネットショップ レイン」でのお勧めを教えていただけませんでしょうか。

    と言うことで、選択の基本はできる限りハード構成をシンプルにすると言うことです。そして、昨今のPCはどれだけシンのプルにしても、音楽再生に必要なパワーは十分すぎるほどに持ち合わせています。
    ですから、できる限りシンプルにして、ディスプレイもマウスもキーボードもつながないことです。

    「静音ネットショップ レイン」では「Core100HT」というのが一番シンプルなようですが、個人的にはこれでも不満でした。
    ですから、最終的には「OLIOSPEC」の「Genius GS-L11 Fanless Silent」を注文しました。
    http://www.oliospec.com/gsl11.html

    市販されているPCとしてはこれは一番シンプル構成ではないかと思います。もちろん、これを核にシステムを組むにはそれなりにスキルが必要ですが、そのシステムが再生する音は今までとは隔絶した世界を垣間見せてくれます。

    ぜひとも、PCオーディオの世界に足を踏み入れてみてください。

  3. bunbun
    2011年1月28日 at 1:17 AM

    ご返事ありがとうございます。
    クライアント用とmpd用の2台のPCが必要と思うのですが、「Genius GS-L11 Fanless Silent」はmpd用PCですね。
    だとすれば、クライアント用(WindowsPC)は何をお使いでしょうか。
    「Genius GS-L11 Fanless Silent」をクライアント用に使用することは可能でしょうか。
    クライアント用もオーディオシステムの近くに置きたいので、静かで、邪魔にならない大きさで、でも音質に有利なものを選びたいと思っています。お勧めを教えていただけませんでしょうか

  4. ユング君
    2011年1月28日 at 8:53 PM

    >だとすれば、クライアント用(WindowsPC)は何をお使いでしょうか。

    基本的にはクライアント用のPCは何でもいいと思うのですが、できればオーディオシステムとは離したいですね。
    クライアント用のPCはリスト表示をしたり再生・ストップなどの操作をするのでディスプレイ・キーボード・マウスが必要になって、せっかくすっきりしたオーディオルームが無粋になってしまいます。

    それでも、どうしてもオーディオルームの近くに起きたいというのなら、できる限り静音仕様のPCを導入しないといけなくなります。

    >「Genius GS-L11 Fanless Silent」をクライアント用に使用することは可能でしょうか。

    あちこち調べてみると、これでWindows7を動かすとかなりストレスを感じるようです。しかし、UbuntuなどのLinuxOSだとかなり快適に動くようですから、それも一つの選択肢になるとなると思います。

    私はリスニングルームには「Voyage MPD」をインストールした「Genius GS-L11 Fanless Silent」を置いて、クライアント用のPCは隣室に置いています。クライアント用のPCは長年再生専用に使っていたハイパワーの静音仕様PCです。

    ただ、私はまだ挑戦していませんが、「iPad」などをクライアントとして使うことが可能なようです。
    これが使えるなら、きわめてすっきりした再生システムになると思いますので、一度取り組んでみたいとは思っています。

  5. bunbun
    2011年1月28日 at 9:50 PM

    ご返事ありがとうございます。
    >クライアント用のPCは隣室に置いています。
    我が家では隣の部屋にクライアント用のPCを置くとmpd用のPCとを繋ぐLANケーブルが長くなりすぎるので、クライアント用のPCもオーディオルームに置いて、セットアップやリッピングが終われば、ディスプレイ・キーボード・マウスを外して、「iPad」などをリモコンとして再生したいと思っています。
    >クライアント用のPCは長年再生専用に使っていたハイパワーの静音仕様PCです。
    CPUやメモリはこのぐらいは必要というラインはありますか?

  6. ユング君
    2011年1月29日 at 10:32 PM

    >CPUやメモリはこのぐらいは必要というラインはありますか?

    昨今のPCなら何の問題もないと思います。
    リスニングルームに置くのでしたら、それよりは静音仕様かどうかの方が死活問題だと思います。
    世間には格安の静音をうたったPCも販売されていますが、どうも眉唾です。静音PCというのはどこかのパーツを一つでもケチると上手くいかないようなので、真面目に作るとずいぶん高くなるようです。
    私は「レイン」のまわし者ではありませんが(^^;、あのお店のPCはパッと見るとずいぶん高く感じるのですが、性能から考えると適正な価格のようです。
    やはり10万円くらいの出費は覚悟しないといけないと思います。

    もしも隣の部屋に置けるのならば、その辺に転がっている1万円前後の中古PCでも何の問題もないと思います。
    もしもリッピングや編集、変換などの作業をしたいのならば、デュアルコアのCPUで、メモリを2Gbくらい積んでおけば快適に動くと思います。それでも、静音にこだわらなければ新品でも3万円も出せば転がっているのではないでしょうか。

  7. bunbun
    2011年1月30日 at 4:51 PM

    丁寧なご返事ありがとうございます。
    「レイン」や「オリオスペック」の静音あるいはファンレスPCを検討したいと思います。
    また何かあったら、相談に乗ってくださいませ。

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