「Voauge MPD APU1C」の最低限のチューニング

APU1Cはデュアルコアですからそれほどチューニングには神経質にならなくてもいいとは思うのですが、それでもある程度は追い込んでおいた方がいいようです。
私の環境で、まあこの程度はやっておいた方がいいかな?と感じた部分を紹介しておきます。

Webサーバーなどの不要と思われるサービスは眠らせておく

APU1Cはヘッドレスですから基本的にはWindowsPCあたりからリモートアクセスして操作するというのが正しいやり方です。しかし、Linuxに不慣れなユーザーにとってはそのあたりがどうにも敷居が高いので、Webサーバーを動かしてプラウザからある程度の操作ができるような仕組みがVoyage MPDには組み込まれています。もちろん、その操作は最低限のことができればいいだけなので、「Apache]みたいな重たいWebサ-バーではなくて、「lighttpd」とか「nginx」が使われています。最新バージョンの「voyage-mpd-0.9.2」では「nginx」が使われています。

「lighttpd」も「nginx」も、ともに「メモリ消費量が少なく、CPU負荷の少ない高速動作が目的」となっているのですが、それでも音楽再生に特化した「Voyage MPD」にとってはかなりのお荷物であることには間違いありません。初期設定がすめば基本的には用済みでしょうから眠らせておくに限ります。
眠らせ方は、「とりあえず・・・「MuBox-i4」の不要なサービスを止める」で紹介した「update-rc.d」コマンドを使ってもいいですし、「Voyage MPDの使いこなし」で紹介した「sysv-rc-conf」を使う方法も可能です。慣れていない人にとっては「sysv-rc-conf」を使う方がわかりやすいかと思います。

root@voyage:~# remountrw //お呪い(^^;
# apt-get update //お呪い(^^;
# apt-get install sysv-rc-conf //「sysv-rc-conf」をインストールする。
# runlevel //ランレベルを確認
N 2
# sysv-rc-conf

こういう画面が表示されます。インストールした素の状態ではこういう感じです。

sysv-rc-con

Voyage MPDはランレベル2で動作していますから、「2」の列を見ます。この列で「×」がついているところが自動的に起動しているサービスです。「nginx」のところにも「×」がついていますから、デフォルトの状態では自動的にWebサーバーが起動していることが分かります。
この「×」印のところにカーソルを移動させてスペースキイを押すと「×」印が消えます。もう一度キイを押すと今度は「×」印がつきます。視覚的に非常にわかりやすいコマンドです。

そしてついでですから、これ以外にも不要と思われるサービスは眠らせておきます。このあたりのチューニングを徹底的に施したシンさんのサイトでの報告などをもとにして、とりあえずは以下のプロセスは無効にしています。

「nginx」・・・初期設定がすめば不要

「php-fastcgi」・・・初期設定がすめば不要
nginxとPHPを組み合わせて使う時に必要

「Avahi」・・・初期設定がすめば不要
特定の構成情報のないローカルネットワーク上のサービスホストの発行と発見を可能とする。例えば、ネットワークに接続したとき、即座にプリンタを検出し、ファイルを探し出し、他者と会話できるようにする。

「NoCatSplash」・・・情報が少ないのでよく分からない部分があるが、Webサーバーも眠らせるのでおそらく不要
Webサーバーの特殊なタイプで、特定のWebページへのDD-WRTボックスに接続しているクライアントをリダイレクトする。

「dnsmasq」・・・おそらく不要
グローバルなDNSには保持されないローカルエリア内の端末にDNSのサービスを提供することができ、対外DNSの負荷分散に貢献でき応答性の向上が期待できる。

「Lirc」・・・私個人にとっては不要
広く普及している赤外線リモートコントロールに赤外線を送受するためのパッケージ

「hostpapd」・・・私個人にとっては不要
Linux ベースの無線 LAN アクセス・ポイントにおいて WPA2 による強力な暗号化と認証を実現する

「watchdog & wd_keepalive」・・・シンさんも不要と言っていたのでとりあえず不要
システムが正常に動作しているかどうかを監視するためのデバイスの総称

と言うことで、こんな感じになりました。

sysv-rc-con_C

かなりすっきりしたこんな感じになりましたが、これでも今のところ私の環境では不都合はおこっていません。音質面ではWebサーバーの「nginx」を眠らせることによる効果が一番大きいようです。プラウザからの設定に頼らないでもやっていける人ならば、とりあえずはこれだけは眠らせておくといいのではないでしょうか。

なお、言うまでもないことですが、PCのチューニングは不要なサービスを刈り込むこと自体が目的ではなくて、刈り込むことによってPCがより安定して音楽再生に専念できる環境を作ることにあります。つまりは、刈り込むこと自体が「目的」ではなくてそれはあくまでも「手段」だと言うことを肝に銘じておく必要があります。サービスを刈り込むことが結果としてシステム全体の安定性を損なうことになれば本末転倒です。
その意味では「watchdog & wd_keepalive」を眠らせることには少しばかりの不安があります。自動起動のオン・オフをき比べて大差がなければオンにしておいた方がいいかもしれません。

どうでもいい追記

「Voyage MPD」のファイルを何気なく眺めていると最終変更の時刻が変です。調べてみると、タイムゾーンの設定が標準時になっているようで日本の時刻設定とは9時間ほどずれています。
まあ、どうでもいいと言えばいい話なのですが、気になると言えば気になる話のなでタイムゾーンの設定を変えておきました。

# cp /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime

設定ファイルを書き直せば自動的に変更は反映されるようです。


2 comments for “「Voauge MPD APU1C」の最低限のチューニング

  1. shaoxing9
    2014年7月8日 at 10:35 AM

    Linuxのことは何もわからず、ほとんどこのサイトを参考に何とか音を出すことができています。感謝申し上げます。
    チューニングとは関係ないことかもしれませんが、インターネットラジオでNHK-FMだけが音切れするので、もしかと思ってやってみましたがやはりだめでした。
    AVROやLinnなどは256k、320kなどとありますがNHK-FMは48kとあるのでこのせいでしょうか?
    しかし、Windows Media Player では全然音切れもなく再生できます。
    どなたか原因がわかる方がいらっしゃれば教えていただきたいと思っています。

    それから
    ># apt-ge update //お呪い(^^;
    とありますが、「command not found」と出てきましたので、「# apt-get update」とやってみました。
    何やらいろいろ出てきましたが、これでよいのでしょうか?

    なお、私のAPU1CはVoyage Store から購入したものですが、「sudo」にチェックが入っていました。
    何もわからないのでそのままにしておきました。

    • 2014年7月8日 at 6:30 PM

      >># apt-ge update //お呪い(^^;
      とありますが、「command not found」と出てきましたので、「# apt-get update」とやってみました。
      何やらいろいろ出てきましたが、これでよいのでしょうか?

      これは私が慌てたためのタイピングミスです。(^^;
      結構あちこちに同様のことがあって気をつけなければ自戒しています。

      >私のAPU1CはVoyage Store から購入したものですが、「sudo」にチェックが入っていました。
      何もわからないのでそのままにしておきました。

      どうせrootでログインするでしょうから、基本はチェックを外しておいてもいいかと思います。

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