アップサンプリングは実用化のレベルになった?
ボードの高スペック化(「APU.1D4」)でアップサンプリングも実用化の範疇に入ってきたような気がします。・・・と書きました。そしてこの2週間ほど設定をあれこれ変えて聞き比べてみた結果、結論から言えば、「16bit 44.1kHz」→「24bit 88.2kHz」へのアップサンプリングを基本とすることにしました。
もちろん、全てが「ブラボー!」ではありません。
たとえば、ピアノの音が少しヘタレ気味になります。これが一番の困ったちゃんです。ですから、ピアノ音楽をメインに聞く人や、それがどうしても我慢できないという人にとってはNGです。(ただし、私の環境)
さらに、ヴァイオリンの高音域がほんの少しシャリシャリする感じも否定できません。(個人的には許容範囲)
しかしながら、そういうマイナス面は指摘できますが、トータルで判断すればメリットがデメリットを上回ると判断しました。音のつややかさやふくよかさ、そして何よりも天井が少し高くなってすっと背筋が伸びたような雰囲気がとても好ましく思えます。そして、「APU.1D4+lightmpd」という組み合わのもとでのアップサンプリングならば、音楽が持つ力感や気迫がスポイルされるマイナス面は最小限にとどめられています。
WidowsPCが主流の時代にはアップサンプリングは随分とトライされました。当然、私もいろいろやってみて、その当時も「使える」と判断していました。
今回、このアップサンプリングの問題を一から見直すために、そう言う昔のトライを読み返してみました。そして、次のような文章に出会って笑ってしまいました。
「これにはいくつかの前提がつきます。
たとえば、普通に仕事用に使っているPCでアップサンプリングしても音はヘタルだけです。
しかし、デュアルコアの専用PCを導入してギリギリまでチューニングして、さらには「cMP2」を使用して、という前提をつけると、これが結構魅力的な音に変化するのです。つまり、PCのスペックをあげ、同時にPCの負荷を極限まで下げた状態でcPlayの「SRC 145db」というモードでアップサンプリングしたときに有効性を感じられるという極めてストライクゾーンの狭い話なのです。」
OSがLinuxに変わっても、結局は同じところに落ち着いているのです。
- 「デュアルコアの専用PCを導入してギリギリまでチューニングして」→「高スペックボードのAPU.1D4」
- 「cMP2を使用して」→「lightmpdを使って」
- 「SRC 145dbというモードでアップサンプリング」→「Best Sinc Interpolatoというモードでアップサンプリング」
まとめれば、「APU.1D4」という高スペックのボードに「64bit版lightmpd」という極限まで軽量化した高性能の再生システムを組み込み、そこで「Best Sinc Interpolato」というモードでアップサンプリングしたときに有効性を感じられるという極めてストライクゾーンの狭い話なのです。
最終的な「mpd.conf」の設定変更
mpd.confの変更点は以下の2つです。
①「”44100:24:2″」から「”88200:24:2″」へと変更
audio_output {
type “alsa”
name “lightmpd_APU1C”
device “hw:0,0″ # optional
priority “FIFO:99″ # optional
mixer_type “disabled”
format “88200:24:2″ # optional
dsd_usb “yes”
# use_mmap “yes”
buffer_time “150000″
period_time “37500″
}
②サンプリングのアルゴリズムを最高品質に変更。
samplerate_converter “Best Sinc Interpolato”
次回は、こんな事を書いておきながら、「16bit 44.ikHz」というCD規格は本当に音が悪いのか?というそもそも論を考えていきたいと思います。・・・続く。
yung様
はじめて書き込みいたします。
まずは、いつもyung様のホームページを参考にさせていただいてありがとうございます。
今回、cuboxにつづいて、APU1Cもyung様の影響をうけて購入いたしました。
lightmpd(64bit)の使いこなしですが、わたしなりにアップサンプリングについてもやってみましたので
私見としてお聞きください。
24,32,fとbit数を拡張することをしてみましたが、確かに音の細やかさは増すのですが、どうしても
伸びやかさが不足いたします。(箱庭的になる)スピーカーがもっとダイナミックレンジが確保できるような
ハイレゾ対応のスピーカーならいいのかもしれませんが、当方の20年落ちのハーベスではいかんともなりません。
まして、最新のスピーカーが当方の好みに合うともかないませんし、ハーベスの音色が気に入っておりますので。
そのため、16bitに固定いたしました。
その代わりにサンプリング周波数を44,88,176,352とあげれば、あげるほど音色の質感
があがります。正確に書けば176は一聴すると良いのですが細部が強調されるようでした。逆に352は一聴すると
バイオリンの音が固くなるようにも感じましたが、リアルな音はこちらの方が正しいと思えるような説得力の
あるものでした。ちなみに、DACはidsd nanoです。また、korgのDACを使っていたときにも感じたのですが、
サンプリング周波数をあげるとノイズシェービングのような効果があるようで、古い音源もリフレッシュ
されたように再生されます。
ということで、わたしの現在の環境では
samplerate_converter “soxr very high”
audio_output {
type “alsa”
name “35.2k_16bit”
device “hw:0,0” # optional
priority “FIFO:55” # optional
mixer_type “disabled”
dsd_usb “no”
buffer_time “225000”
period_time “75000”
format “352800:16:2”
}
としております。
buffer_timeとperiod_time は音場型と音像型を調整できると思っています。
あともうひとつ、先日書き込んでいた方の内容を参考にして、以下、dsd再生用も
作っております。
audio_output {
type “alsa”
name “dsd_or_original”
device “hw:0,0” # optional
priority “FIFO:54” # optional
mixer_type “disabled”
dsd_usb “yes”
buffer_time “225000”
period_time “75000”
}
以上です。
ホームページ、これからも楽しみにしていますので、ご健闘ください。
チャーリーさん。貴重な情報ありがとうございます。
>24,32,fとbit数を拡張することをしてみましたが、確かに音の細やかさは増すのですが、どうしても伸びやかさが不足いたします。
そうですね、私がビット拡張を行っているのは「DEQ2496」を使ってイコライジングしているからです。もし、そんなことをしていなければ私も16bitのままで再生していました。
「16bit 44.ikHz」というCD規格は本当に音が悪いのか?というそもそも論を考えていきたいと思います。・・・続く。・・・と書いたのはそのあたりを一度じっくりと考えて、他の方の意見もお聞きしたかったからです。
現実の音楽のダイナミックレンジを考えれば、16bit(96dB)で十分ではないかと考えています。
>その代わりにサンプリング周波数を44,88,176,352とあげれば、あげるほど音色の質感があがります。
こちらに関しては、44.1kfzを88.2kHzに変換すれば十分ではないかと考えていますし、音源によってはそんな変換も不必要ではないかとも考えています。実は、これもまた「CD規格は本当に音が悪いのか?」についてじっくり考えてみたいゆえんです。
ただし、これに関しても書き出すとコメント欄では到底不十分ですので、まとまった部分からでもサイトにアップしていきたいと思います。
yung様
ご返答ありがとうございます。
当方、アップサンプリング至上主義というほどではありません。(笑)
ただ、レコードで聴いていたアイザック・スターンのバイオリンの音色と同じ音源と思われるCDの音色が
納得できなかったのですが、サンプリング周波数をあげるたびに納得できるものになった。
と思っている次第です。
CDは
SONY RECORDS SRCR 2639
LPは
CBS Master Works 76836
ズービン・メーター指揮
ブラームス バイオリン協奏曲ニ長調 作品77
です。
コメント欄でのご返答は結構ですので、ご参考までに。