結論から述べますが、積んでいるメモリが2Gb?16Gbの範囲にあることが条件となっています。OSはもちろんXP Home Editionで可能です。
何をするのかというと、Boot.iniを編集します。
Boot.iniの編集は下手をするとPCが起動しなくなりますので、以下の方法はあくまでも自己責任で行ってください。
まずは、Boot.iniを編集するために開くのですが、これはPCにとっては起動するときの情報を書き込んだ重要なファイルですので、通常のやり方では開きません。
開き方は、以下の通りです。
[マイ コンピュータ] アイコンを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
[詳細設定] タブで、[起動と回復] の [設定] をクリックします。
[起動システム] の [編集] をクリックします。メモ帳でファイルが開き、編集することができます。
通常、Boot.iniは次のようになっているはずです。
[boot loader]
timeout=30
default=multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)WINDOWS
[operating systems]
multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)WINDOWS=”Microsoft Windows XP Home Edition” /noexecute=optin /fastdetect
これを編集するのですが、決して難しくありません。
最後の行の末尾に、半角でスペースを取って「/3Gb」と追記するだけです。当然のことですが「/3Gb」も半角に入力します。
こんな感じになります。
[boot loader]
timeout=30
default=multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)WINDOWS
[operating systems]
multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)WINDOWS=”Microsoft Windows XP Home Edition” /noexecute=optin /fastdetect /3Gb →(表示の仕方によっては途中で改行したように見えるかもしれませんが、これは1行ですのでお間違いのないように!!)
あとは、これを上書き保存すれば終わりです。
普通は元のBoot.iniを「Boot_old.ini」とでもしてバックアップを取るべきでしょうが、この程度の編集なら上書きで大丈夫でしょう。
くれぐれも、入力もスペースも「半角」で行ってください。注意点はそれだけです。
あとは、再起動すれば終わりです。
何だ、こんな事ぐらいでメモリエラーが回避できるのかと思うほどに簡単です。
でも、この「おまじない」をすると、ブルックナーでもマーラーでも問題なく読み込み可能です。演奏時間が4時間を超えるトリスタンとイゾルデでも大丈夫でした。
私のアルバムではもっともファイルサイズが大きいトゥーレックのゴルドベルグ変奏曲(約1Gb)でも問題なしです。
Boot.iniの編集に関する詳しい情報はこちらあたりをご覧ください。
Windows XP および Windows Server 2003 の Boot.ini ファイルで使用可能なスイッチ オプション
「/3Gb」は3Gbスイッチと呼ばれています。何をするのかというと、
『このスイッチを指定すると、x86 ベースのシステムで、3 GB の仮想アドレス領域がプログラムに、1 GB の仮想アドレス領域がカーネルと Executive コンポーネントに割り当てられます。プログラムは、追加のメモリアドレス領域を活用できるように設計されている必要があります。このスイッチを使用すると、ユーザー モード プログラムは、Windows が通常ユーザー モード プログラムに割り当てる 2 GB ではなく、3 GB のメモリにアクセスすることができます。このスイッチによりカーネルメモリの開始位置は 3 GB に移動します。』
らしいです。
つまり、本来は3Gbの壁があってトータルで3Gbしかメモリが活用できないのが、この3Gbスイッチを使うと、カーネルに1Gb、プログラムに3Gb使えるようになるならしいのです。要は1Gb余分に使えるようになるようで、それがメモリエラーを回避するのに役立つようです。
ただし、これを使うには積まれているメモリが2Gb?16Gbの間であることが指摘されています。特に、16Gbを超えるときは絶対に使ってはいけないと書いていますが、まあ、そんな無能なメモリをXP Home Editionに積んでいる人はいないでしょう。(^^;
私が仕事用に使っているPCは2Gbのメモリを積んでいるのですが、このギリギリ状態でも3Gbスイッチは有効にはたらきました。ただし、それ以下のメモリしか積んでいないときは環境がないので確かめていません。
それから、これを使うと、システム管理外のメモリが使えなくなりました。システム管理外でRamDiskを作ろうとするとメモリが足りないと叱られます。まあ、でもこの程度のペナルティは許容範囲でしょう。
最後に、念押しですが、以上の方法を試されるときは、あくまでも自己責任でお願いします