「MPD クライアント」としては「Music Player Daemon Community Wiki」の「Clients」のページで有名どころが紹介されています。
世間的には「Sonata」が有名らしいのですが、どうもWindowsの上では動作しないようです。
と言うことで、あれこれ試してみた結果、とりあえずは「Firefox」のPluginとして動作する「Music Player Minion」を使うことにしました。
「Music Player Minion」を組み込む
これは「Firefox」を常用しているものにとってはいとも簡単に組み込むことが出来ます。
「Firefox」を起動して、「ツール」→「アドオン」をクリックします。
そして「アドオンを入手」を選んで、検索窓に「Minion」とでも入れてエンターキーを押します。
そうすると、こんな画面が開きますので、「Firefoxに追加」をクリックします。
さらに、こういう警告画面が出ますが遠慮なくインストールします。
あとは、「Firefox」を再起動すればメニューバーに「minion」が表示されて、「Music Player Minion」の組み込みは終了です。
「Vine MPD」構築の大変さと比べれば嘘みたいな簡単さです。このあたりが、ユーザーフレンドリーな「Windows世界」のありがたさでしょうか。
「Music Player Minion」から「Vine MPD」に接続する
では、早速、「Music Player Minion」から「Vine MPD」に接続してみましょう。
「minion」→「Settings」→「Manage servers」をクリックします。
「Description」には適当な分かりやすい名前を付ければいいです。私は「Vine MPD」としています。
「Host」は「Vine MPD」のIPアドレスを記入します。
「Port」は「6600」です。
それでは、「minion」→「Launch Music Player Minion」をクリックして「Music Player Minion」を起ち上げます。
左側の歯車みたいなアイコンを選んで、「Vine MPD」をクリックすると「Vine MPD」に接続します。
接続すると、こんな感じで「Vine MPD」内のフォルダが表示されます。右下に「OK MPD@192.168.0.10:6600」と表示されます。
もしも上手くいかないときは、「Music Player Minion」の「Manage servers」の設定が誤っているか、もしくは「Vine MPD」が上手く動作していないかのどちらかです。
ただ、私がここではまったのは、「Vine」サイドのファイアーウォールの設定です。
普通はファイアーウォールが有効になっていると思うのですが、その状態では「6600番ポート」は閉まっています。ですから、ここを開けてやらないと当然のことながらクライアント側からは「Vine MPD」に接続できません。
「Music Player Minion」から音楽を再生する
まずは左側のフォルダから再生したい音楽を選んでいきます。
今回は徳永英明の「vocalist」を選びます。フォルダをクリックすると、そこに収納されている音楽ファイルが真ん中に表示されます。
そして、この中から聴きたい楽曲をクリックしていきますと、右側のプレイリストに次々と追加されていきます。
これで再生ボタンをクリックすると音楽が流れ出します。再生中の音楽が太字で表示されます。
そして、ここで作成したプレイリストに分かりやすい名前を付けて保存することも出来ます。
「Playlists」のタブを選べばこういう感じで保存されています。
この使い勝手の良さは「iTunes」等に通じるものがあります。
そして、忘れていけないのは、このシステムで再生される音がまさに別次元とも言うべき素晴らしさだと言うことです。
とりあえずの中間まとめ
「CMP2」にしても「Wave File Player」にしても、その高音質を維持するために、「使い勝手」は当然のように犠牲にしていました。いや、その使い勝手の悪さこそが「高音質」を象徴するものだったとも言えるほどです。
しかし、この「MPD」を核にしたシステムは、再生はサーバー側に、使い勝手はクライアント側にと分けているために、音質も使い勝手も犠牲となってません。いや、それどころか、この両者を分離したがゆえに、「CMP2」や「Wave File Player」をはるかに凌駕する再生環境を実現しています。
おそらく、このような再生環境は「CMP2」や「Wave File Player」のように、一つのPCの中で完結するシステムでは絶対に実現できないと思います。
今までは、「音質」と「使い勝手」はトレードオフの関係と諦めていました。
しかし、言われてみればまさに「コロンブスの卵」です。
今回、「Vine5」の上で「MPD」を動かして音楽を再生するというトライをしてみて、いろいろ分かったことがあります。
まず、当初は「ついに登場、音楽再生に特化した「OS」と言うふれこみで「Voyage MPD」が紹介されたのですが、これは正確に言うと正しくありません。正確に言うと、Linux OSの上で「MPD」サーバーを構築して音楽再生させるという「システム」の提案なのであって、全く新しいOSが提案されたわけではありません。
また、「Voyage MPD」はオーディオ出力として「ALSA」しかサポートしていないので、ネットワーク越しに音楽が再生できないのではないかという疑問も残りました。
このあたりの私の理解は至って曖昧なので何とも言えないのですが、「Vine MPD」では「Pulse」を動かさないとWindows側のクライアントからは再生できませんでした。もしもそうだとすると、「Voyage MPD」のような切り詰めたシステム、新たに「Pulse」を組み込むというのはかなりしんどい話になりそうです。
まあ、このあたりは私のスキル不足ゆえに全くの勘違いかもしれませんが、もしそうだとすると、「Vine5」のような軽量で高速なOSの上に「MPD」を組み込むというのはなかなかいいアイデアのように思えます。
また、「Vine MPD」もとりあえずスタートしたばかりで、さらに音に磨きをかけるためにやれることはまだまだたくさんあります。現在は、その辺りのジタバタに取り組んでいるところですので、そちらもある程度目処が立てばまた報告させていただきます。
でも、このシステム、ホントにいい音がします。
オンキヨーの「ND-S1」をDDコンバーターに使ってこれだけの音がするんだったら、「ハイエンド」なんて全くお呼びじゃないような気がします
yungさん
詳細な戦況報告ありがとうございます。
いずれ自分でも実施することがあった際には大変参考になります。
ところで、一つ質問させてください。
“普段聴き”されている?(iPod+ND-S1)と今回のVine+MPDとで、
それぞれ同じwave fileを再生したとしたら、再生された音は、どこが
どうちがうでしょうか?
細かい技術的なことはさておき((;一_一))、いずれもシンプルに
音楽再生に特化して、データプレイヤーとしてデジタル出力をND-S1に
流しこむという点では一致していますよね。
そこから先が同じ(アンプ、スピーカー)であれば、違いがあるとすれば
どこにあると考えられるでしょうか?
実はiPodはああ見えて、裏でいろんなこと(音楽再生以外のこと)やっている
のでしょうか?
ユング様
はじめまして。興味深い話題ありがとうございます。今年の5月以降、
プレイヤーの再生からPCでの再生に切り替えたオーディオファンです。
再生ソフトは、iTunes → foobar2000 → Wave File Player と
変遷し、今もWave File Player がベストという判断で使っています。
記事の中で、Wave File Player や CMP2を凌ぐとありましたので
気になりました。私はWindowsしか使わずLinuxは詳しくありませんが
少し時間をかけてでもLinuxの世界を覗こうかと思い始めたところです。
その後の進展などありましたら、また話題提供いただけると助かります。
それにしても、この世界の動きは目まぐるしいですね。
MPDを核としたシステムの音は、一言で言ってみれば解像度がワンランク上がっているにもかかわらず決して音色が固くならないと言うことです。
それと楽器の響きがより立体的に展開し、前後の広がりも再現してくれるようになります。
私が常用している「Fireface400」がどうしてもLinuxでは使えないのが残念なのですが、「ND-S1」でここまでの再現をするのかと驚かされました。
ただ、「Fireface400」と「ND-S1」を比べると、後者の方がどうしても音色は薄味なのですが、その辺りの「弱点」も「Vine MPD」ではあまり気になりません。
ただし、私の「ND-S1」は、エルサウンドの専用電源を使っていますし、足下にはタオックのインシュレーター、上からは鉛のインゴットで押さえ込んでいますので、総体の価格は「ND-S1」の3倍程度にはなっています。
ただ、それだけのことをして上げる価値が「ND-S1」にはあると思います。
>iPodはああ見えて、裏でいろんなこと(音楽再生以外のこと)やっているのでしょうか?
「iPod+ND-S1」ではほとんど聞いていません。
理由は簡単で、「ND-S1」をDDコンバーターとしてPCにつないだ方が音がいいからです。
これはどういう理屈かは分かりませんが、どう聞いても明らかに「iPod+ND-S1」の音は劣ります。
技術的なことは分かりませんが、私見では「裏でいろんなこと・・・やっている」のではなくて、「やらなければいけないことをきちんとやれていない」のではないかと思います。
ただし、吾ら素人は「技術的」な納得よりは「耳」だけが頼りですから、聞いてだめだと判断すれば、いくら理屈を言われても受け付けません。
ただ、いくらPCオーディオだといっても、そのために音楽再生専用のPC用意して、というのは敷居が高いと思います。それから、仕事などで汎用に使っているPCにつなぐよりはiPodつなぐ方が「幸せ」と言うことも十分考えられます。
そう考えれば、PCオーディオの入り口として「iPod+ND-S1」は悪い選択ではないと思います。
そして、出来得れば、そこを入り口にして、さらに奥まで進んでくれれば嬉しいなと思う次第です。
yungさん
Linuxについて教えていただきたいことがあります。
Linuxでポピュラーなものとしては、最近はUbuntuなどがありますが、
音楽再生用のLinuxとして見たときに、他のディストリビューションに比して、
Vineの良い点というのはどういった点でしょうか?
あるいはUbuntuは音楽再生にこういった点で向かないというようなことが
あれば教えていただければと思います。
>音楽再生用のLinuxとして見たときに、他のディストリビューションに比して、Vineの良い点というのはどういった点でしょうか?
ひとことで言えば、「軽い」と言うことに尽きます。
もちろん、Linuxはどのディストリビューションを選んでもWindowsと比べれば格段に軽いですが、頑として「1CD Linux」を貫いているVineは他のディストリビューションと比べれば格段に軽くて高速です。そして、「Voyage」等は極限まで軽くなっているので、再生に特化した「Voyage MPD」という提案がなされているわけです。
この「軽い」というのは重要です。
ただ、インストールの簡単さと言うことを考えれば、「Ubuntu」は賢明な選択だと言えます。
また、「Ubuntu」から派生した「Ubuntu Studio」は音楽に照準を合わせたディストリビューションになっています。
ただし、その照準が「再生」ではなく「DAW(Digital Audio Workstation)」にあわせられているのが、最終的に選びきれない要因ともなっています。
それと、これが一番重要なのですが、私がもっとも使い慣れているのが「Vine」だと言うことです。この「使い慣れている」というのは、先駆者が少ない分野に乗り出していく上では無視できない要因です。
まあ、そんなところでしょうか。
なるほど。
使い慣れているということも重要なファクターなんですね。
ただ、特にどのディストリビューションに慣れているということもない
初心者に近いレベルなので、インストールが簡単で、一応音楽に照準を
合わせたUbuntu Studioでいろいろと勉強してみようかと思います。
またいろいろとお聞きするかもしれませんが、よろしくご指導をお願いします。
yungさん、
私もついにLinux(Ubuntu)でMPDを走らせて、Minionでコントロールしようと今日作業を始めました。
しかし、yungさんがはまったというport6600を開くところで私もはまってしまいました(というか、現時点でも解決できずにいます)
まず、windows PC側にfirefoxをインストールし、アドオンでminionをインストールするのは確かにあっけなく終わりました。
次にUbuntuをインストールしたノートPCにMPDをインストールするところで最初につまずきました。最新versionを入れるとupdateで、libraryが足りないと蹴られたため、仕方なく、0.15.15を入れたところ、今度はすんなり終了しました。
そこで、minionを立ち上げ、local host設定をして、いざ接続とボタンを押してもnot connectedとなります。そこでfire wallのport6600の記述を思い出し、それを開放する操作をしました。
$sudo ufw enable
$sudo ufw allow 6600/tcp
そして状態確認をしたところ、
$sudo ufw status
action allowとなり、開放できたと思うのですが、
minionから再度接続を試みるも、not connectedのまま。
IPアドレスも間違っていないと思いますので、このあとどうしようか、
思案に暮れているところです。
しかたないので、気分を新たに明日再度試みてみようと思います。
linuxはここ10年触っていなかったため、コマンド操作に懐かしさを感じつつ、最初はdownloadしたファイルのフォルダーの中に入るのさえ、一苦労。
windowsの簡便さが身にしみた数時間でした。
まさかとは思いますが、MPDは起動していますか?
apt-get install mpd
でインストールしたときはPC起動時にMPDも起動したと思うのですが、ソースからコンパイルしてインストールしたときはmpdを叩かないと起動しません。
それから、設定ファイルに問題があると、mpdを叩いたときにエラーコードをはき出してこれまた起動しません。
一度、6600番ポートが実際に使われているか確認されてみてはいかがでしょうか。
netstat -s
だったかな?
これで、6600番ポートが使用されていないと、mpdは起動していませんね。
UbuntuではmpdをインストールするとデフォルトでOS起動時にdaemonも
起動すると言う記述があったので、動いているものと思っていました。
そこで、ubuntuのPCにGnomu music player clientをインストールして見たところ、mpdのサーバーに確かに接続されました。
ということは他のコンピューター(windows PC)からネットを介した接続の設定に問題があるようです。もう少し調べてみます。
ちなみに、この書き込みはubuntuのノートPCのfirefoxからです。
非常に軽快ですね。linuxの軽さが感じられます。またdesktop(Gnome)で表示されるフォントはwindowsのものより親しみが持てます(本質とは関係ないでしょうが)
mpdが問題なく起動している、6600番ポートもあいているとなると、UbuntuとWindows PCが別のネットワークに存在している可能性を疑うべきでしょうか?
どちらからでもいいので、pingを打って反応が返ってきますか?
言うまでもないと思いますが、
例えば、Ubuntuのネットワーク設定が
IP Address:192.168.1.1
subnet mask:255.255.255.0
等となっていて、それでWindows PCのIP Addressが192.168.0.2
なんかだったら、当然のことながら接続できません。
もう一つ考えられるのは、Windows PC側のファイアウォールなどのセキュリティ設定です。特にNorton等がインストールされていると、結構やっかいです。
職場などでも、昔は自前のPCを持ち込んで仕事をしていて、このNortonの設定で印刷も出来なくて私によく「ヘルプ」がかかりました。
それ以外だと、何が考えられるかな?
yungさん
まだ問題解決には至っていませんが、少しだけ前進しました。
そもそも最終目標はLAN接続したHDDに保存したwaveファイルライブラリー
をubuntuのmpdを介して、PCのminionでコントロールことでした。
しかし、そもそもubuntuがLAN接続HDDを見つけられずにいました。
いろいろと試行錯誤したあげく、もう一度sambaをインストールして、windows共有を試みたところ、今度はubuntuから見えるようになりました。どうもHDDの名前では探せなかったので、IP addressを直接指定すると成功しました。
しかし、依然windowsのminionからubuntuに接続できずにいます。
IP addressも問題なさそうですし、いまのところ解決策が思い当たりません。
しばらくは軽いOSのubuntuでダイレクトにwave fileを再生して楽しみながら
おいおいwindowsからの再生にチャレンジしようと思います。
また何かありましたらよろしくお願いします。
ユング君さん
/etc/mpd.confを開いて”localhost”のところを”any”に変えてからMPD再起動をかけて見たら解決できるかも知れません。。
失礼しました。ユング君さんじゃなくKIF1208さんの間違いでした。
シンさん
情報をありがとうございます。
チャレンジしてみます。