PCオーディオの都市伝説の第2弾は、超底辺スタジオさんも取り上げておられた「LANケーブル」で音が変わるです。これはもう少し間口を広げれば「ケーブルで音が変わる」と拡張してもいいのでしょうが、LANケーブルとUSBケーブルでは素性に大きな違いがありますから、やはり分けて検討した方がいいでしょう。
デジタルの世界には「不変性の神話」とも言うべきものが存在するように思います。
振り返ってみれば、CDの登場によって多くの技術者は「これで機器による音の違いは消滅する」と言ったものでした。そして、デジタルはその物理特性においてアナログを凌駕しているのは明らかなのだから、そのような優れたCDの音を「冷たいだの暖かいだのという訳の分からない感覚的表現」で貶すことは「原始人の戯言」だと切って捨てたものです。
しかし、CDが離陸して数年もすると、そんな大見得を切った技術者の言葉の方こそがただの「戯言」にしか過ぎなかったことが誰の目(耳?)にも明らかになりました。
オーディオマニアの執念とはすごいものです。
技術者は、これこれしかじかの理論的裏付けがあるのだから、そんなことで音の違いが出てくるはずはないと断言します。しかし、オーディオマニアたちは数々の果敢な試行錯誤によって(^^;、違いが出るはずがない部分で「違い」を見いだしていったのです。振動対策や電源対策、さらには百花繚乱のケーブル類など、その試行錯誤の積み重ねには凄いものがありました。しかし、そう言う積み重ねによってCDの「不変性の神話」を突き崩していったのです。
しかしながら、オーディオがPCの領域に踏み込むようになると、私たちは再び「不変性の神話」にぶつかることになりました。
何故ならば、PCこそは「デジタルの牙城」とも言うべき世界であり、その世界における「デジタル不変性の神話」の強固さはCDを取り巻く技術などとは比べようもないほどだったからです。
この1~2年の出来事は、そのようなデジタルの牙城における「不変性の神話」と「使いこなし」という名のアマチュア的試行錯誤が軋みをあげてぶつかり合っている状況ではないかと考えます。「都市伝説」とは、まさにそのようなぶつかり合いと軋みの中から生まれてきたものなのではないでしょうか。
信頼性が必要な場面で使用される「TCP/IPプロトコル」
それでは、そのような「軋み」の現場の第2弾としてLANケーブルを取り巻く問題を俎上にあげたいと思います。これに関しては、すでに紹介したように、「超底辺スタジオ」さんが詳細に検討されていますので、そちらも参照していただけると幸いです。
私も、仕事の関係で小さいながらもネットワーク管理を任されたことがあります。
ですから、ネットワークを構成するLANケーブルで音が変わるなどと言うことはあり得ないし、あってはならないことだという思いがありました。
何故ならば、LANケーブルを通してデータをやりとりするときに、そのデータが化けたり、欠落したりすることは基本的にはあり得ないからです。
その仕組み(TCP/IPプロトコル)を掻い摘んで説明すると以下のような事になります。
LANケーブルを通してデータをやりとりするときは、まずは送るべきデータは決められた大きさの固まりに分けられます。
これをパケットといいます。
そして、そのパケットには一つずつ「荷札(IPヘッダー/TCPヘッダー)」がつけられて送り出されます。「荷札」には送り主や受け取り主以外にも、そのパケットの身元を証明する様々な情報が書き込まれています。
さらに特徴的なのは、送り出されたパケットは一列に行儀よく並んで目的地を目指すのではなくて、それぞれが勝手に目的地を目指すということです。
音楽ファイルも全く同様にして送り出されます。
次に、データの受け取り主はバラバラに分割されたデータを順番に行儀よく受け取ることは不可能です。それぞれのパケットがそれぞれ勝手に目的地を目指すのですから、受け取り主は「荷札」に付された番号を元にたどり着いたパケットを順番に並べなおすことが必要です。さらに、「荷札」につけられたデータをもとに個々のパケットの身体検査を行い、途中でデータが化けたり欠落していることが発覚するとそのパケットは破棄して、送り主に対してもう一度送り直すように依頼します。
また、いつまでたっても目的地にたどり着かないパケットがあれば、これもまた送り主に対して再度送り直すように依頼を出します。
こうして、送り主と受け取り主の間で何度もやりとりをして、データが完全に届いて復元されたことが確認された上で接続が切れるようになっています。
しかし、ごく希に、何度送り直しを依頼しても到着しないパケットがあって、データが完全に復元できないにも関わらずタイムアウトになって接続が切れてしまうことがあります。インターネットなんかだと、ページの中に埋め込まれた画像が表示されずに残ってしまうような状態で、回線が細かった黎明期にはよくあった症状です。
しかし、ローカルなネットワーク上でのデータのやりとりだとパケットが行方不明になるようなことは考えられませんし、さらに言えば、Webサーバーのようにタイムアウトになって接続が切られるとはありませんから、データの欠落が生じるようなことはあり得ません。
以上がいささかザックリしすぎの説明ですが、「TCP/IPプロトコル」と呼ばれるデータ転送の仕組みです。
実に面倒くさく手間のかかるデータ転送の仕方なのですが、この「手間」のおかげでデータ転送の信頼性が担保されています。ですから、LANケーブルの違いごときでデータが化けたり欠落するようなことはあり得ないのです。
それでも変わるから困ってしまう
「理論的」に考えれば、LANケーブルを介したデータのやりとりであれば、NASに置いてある音楽ファイルと音楽サーバーであるVoyage MPDに届いた音楽ファイルは全く同じものです。
つまり、LANケーブルを変えたくらいで音が変わるはずはないのです。
ところが、現実にはケーブルを変えれば音はコロコロ変わってしまいます。
ただし、これに関しては未だに完全な「同意」は得られていないようです。都市伝説としては5つ星で評価すれば「3つ星」程度でしょうか。
できれば、多くの人からの追試の結果報告を期待したいところです。
なお、私が「変わる」と実感したのは高価な「オーディオ用LANケーブル」を使っての実感ではありません。
何しろ、私の中では「LANケーブル音が変わるはずないだろう」という思いがありましたから、今までは引き回しにじゃまにならないようにできる限り細いケーブルを使っていました。
しかし、世間では「LANケーブルで音が変わる」という報告が相次いでいるので、「バッカじゃないの」と思いながらも、少しは気になるので、近くの量販店で別なものを買い込んできてつないでみただけです。
選んだのは、「BRAID LANケーブル」というケーブルが組紐風のもので、オーディオ的にどうのこうのというようなケーブルではなくて、ただただ「見た目がお洒落」というのがコンセプトのケーブルです。
LANケーブルというのは基本的に床の上をはい回るので、どうせお金を使うのならば少しは見た目がきれいな方がいいだろうという事で買い込んできました。さらに言えば、「LANケーブルなんかで音が変わるはずがないんだから、せめては見た目くらいは優先しよう」という魂胆だったのです。
ところが、これを実際につないで聞き比べてみると、なんと・・・!!、音の傾向が少しばかり変わって聞こえるではないですか・・・!!。
そんな馬鹿な・・・!!?・・・と思いながら、HUBとNASの間、HUBとVoyage MPDの間の両方をつなぎ替えると、その違いはさらにはっきりします。
この二つのLANケーブルを比べてみると、お洒落優先の組紐風のケーブルの方が明らかに高域がふくよかになり、全体的にどっしりと落ち着いた傾向の音に変化するような気がします。そして、引き回し優先の極細ケーブルでは高音域にきつさが残っていたことに気づかされます。
ただし、その違いはかなり微妙で、極細のケーブルだけを聞いていたいたときは「まあこんなものか・・・」と思っていたのが、お洒落優先の組紐風のケーブルと聞き比べてみると・・・何となく高音域にきついかな・・・と、気づく・・・というレベルです。
ですから、その変化は電源を交換したときの変化と比べれば小さいものです。デジタル系の先に存在するアナログ系のアンプやスピーカーのクオリティによってはほとんど気にならないレベルかもしれません。
しかし、LANケーブルで音が変わるという主張を頭からオカルトだと決めつけるには躊躇いを感じるほどには変化しているように思います。
この微妙さが何とも言えず悩ましいです。
なぜ変わるのか?
これがどう考えても分からないのです。
超底辺スタジオさんも、苦し紛れに「外来ノイズによる影響かもしれない」という仮説を立てておられます。実際、オーディオ用途の高価なLANケーブルはほとんどが外来ノイズに対する対策をうたっています。
たとえば、・・・
「今までのPC用途でのLANケーブルはデータを正確に伝える事だけが目的でしたが、デジタルオーディオでの活用ではそれに加えて徹底的にノイズ対策を施した音の良いLANケーブルが必須になります。」
しかし、これはどう考えてもおかしいのです。
確かに、デジタルデータといえどもその実態は高周波のアナログ電気信号です。そこに何らかの外来ノイズが悪さをしてデータが化けると言うことは否定できません。
しかし、「TCP/IPプロトコル」というデータ転送においては「荷札」を元に身体検査がされますから、データが化けたりするとすぐに廃棄されて、送信元に正しいパケットを再送するように要求が出されます。
ですから、外来ノイズに弱いLANケーブルを使ったとしても、そこで現れる症状は何度も再送の要求が出される事による「通信速度の低下」だけです。そして、LANによる通信速度とCD再生に必要な速度を比べてみると一桁違いますから、LANの通信速度が大幅に低下したとしても、それでCD再生に必要な速度に追いつかないと言うことは考えられません。
たとえば、最近は「コンセントLAN」なるものが普及してきています。
これは、家庭内の電源コードをLANケーブルとして使おうというもので、これは通常のLANケーブルがさらされる外来ノイズなどとは比べものにならないほどの過酷な環境でデータのやりとりがされます。しかし、そのような環境でも通信速度の低下は20~30%程度に収まるようです。ただし、「コンセントLAN」を差し込んだのと同じコンセントで携帯電話の充電を行うと劇的に速度が低下してインターネットに接続できないことあるようです。携帯電話の高周波ノイズというのは凄まじいもののようです。
このようなコンセントLANと比べれば、どれほどの極細ケーブルであっても通常のLANケーブルの通信環境は天国のようなものです。ですから、「徹底的にノイズ対策を施した音の良いLANケーブル」などという主張はどう考えてもおかしいのです。
しかし、それでも「音は変わる」ように思えるので本当に困ってしまいます。
LANケーブル自体がノイズを拾ってPCに送り込んでいる?
そこで、結局思いつくのは、LANケーブル自体がノイズ源になっているということです。つまり、何らかのノイズがLANケーブルでやりとりされるデータに悪さをすのではなくて、何らかのノイズがLANケーブルをつなぐことによって外部からPCに持ち込まれ、そのことが「音質」に影響を与えているのではないかと言うことです。
実は、このことはNASと音楽サーバーであるVoyage MPDとを結ぶときにルーターを介すと音質が明らかに劣化することからうすうすは感じていました。これは、ルーターが発生する高周波ノイズがLANケーブルを介してVoyage MPDに流れ込んで音質を劣化させるためではないかと言われています。
そのためにNASと音楽サーバー(Voyage MPD)をつなぐのにはルーターではなくてシンプルにHUBを使うのが鉄則になっています。
また、どこかで有線方式のLANはノイズループを作るという話を見たような記憶もあります。
さらに、長く伸びたLANケーブルは、それ自身がアンテナのようになって外部のノイズを拾ってくることも否定できないかもしれません。
つまり、仕組みとしては電源を介してノイズがPCに持ち込まれて音質が悪化するのと同じ理屈ではないかと言うことです。
ただし、LANケーブルを変えることによる音質の変化はかなり微妙ですから、LANケーブルが何らかのノイズをPCに持ち込むことによって音質に悪さをしているとしても、そのノイズの量はそれほど大きくないことは予想されます。
ですから、これが「音質変化の犯人」だとしたら、訳の分からない「ノイズ対策」のために1メートル当たり何万円もするようなLANケーブルを使うよりは、LANケーブルの終点近くで何らかのノイズフィルターみたいなものをかぶせた方が効果的なのではないかと思います。
そう言えば、あのコンセントLANでもノイズフィルターを使用すると、かなり通信速度が改善されるそうですから、オーディオ用のノイズフィルターなんて簡単にできそうな気がします。
ということで、あまり役にも立たない素人の戯言なので、突っ込みどころ満載かと思います。気楽にどんどん突っ込んでいただければ幸いです。
大賛成です!!
すみません、詳細は、「PCオーディオの都市伝説(1)~「PCの電源で音が変わる」に書いてしまったので、、、、、
スレを汚して申し訳ない。
PCオーディオってこういう、従来のオーディオと違ったものの見方が必要になりますが、そこがまた、面白かったり。。。
LP時代から真空管からいろいろ試しましたが、今ではPCオーディオ1本です。
FOOBAR+ソフトのチャンデバ+FA-66+自作4chデジタルアンプで、LE8Tと2402Hをマルチアンプ駆動、スピーカーのネットワークなし。今までの真空管アンプ+ネットワークでの2Way接続と比べ、なんて音が粒だっていることか!! クロスの変更やアッテネーターも画面で一発変更!!
アナログだけでやっていたチューニングより一番よかったかもです。(アナログの腕が悪いともいう)
アナログだけでマルチやるともっといいんだろうけど、手間と時間とコストが、、、、、
PCオーディオってすばらしい!!
また、チョイ、スレ違いでごめんなさい。
LANケーブルで音が変わる件については、同意見でデータが化けるようなことはまず無いでしょうから、ノイズレベルと周波数帯域がケーブル素材毎に異なるため、音質が変わるのだろうと見ています。
高級ケーブルなんぞ使うよりは、NAS?ルータ?PCの電源とアースのとり方でカットアンドトライでそれぞれの環境ごとの最適解を見つけることが賢いのではと思っています。
その結果高級ケーブルが良かったというのならその人の環境では良かったというだけで、万人に一致するというわけではないのではと思っています。
私の環境ではブラシーボレベルの微々たる差しかないので、この点については通常CAT6ケーブルでヨシとして、他の改善に勤しんでいます。
聴き比べ、お疲れ様です。
CD再生とファイル再生の音の違いも、結局同じ様なことなのですよ。デジタル的な違いはないのですから。
>私の環境ではブラシーボレベルの微々たる差しかないので、この点については通常CAT6ケーブルでヨシとして、他の改善に勤しんでいます。
差はあるように思うのですが、その違いは確かに小さいので、私も「お洒落優先」のLANケーブルで十分かなと思っています。結論としては、ここに投資をするのはかなりコストパフォーマンスが悪いようです。
それから、私もが思いつきで言った「ノイズフィルター」ですが、やはり、意外と難しいようですね。
> 私もが思いつきで言った「ノイズフィルター」ですが、やはり、意外と難しいようですね。
思いつきって大切です。そこから何かが生まれます。
ただ、ノイズって難しいです。本当に、突っ込むとオカルトティックな部分があります。これを学術的に極めることができれば、一生遊んで暮らせます。(と思います)
VCCIって情報処理機器の放射電波規格みたいなのがあるんですが、
信じられないくらい、シビアです。装置の外部/内部配線が数cm変わっただけで、放射電波が変わるみたいな。。。。
結局、それでわけがわからなくなり、その測定のために徹夜しちゃうんですが、、、
でも、オカルティックって、結局は原理を学術的に理解していないだけだと思います。ただ、その原理が凄く難解なんです。(私も含め)
ただし、ひとついえることは、数10万円のLANケーブルは、それを買って気分よくなって音がよく聞こえる、程度のものでしかないと想像します。貧乏なので実体験はないです。まあ、買った人がそれでよければ問題ないんですが。
そういえば、昔RSDA202がマッキンかアキュフューズにブラインドテストで勝ちましたね。私はRSDAの愛用者です!!うれしかった!!
ユング様へ
いつも楽しく読ませていただいています。最近の話題が面白くコメントさせていただきます。
LANケーブルで音が変わるのは本当ですね。私の環境でも変化の割合は電源やUSBケーブル、ソフト側の変更などと比較して小さいため、オーディオグレードLANケーブルはお預けです。まあスイッチング電源なPCなので当たり前と言われればそうなんですが。今はエレコムのカテゴリー7ケーブルとノイズに強そうな?インテルのLANカードで対処しています。まあPC自作派(本人含む)から見たらカテゴリー7でも十分高いんですけどね?、1000円/m。
またちょっと趣旨は違いますが、お世話になっているASOYAJI様のブログで以前この記事を見つけノイズ対策をやっています。
http://asoyaji.blogspot.com/2011/05/pc.html
私でもできそうだったので、抵抗とコイルも追加してRLC回路にしてMPDサーバー機につけた所、かなり効果が有りました。調子に乗りND-S1電源差し込み口にも取り付けたら更に音がクリアになってGOODで常用してます。
但し電源関係なので気をつけて下さい。私は再接続する際溜まった電気がスパークして焦りました。
今は別の方法でノイズ対策するべく、ジャンパーピンで切り替えてセルフパワーができるUSB DUAL AUDIOを購入し自作電源で動かす事に決めました。またUSBアイソレータについて調べており、一度試してみたいと思ってます。
最後にお願い事になりますが、tX-USBのレポートを楽しみにしております。
以前より気になっていましたが、お値段が個人的に微妙で、保留中です。ちなみにオンボードUSBから旧NECチップの最安USB2.0カードに変更した時は最初の一音で違いがはっきり判りました。今はバッファローのUSB3.0カードを使用していますが、転送規格のアップに伴いコンデンサてんこ盛りでノイズ対策をしているようで音は良いです。
>最近の話題が面白くコメントさせていただきます。
私の素人話をネタにいろいろな情報のやりとりがされるならばこんなにもうれしい話はありません。かなり専門的なやりとりもされていて、私自身もついて行けなくなっている部分もありますから、コメント欄の方が「価値」が高くなっていますね。(^^;
>最後にお願い事になりますが、tX-USBのレポートを楽しみにしております。
個人的には導入する気満々です。
ただし、肝心の「物」が未だに入荷しないようで、当初は9月上旬入荷予定だったのが、今は中旬入荷予定となっています。
そこで、仕方がないので、USB改善策の第一弾としてエルサウンドさんの「データ専用USBケーブル汎用版」を注文しました。近々手元に届くようですので、まずはそちらの方から報告したいと思います。
始めまして。いつも楽しく拝見しております。
理論的なことはよくわかりませんが、実際比較してみますと、私は「LANケーブルでは音が変わらない」ほうに一票です。
確かにわずかに変わるように思う時もありますが、電源での変化などと比べると「変化なし!」と言い切ってもいいように思います。
ちなみに医療用のLAN絶縁トランス(日本光電HIT-100)も購入してためしてみましたが、効果は????でした。
某オーディオ店のHPによると「LANケーブルに発生するコモンモードノイズの低減に効果を発揮する」そうですが、小生の環境ではつけてもはずしてもおんなじでした。
当方の環境は、QNAP TS-210 → Voyage MPD in ALIX3D2 → Electrart USB Dual Audio Board → Berkeley Audio Design Alpha DAC → Mcintosh MC2000 → KEF Model 205/2です。
ALIX3D2の電源は、汎用のACアダプターからEl Soundさんの12V電源に替えるとかなり劇的に変化しました。
また単三電池直列による電池駆動も非常にすっきりした空気感が得られて好ましかったです。
電池駆動では、その分低域の量感が少し減るような印象で、El Soundの電源とは好みで使い分けてもよいかなと思っております。
これからもいろんな実験楽しみにしておりますのでよろしくお願いいたします。
あ、それから私もEl Soundさんのデータ専用USBケーブル汎用版を購入しましたが、ALIX3D2 → Electrart USB Dual Audio Board(セルフパワーモード)では音が出ませんでした。
>理論的なことはよくわかりませんが、実際比較してみますと、私は「LANケーブルでは音が変わらない」ほうに一票です。
この辺りかなり微妙ですね。しかし、変わると判断している人でも、そこに投資をするのはいかにもコストパフォーマンスが悪いと言うことでは一致できそうです。
やはり、使えるお金があるならば、現状では電源部分に投資をするのが一番賢いようです。
>あ、それから私もEl Soundさんのデータ専用USBケーブル汎用版を購入しましたが、ALIX3D2 → Electrart USB Dual Audio Board(セルフパワーモード)では音が出ませんでした。
そうなんですか(^^;
そう言えば、「データ専用USBケーブル汎用版はPCの電源を機器に持ち込まない便利なアイテムですが電流供給能力が僅か30mAしか無く認識信号用でバスパワー利用機器では殆ど使えませんでした。」と書いていますね。
私が注文したのは電源部を改良した「Improved」の方です。
ただ、DDコンバーターをバスパワーで使うことはないので、大丈夫だろうとは思っています。
hiro様
USB DUAL AUDIO(以下UDA) + ALIX + VoyageMPDで運用しています。
USBアイソレータについては、現在入手可能なアイソレータ用で最速のチップがADuM4160で、このチップを使ったもので実験しています。
最速といってもUSB Full Speedですので12Mbpsが限界で、96kHz音源までは何とか再生可能です。
USBアイソレータを付けての音はなかなか気に入っています。
ところがVoyageMPDは基本的にHigh Speed 480MbpsのUSB AUDIO CLASS2.0での動作を要求するためなのか、1時間に1回程度プツッというノイズが入ったり、フルボリュームでのホワイトノイズ状態になったりと安定しません。
UDAのファームウェアを旧世代に変えて何とか救済できないものかとテスト中です。
Phoeniciaさん
1時間に1回程度プツッというノイズが入ったり、フルボリュームでのホワイトノイズ状態になったりと安定しません。
同じチップをつかったアイソレータでlindemann 96/24 やPheseTcheのDDCをつないでいましたが、そのような現象はありませんでした。
UDAもUAC1.0のファームにいれかえるとちゃんとするのではないでしょか?
USBアイソレータとPheseTech DDCの組み合わせはとともいいかんじでしたが、192/24のソースを結構あつめてしまったのでいまはXMOSを常用しています。
yan様
顛末はblogにアップしてあります。
結論から言えばUSBアイソレータを挟むとUDAは1.0ファームでは認識されず、2.0ファームではノイズと言う状態です。
1.0で認識されない点は少し不思議です。WinXPなら正常動作しますので。
XMOSは、ホスト側がUAC2.0をフルサポートしてあげないと動作しない様な、USB周りの実装をされているそうですので、USBアイソレータを入れたらVoyageMPDでは認識されませんでした。
>1.0で認識されない点は少し不思議です
これは残念ですね。
ちょっと不思議だったのでUDAについてしらべてみました。
UDAはUSB2.0のHighSpeedで動作し、その上でUAC1.0,UAC2.0を実装しているようです。
http://fpga.cool.coocan.jp/wordpress/index.php/2010/11/07/audio-class-20/
http://fpga.cool.coocan.jp/wordpress/index.php/2010/10/26/usb11-or-20-usb-audio-class-10-or-20/
でも、それならWinXPでも動作しないはずですね。ちがうのかな?
あと、xmosは当然アイソレートしていません。
bonchichi様へ
すばらしいシステムをお持ちですね。うらやましい限りです。
LANケーブルの件ですが、いくつか書かせていただきます。
まず現在の私の思いでは技術者様が書かれていたように各機器や環境からのノイズがアナログ回路に入り込んで音質に悪影響を与えていると思ってます。ノイズという点ではオーディオとPCは最悪の組み合わせですね。従ってオーディオ側にノイズを持ち込まない事が重要ですがおそらくbonchichi様のシステムはこれがうまくいっているためLANケーブルの優劣?が分かりにくいのではないでしょうか。USB DUAL AUDIOの電源は何をお使いでしょうか。
またDACも写真を見ると電源も2系統に分けているなどその辺が配慮されているような気もします?。
あとアンプが真空管で大きなトランスですが、これって外来ノイズの影響は少ないんでしょうか。実は私のアンプはこれと対極のNuForceですが、以前試しにノイズ対策したPCとコンセントを共用したら噂通り露骨に音が悪化しました。例が少し特殊ですがやはりPCのノイズはバカにならないようです。
Phoenicia様へ
USBアイソレータについて貴重な情報ありがとうございます。
アナログデバイセズのチップで自作を考えていたので助かりました。
ところでフェニキア様だったのですね。該当の記事はまだ読んでいませんでした。USB DUAL AUDIOは今週中に入手できそうなので次の連休はゆっくり聴き専するつもりです。
あと前回の書き込みでRCL回路と書きましたが正確には並列RCL回路又はローパスフィルターです。電解コンデンサーは容量を変えたものを複数、1μF程度のフィルムか積層セラミックコンデンサーを追加した方が良いみたいです。まあやる人はあんまりいないとは思いますが念のため。
yan様
UDAはUAC1.0でWinで動作させるのがそもそもデュアルにした開発コンセプトだったように思っています。これがubuntuで動作しない点は作者のblogで言及されています。
ubuntuはUSB2.0 HighSpeedモードにおけるUAC1.0の実装に難点があるというような内容だったと記憶しています。
ubuntuとVoyageMPDでは微妙に実装は異なるかも知れませんが同根だろうと想像しています。
Phoeniciaさん
もう一度UDAの作者のblog を見てみました。
UDAのUAC1.0はUSBのアイソレート以前に、ubuntuのカーネルにパッチをあてないと動作しないようですね。
カーネルにパッチを当てたところで、UDAではUSB2.0のHighspeedでUAC1.0が動作しているようなので、やはりUSBのアイソレートは無理のようです。
やっと、すっきりしました。
訂正です。
Ama Ama AudioさんのところにVoyage Mpd + USBアイソレータ + UDAのレポートがありました。それによるとこの組み合わせではFull Speedで認識され、やはりPhoeniciaさんと同様にノイズがのるそうです。
同じチップを使ったアイソレータでPheseTechのDDCは88,96kとも再生はできてました。なにがちがうんだろう?
アイソレータもPheseTechのDDCもUDAも今手元にないので確認できないのがもどかしい。
PheseTechのDDCは96kHz以下はFull SpeedのUSB AUDIO CLASS1.0、それ以上はHigh SpeedのUSB AUDIO CLASS2.0という構成ではないでしょうか。
DDCではなくDACのHD-7A192はFull Speed、CLASS1.0用のUSBマイコンと、High Speed、CLASS2.0用のUSBコントローラ+XMOSという構成になっています。(今月号のMJ柴崎さん記事より)
多分DDCも同じ構成ではと想像しています。
hiroさま
コメントありがとうございます。
おっしゃるように、様々なデジタルノイズがデジタル機器のアナログ回路に影響するのだろうというのは、私も同意します。
環境による影響が大きいのかもしれませんね。
今使っている真空管アンプは、最新のハイエンドアンプとは違ってなんとなく鷹揚な感じで、細かい差をはっきりとは出さないタイプだと思います。
UDAの電源は、ALIXと同じエルサウンドさんの5Vアナログ電源を使っています。
ただ、こちらはバスパワー使用時とあまり大きくは変わりませんでした(UDAは基盤裸のままで使っているので、このあたりも影響してるかもしれません)。
Alpha DACは、日本では使っておられる方は少ないようですが、すばらしいDACです。
SPDIFで192/24を受けれるので、UDA経由でHiResサウンドが満喫できます。
日本での価格があまりに高すぎて普及しないのですが、米国での定価は$5200で、個人輸入(輸入代行)やAudiogonで中古を探せば送料込みでも30万円台で買えます(それでも高いけど値打ちはあると思います)。
私は輸入代行していただき購入しました。
>今使っている真空管アンプは、最新のハイエンドアンプとは違ってなんとなく鷹揚な感じで、細かい差をはっきりとは出さないタイプだと思います。
なるほど、ある意味では真空管はデジタル世界に由来する高周波ノイズに強いと言えるのでしょうか。何の根拠もありませんが、何となくそんな気がする気だけなのですが・・・。
>日本での価格があまりに高すぎて普及しないのですが、米国での定価は$5200で、個人輸入(輸入代行)やAudiogonで中古を探せば送料込みでも30万円台で買えます
正規の代理店を経由すると、ディーラの取り分と輸送費などのコストと(訳の分からない^^;)諸経費を乗せて3倍以上・・・というのが通り相場だそうです。
ですから、個人輸入すれば随分と安く買えるのは事実ですね。それに今は、常軌を逸した円高ですし、ネットの発達で個人輸入も随分とやりやすくなっているようです。
生活必需品と言うことで多くの人は車を購入しますが、決して常軌を逸した世界だとは誰も言いません。
「音楽を聴く」という行為も生きていく上で欠かすことのできない「必需品」だと言う人も多く存在するのですから、そう言う人にとっては30万円のDACは決して常軌を逸した世界だとは思いません。
さすがに1000万円のスピーカーや500万円のアンプ、さらには1メートル14万円のUSBケーブル・・・なんてなると、さすがにそれは異常だろうとは思いますが・・・。
200万円の車を買ってもそれほど異常だとは思われないのなら、オーディオに関してもその当たりくらいまでは大目に見て欲しいものだと思います・・・って、あんた、誰に向かって言ってるの・・・(妻です<(^ー^ι))