RLI-1が届きました。

LANアイソレーター「RLI-1」が手元に届きました。

LANアイソレーター RLI-1

早速につないで効果のほどを確認してみました。

結論だけ言いますと、間違いなく「効果あり」と言えそうです。
その事を一番実感したのは、HUBにつないでいるルーターからのLANケーブルを抜き差ししてみたときの変化でした。

「RLI-1」を使用していない今までの環境では、音楽を聴くときはルーターからのLANケーブルを抜くことは「必須の儀式」でした。抜いた瞬間に、音楽の雰囲気というか気配というか、そう言うものがふっと変化するのがはっきりと分かりました。
これは、ルーターを介して様々なノイズが混ざり込んでいる事を如実に示す現象でした。

ところが、「RLI-1」を挿入した環境では、ルーターからのLANケーブルを抜いても、殆ど音質面での変化は指摘できません。
もちろん、その気になって聞き比べれば、確かにLANケーブルを抜いた状態の方が音質的にはいいように感じます。しかし、ブラインドで指摘できるかと聞かれれば自信がありません。

この一事だけでも、「RLI-1」のノイズカットの効能は嘘でないことが確認できます。

次に、音質面なのですが、その効果のほどは、PC側からの電源を遮断した「データ専用USBケーブル」を使用したときに匹敵するほどの変化でした。
おそらく、この違いならば、ブラインドでテストされてもはっきりと違いは指摘できると思います。

その変化をざっと書き上げると以下の通りです。

  1. 静けさが増します。オーディオ的に言えばS/N比が向上するというのでしょうか。とにかく背景の静けさは特筆ものです。
  2. 楽器の質感が増すように思います。少し薄味だったヴァイオリンに「とろみ」がつくような感じです。
  3. 楽器の分離と定位が向上します。

一番顕著なの「静けさ」の向上です。

ライブ録音などを聞くと、今までは気づかなかった会場のざわめきみたいなものがはっきりと聞き取れて実に生々しいです。

以上の結果を見る限り、「RLI-1」はLANケーブルを通して持ち込まれるノイズを間違いなく(程度までは不明ですが・・・)カットしていることは間違いないようです。

次に問題なのは、この「RLI-1」をどこに使うかです。

挿入場所はHUB(NAS)側と

PC(Voyage MPD)側が考えられます。

理屈から考えると、NASやクライアントPCからのノイズをHUBの出口でチョークする方が好ましいように思います。
ノイズが混ざった状態のLANケーブルがPCの手前まで這っていて、その入り口のところでアイソレートするよりは、HUBからの出口でアイソレートをして、ノイズの混ざっていないきれいな状態でPCにつないだ方が良好だろうと想像できます。

試してみた結果は想像したとおりで、HUB(NAS)側につないだ方が結果は良好でした。

なお、一部では両側につないだ方がいいという話もあります。

しかし、メーカー側はコモンモードノイズはほぼ100%カットできるとしているのですから、2つつないだからと言って、コモンモードノイズに関してはオーバークオリティなような気がします。
しかし、信号データに重畳してくる「ディファレンシャルモード」のノイズに関してはほとんど取れていないのではないかという疑問が残ります。
メーカーのサイトを見ても、コモンモードノイズに関しては詳しく書かれているのですが、「ディファレンシャルモード」のノイズに関しては全くふれられていません。
もしも、「RLI-1」を複数個使うことで一定の改善が確認できるのならば、「ディファレンシャルモード」のノイズに関しても多少は効果があって、それが複数個使うことで効果が増強されるのかもしれません。
まあ、推測の域を出ませんが。

そんなわけで、理屈の上ではHUB側に一つ使うだけで十分な効果があると判断しました。

やはり、今後のPCオーディオは「ノイズ対策」が一つのテーマとなるような気がします。


5 comments for “RLI-1が届きました。

  1. fake
    2011年12月29日 at 12:38 AM

    いつも楽しみに拝見させていただいております。
    今回の結果には、我が意を得たり!の感がありました。
    私もPCオーディオを楽しんでいるのですが、HUB側のLANケーブルの途中に、日本光電LAN用絶縁トランス(HIT100)を挟んだところ、やはり大きなS/N比の向上を感じました。
    もっとも、USBケーブルとDDコンバーターの間に、USBアイソレーターを挟んだところではそこまで大きな変化は感じられませんでした。
    (本来は別用途の市販のものを使用したせいなのかも知れませんが・・・)

  2. nino
    2011年12月29日 at 12:57 PM

    この手の商品に対してはすぐにオカルトだという批判が浴びせられますが、ほとんどの場合、データ(バイナリ)が一致すれば音も同じはずであるという誤った思い込みに起因するもので、オカルトではない場合が多いですね。しかし、さすがに理由にノイズが出てくると誰もオカルトだとは言わないようです(笑)。データが変わらないことは同じなのですが。

    では何が問題かというと、個人的には価格こそがオカルトだと思っています。LANのノイズ対策の商品はいくつかありますが、必要な個数を揃えようと思うとかなりの出費になります。そこで、マルツで買えるパルストランス内蔵LANコネクタにはんだ付けをして自作フィルターを作って使っています。1個300円+消費税程度です。100個買うと250円くらいです。

    トランスとチョークが内蔵されているもの(興和電子の13F-67など)のほうがより高周波までノイズが取れるのですが、個人向けに販売しているところが見つかりませんでした。まさかメーカーに10個くださいといっても相手にされそうにないので。

    売っている所があったとしても1個数百円の世界だと思います。どう考えても、パルストランスとチョークコイルだけで1万円を超える商品が存在するのは、オーディオの世界だけだと思います。

    それから、ルーターやNASにすでにこのようなトランスやチョークコイルが内蔵されている可能性も高いです。これはそれぞれのメーカーに確認する必要がありますが、そうであれば、これを使う意味はほとんどなくなります。購入を考えている方は一度確認したほうがいいと思います。

    このメーカーは、他社では絶対に商品化しないだろうと思うようなものに積極的に取り組んでいて、面白いとはおもうのですが、原価を考えれば、せめて価格設定を半分くらいに設定にできないものかといつも思っています。このあたりの考え方はメーカーの戦略的なものもあって簡単ではないでしょうが、ユーザーからすると所詮アクセサリーはアクセサリーであって、音質を根本的に変えるものではありませんから。

    これ以上書くのはちょっと、あれなんですが…、このようなガレージメーカーが部品を一から作れるわけはないので、ちょっと中は見たくないですね。

    いずれにしても、PCオーディオではノイズ対策はやってやりすぎることはないくらいだと思います。このノイズ対策も自作するならお勧めです。

  3. nino
    2011年12月29日 at 2:28 PM

    自己レスです。

    あんなことを書いて、すでに買った人は気を悪くしたかもしれませんが、ご勘弁を、あまりに高すぎるもので…

    USBアイソレーターは、おそらく上の方と同じものではないかと思うのですが、完成品として安く売られているものをケースに入れて使っていますが、私の環境ではあまり変化は感じられませんでした。これもICは同じものですから、するとちょっと高すぎですね。

    個人的には変化の度合いでいうと、

    USBケーブル > LAN ケーブル
    USBアイソレーター < LANアイソレーター

    と感じています。

  4. ユング君
    2011年12月29日 at 4:21 PM

    >あんなことを書いて、すでに買った人は気を悪くしたかもしれませんが、ご勘弁を、あまりに高すぎるもので…

    いやいや、私も高いと思いますよ(^^;
    ただし、オーディオ関係のアクセサリって、もっと信じがたい価格設定のものがゴロゴロしていますから、「15000円程度ならばいいか」ってなっちゃいますね。

    その意味では、あのエルサウンドはいつもいつも価格設定が良心的ですね。
    メールでもして製品化をリクエストしてみようかな(^^;

    >いずれにしても、PCオーディオではノイズ対策はやってやりすぎることはないくらいだと思います。このノイズ対策も自作するならお勧めです。

    確かに、趣味ならばその方が楽しいかもしれませんね。

    >USBアイソレーターは、おそらく上の方と同じものではないかと思うのですが、完成品として安く売られているものをケースに入れて使っていますが、私の環境ではあまり変化は感じられませんでした。これもICは同じものですから、するとちょっと高すぎですね。

    これは、貴重な情報、ありがとうございます。
    私としても、USB関係は「データ専用のUSBケーブル」で十分かなと思います。
    雑誌の評価記事も行間を読み取ればUSBよりはLANの方に効果を認めていますね。
    あと、一つ気になっているのは、DDCとDACの間も中村製作所の「NS-DNI01」みたいなものを挟んだ方がいいのかな、と言う点です。

    今日から年末年始の休暇に入りますので、いろいろじっくりと思案してみたいと思います。
    <追記>
    なんて書いてから、ネット上をあれこれ調べていると、とっても詳しいサイトを見つけました。
    http://mikenekosou.blog76.fc2.com/blog-category-6.html

    半田ごてにぎるのはあまり得意じゃないのですが、なるほど、これなら私でも自作できそうだと思いました。

  5. nino
    2011年12月29日 at 10:55 PM

    この自作は工具さえあれば難しくないですよ。配線の色とピンの番号を間違えないようにするだけですね。ただ、コネクターから出ている足のピッチが狭いので、部品を固定できる拡大鏡付きの固定具などがあると便利かもしれません。

    トランスとチョークが揃っているのはこの製品だけなので、重要なところに1本使って、あとは自作のトランスでそれぞれの機器をアイソレーションするというのが一番現実的かもしれません。

    エルサウンドの価格設定は良心的ですね。もっとも販売店を通さないからできる価格だとは思いますが、あのような販売形態のほうがPCオーディオには合っていますね。所詮ニッチな世界ですから。交渉されてみると面白いのでは。この商品で実用新案登録はありえないでしょうから(爆)。

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