気楽に遊んでみよう(2)~BEHRINGER「DEQ2496」の紹介など

前振りだけで随分と長くなってしまいました。
今日は早速にBEHRINGERの「DEQ2496」の紹介をはじめます。この「DEQ2496」は一般的なオーディオ機器ではなく、本来はPAシステムを調整するための機器です。

BEHRINGER / ベリンガー ULTRACURVE PRO DEQ2496 マスタリングプロセッサー
DEQ2496

聞くところによると、プロのミュージシャンだったベリンガーさんが使用していた音響機器を分解したところ「これのどこが1000ドルなんだ!!どう考えても100ドルだろう!!」と言うことを発見し、それならと、その商品をコピペ(別名、自作とも言います^^;)したのがスタートだったそうです。そして、そのコピペ商品がバンバン売れるようになったので自分の名前を社名にして会社にしたらしいのです。
口さがない連中は、「性能は倍に、価格は半分に (Double the features at Half the price)」というベリンガーの社是は、同業他社の有名商品をできる限りキチンとコピーして、その代わりに価格はうんと安くしますという事なんだ・・・などと言っています。
しかし、そんなことを言われながら、ソニーやオーディオテクニカ等と並んで、このメーカーの商品だけでスタジオが作れるほどの総合メーカーへと育っています。

たしかに、ベリンガーの商品は値段のわりには性能が高いと言うことは認めざるを得ません。
今回も、注文した「DEQ2496」が届いてみると、その作りの「しっかり加減」はどう考えても2万円とは思えないほどの立派さです。機能的に充分な実力を持っていますので、民生用のオーディオ機器ならば一桁上の20万円と言われても怪しまないほどの立派さです。

誰が何と言っても、ベリンガーは結構偉いメーカーだと思います。

さて、どう使うか?

これは迷うことなく、USB-DDCとDACの間に挟みます。つまりは、デジタルで入力(USB-DDC「hiFace evo」→)し、デジタルで処理(デジタル・イコライザ「DEQ2496」)し、デジタルで出力(→DAC「D-07X」)したいからです。

DEQ2496

そして、こういう風にデジタル領域で全てのことが終われるのが「DEQ2496」を選択した大きな理由の一つでした。
「DEQ2496」はデジタル入力もデジタル出力も装備しています。

もちろん、アナログの入出力も装備していて、アナログ信号をデジタル化するためのA/Dコンバーターや、デジタル信号をアナログに戻すためのD/Aコンバーター(ともに、24bit96kHz)も組み込まれています。現時点ではこれらの性能は確認していませんが、システム内にはエソテリックの「D-07X」があるのですから、おそらく使うことはないでしょう。
「DEQ2496」はデジタル領域の中でしか使わないというのが基本です。

「DEQ2496」を使うための必要な品々など

「DEQ2496」は基本的にはPAシステムを調整するのが本来の役割ですから、当然のことながら実際の使用にあたってはケーブルがかなり長くなることを想定しています。ですから、ケーブルを長く引き回してもノイズの影響を受けにくいバランス転送が基本となりますので、接続端子は「XLR端子」です。
光接続のオプティカル端子も装備していますが、使うのはやはり「XLR端子」でしょう。

XLR

ですから、デジタルバランス転送のケーブルが必要になります。この手のケーブルは何万円もするようなものがゴロゴロしているのですが、イコライザ本体が2万円でケーブルが7万円×2ではどう考えてもバランスが悪いので、私は基本性能が優れていて、なおかつ価格が手ごろな「ゴッサム(Gotham) GAC-2 AES/EBU」を使っています。
50㎝で2500円程度です。

Gotham_D

幸いにして、私が使っている「fiFace Evo」も「D-07X」も「XLR端子」を装備していますので問題がないのですが、もしもお使いのDDCやDACに「XLR端子」がなければ「XLR-RCA変換プラグ」が必要になります。

XLR._RCA

あまり気持ちのいい代物ではないので、できればDDC、DACともに「XLR端子」を装備した機器を使いたいのですが、それが無理ならばこれを使うしかありません。世間的には、気にするほどの劣化はないと言うことなので、それを信じるしかありません。

それから、もう一つ絶対に準備しなければいけないのが、測定用に使用する無指向性コンデンサーマイクとマイクケーブルです。わずか2万円程度の「DEQ2496」にも専用のマイクを使った自動補正機能がついているのですから、これは必需品です。また、補正した後の結果もキチンと測定ができますので測定用のマイクは「DEQ2496」と一体の物と考えた方がいいでしょう。

一般的には、「DEQ2496」には同じベリンガーの測定マイク「BEHRINGER ECM8000」を使うようなのですが、ネット上の情報をチェックしてみると評判があまりよろしくありません。

ECM8000

このマイクはベリンガーらしくかなりお安いのですが、特性的に当たり外れが大きくて、外れをつかまされるとちょっと辛いことになるようなのです。まあ、そこまでシビアに気にしないというならば、もちろんこれで充分だと思います。しかしながら、私は少しは気になる人なので、ネット上の情報をあれこれ探り、その結果を信じてDaytonAudioの「EMM-6」を使うことにしました。

EMM-6

これは、一台ずつ識別番号が割り振られていて、それら一つずつに特性を測定してチェックした結果が添付されています。ベリンガーの「ECM8000」と比べると少し高めですが、それでも6500円程度です。
ベリンガーとの差は約2000円程度ですが、安心料だと思っておきましょう。
もちろん、測定用のマイクの特性に徹底的にこだわるというならばもっと優れもののマイクもありますが、バランス的にはこのあたりがベターではないでしょうか。

なお、マイクケーブルは既に何本も所有しているので今回は新しく購入しませんでしたが、そんな物は部屋に転がっていないという人は一緒に注文しましょう。

これだけそろえれば準備は完了です。
そして、日本のネット通販はホントに有り難くて、それぞれ別々のショップに注文したにも関わらず、その2日後には全ての商品が手元に届きました。イスラエルのメーカーに「CuBox」を注文したら3ヶ月ほども経って、それこそ忘れた頃に届いたことを思えば嘘のような話です。

何とも前振りばかりが長くて申し訳ないのですが、次回から、ようやくにして使ってみての報告を少しずつやっていきたいと思います。