「CuBox+LightMPD」vs「CuBox-i4Pro+MuBox」

新しい「CuBox-i4Pro」が手元に届いてから3週間ほどたつのですが、こちらの方は不思議なことに大きな問題もなく稼働しています。
最初に手元に届いた「CuBox-i4Pro」の方は2週間ほどで突然起動しなくなり、その後復活したりダウンしたりを繰り返すので、2号機が届いてからはほったらかしにしてあります。こういう困った症状は最近はあまり聞かないので、もしかしたら初期のロットに特有のバグだったのかもしれません。(まあ、SolidRunは絶対に認めないでしょうが・・・^^;)

<二号機、順調に稼働しています!!>

cubox

と言うことで、この2週間ほど、「CuBox+LightMPD」と「CuBox-i4Pro+MuBox」を取っ替え引っ替えして聞き比べてみました。
こういうのは楽しいですね。(^^v

しかしながら、現状では優劣つけがたく、個人的な結論から言えばそれぞれに持ち味があると言うことになってしまいました。

今までの音質追求の流れの中に位置する「CuBox-i4Pro+MuBox」

「CuBox-i4Pro+MuBox」の音はPCオーディオの黎明期から追求してきた音質向上の流れの中に位置するものだと言えます。
私がPCオーディオにのめり込むきっかけになったのは、PCを使うことでCDプレーヤーからでは絶対に聞くことのできない「高解像度」のとんがった音が聞けたことでした。もちろん、そんな「とんがった音」はごめんだと言うことでPCオーディオに否定的な人がいたことも事実ですが、私はそこに「可能性」を感じました。ですから、その「高解像度」を維持したままいかにして音に太さと柔らかさをもたらすかという試行錯誤がその後の最大のポイントとなりました。

この試行錯誤の細かい歴史は省きますが、そう言う試行錯誤の中で最大の転換点となったのが「Voyage MPD」の登場でした。
「Voyage MPD」はWindows環境では聞いたこともないような高解像度で透明な音の世界を実現しながら、同時に、決して音が硬くなったり神経質になったりすることがないのが偉いところでした。さらに、「Voyage MPD」から「CuBox」に移行しすることによって、音の解像度や透明感のすばらしさは維持したままで、さらに音の太さや暖かさが増したことが偉いと思いました。ヾ(^▽^*)よしよし
そして、さらにさらに、「CuBox-i4Pro+MuBox」になることで、それらに加えて三次元的な空間表現に磨きがかかったこととんでもなく偉いと思いました。ヨシヨシヾ(´ー`*).oO((ウシシシ))
特に顕著なのは、前後の空間表現が巧みになりました。

ですから、「CuBox-i4Pro+MuBox」こそは、今までの音質追求の流れの中で、その最先端に位置する音とだと思いましたから「うん、うん、ついにPCオーディオもついにここまでたどり着いたか!」と感心することはあっても戸惑いを感じるような性質の音ではありませんでした。

新しい可能性を切り開いた(かもしれない)「CuBox+LightMPD」

ところが、「CuBox+LightMPD」が描き出す音の世界に対しては、私は今になってもある種の戸惑いを感じています。
それは上の文脈に即して言えば、「PCオーディオの黎明期から追求してきた音質向上の流れ」とは、どこか違和感を感じさせる音の世界なのです。

では、その「違和感」は何かと言えば「軽さ」だと言い切って言いように思います。つまりは、「CuBox+LightMPD」の音の世界は、今まで聞いたこともないような「軽い」音の世界なのです。

よくコンサートに行かれる方は分かると思うのですが、実際のオケの音というのは非常に「軽い」です。間違っても、38㎝ダブルウーファーがたたき出すような重低音が実際のオケから聞こえることは絶対にありません。あれはオーディオオタクの麗しき妄想の産物であって、現実のチェロやコントラバスから聞こえる低音は風のように「軽い」ものです。
つまりは、「CuBox+LightMPD」の音はとても「生っぽい」のです。

それじゃ、最高じゃないか?と言われそうなのですが残念ながら現状では、これを聞き続けているとなんだか「物足りなく」なってくるのです。それは、上の表現を使えば、生っぽい「軽い」音が、聞き続けているとやっぱり「軽すぎる」なぁ・・・と思うようになってしまうのです。
そうなると、私はメインのシステムを「CuBox-i4Pro+MuBox」に替えたくなり、しかしながら、それもまた聞き続けているうちに「CuBox+LightMPD」の「軽みの世界」が懐かしくなってまたまたそちらに切り替える・・・という仕儀になるのです。
結局これが、意図することなく「CuBox+LightMPD」と「CuBox-i4Pro+MuBox」を取っ替え引っ替えして聞き比べる事になったしまった原因なのです。

とはいえ、可能性を感じるのは「CuBox+LightMPD」の方です。

そして、今最も期待しているのが「CuBox-i4Pro」に対応した「LightMPD」の登場です。
なぜならば、聞き続けているうちに「軽さ」が「軽すぎる」に感じてしまう原因が「CuBox」の非力さにあるように感じているからです。ですから、「CuBox-i4Pro」に対応した「LightMPD」がリリースされれば真っ先に試してみたいと思っています。そして、その結果によっては「Voyage MPD」が登場したときに匹敵する転換点になるかもしれない・・・などと妄想しているところです。


2 comments for “「CuBox+LightMPD」vs「CuBox-i4Pro+MuBox」

  1. simon
    2014年5月17日 at 1:30 PM

    始めまして。ROM専ですが、いつも参考にさせてもらっております。yungさんの記事に触発されて、Cubox i4 pro を手に入れ、あっけなく稼働。確かにリアルな感じはするのですが、私には混変調があり、何か強調されたりする部分があり、また、情報が欠落しているのではないかと思われる音でした。もちろん、情報量自体は圧倒的なのですが。ALIX3D2+Voyage MPDでやや弱々しく感じるのは電源とジッターのせいだろうと思って、改造したものが好みです。
     ということで、Cubox i4 proの中身を開けてみましたが、集積度が高く、コンデンサの付加は困難。ノイズ取りに抜群の威力を発揮する「ファインメットシート」を細かく切って、電源ライン、信号ライン、メモリーチップなど手当たり次第貼り付けてみたところ、「軽く」「生っぽい正確さ」が出てきました。所持されていれば、グスタフレオンハルトの「インベンション&シンフォニア」「ゴルトベルク変奏曲」とかきつい録音を聴いてみると一発でその変化が分かると思います。対策前は音が割れてしまっています。
     電源の質と、信号路のクロストーク、ノイズ対策さえしっかりしていれば、機種の差はあまり関係ないような気もしていますが、内部に手を入れるのは一発で壊してしまう危険性と隣り合わせなので、積極的にはお勧めもしません。 
     ところで不調なCubox i4は一回分解して組み立て直してみたらいかがでしょうか?放ってあるならダメ元だと思いますが、これはお勧めしたいと思います。

  2. yseki118
    2014年7月20日 at 7:01 PM

    CuBox-i4Proに対応したlightMPDが公開されました。ユングさんにぜひ聴いていただいて、感想をお願いしたいです。私自身は先日newALIXを入手し、newALIXにこそlightMPDが欲しいなと思っているところです。

Comments are closed.