2014年最後のメインシステムの基本構成

今年も多くの方にサイトを訪れていただき、貴重な情報やご意見をいただくことができました。心から感謝申し上げます。
2014年の最後に現時点での到達点を自分なりに簡単にまとめて、皆様のご笑覧に供したいと思います。

これが、現時点のメインシステムの構成です。
こうして図にまとめてみると、我ながら馬鹿馬鹿しいほどに複雑なシステムになってしまったものだと苦笑しています。

main_System_20141229

最上流部から配慮しているポイント簡単に書き上げていきたいと思います。

デジタル段(1)

丁寧にリッピングし、ロスなくデータを送り出す事が肝要と考えています。
この最上流部で泥水が混ざれば下流部ではどうしようもありません。

リッピングに関する配慮は以下の通りです。

  1. リッピングソフトは有料ですが「dBpoweramp CD Ripper」を使う。おそらく、現時点で最も音の良いリッピングソフト
  2. リッピング用にUSB接続のCDドライブ「PLEXTOR Premium2」を使う。すでに発売は中止になっているので、これが壊れるとホントに困ってしまう。(内蔵型の「PLEXTOR Premium2」は2台ストックしてあるが、音質的には外付けの方が有利)
  3. CDドライブの足下には人造大理石、上からは布でくるんだ鉛のインゴットを置いて振動対策を行う
  4. PCと「PLEXTOR Premium2」の接続には電源まわりのノイズが混ざり込まないようにエルサウンドの「データ専用USBケーブル汎用版」を仕様

「PLEXTOR Premium2」

Premium2

NASからのお送りだしに関する配慮は以下の通りです。

  1. NASは「Synology DS212j」を使用し、電源にはエルサウンドの「POWER SUPPLY 12V5A」を仕様。
  2. NASは音楽再生に不要なサービスは全て停止。Windowsのファイルサーバー機能も当然停止し、「lightmpd」とはnfsで接続。
  3. ハブやルーターは全て電磁波ノイズへの対策が施されている「VCCI ClassB」のものを使用。
  4. ハブを二台使って、音楽再生時には他のネットワークから切断して不要なパケットが紛れ込まないようにする。
  5. LANケーブルは全て汎用のカテゴリ7を使用。
  6. NASとハブは足下には人造大理石、上からは布でくるんだ鉛のインゴットを置いて振動対策を行う

「Synology DS212j」

synology

「POWER SUPPLY 12V5A」

Power_Supply

NASに関しては、オーディオ的な対策が施された機種が出回ってきましたので見直しが必要かもしれません。
しかし、経験上、NASに求められる最大の用件は「壊れない」事です。その事を考えると、安易に「オーディオ用NAS」に飛びつくには躊躇いがあります。
それから、LANケーブルに関してもオーディオ用のケーブルを考えても良いかとは思っていますが、これはシステム全体のケーブル類にも関わってくるので思案のしどころです。

デジタル段(2)

ここがPCオーディオの心臓部です。この部分をどうくみ上げるかがその人の腕の見せ所です。
この部分で配慮していることは以下の通りです。

  1. デジタル段(1)からLANケーブルを通して電磁波ノイズが入り込まないように「RLI-1」を2つ挟み込む。
  2. 再生用ソフトは「APU.1D4」の上に「lightmpd」を走らせるシステムで決まり。おそらく、現時点での一つの到達点だと確信。
  3. 「APU.1D4+lightmpd」にはエルサウンドの電源をあてがう。
  4. 「APU.1D4+lightmpd」から「DAC」に直結するのではなく間に「DDC」を挟んだ方が音質的には有利。よって、「DDC」には現時点で最高レベルといえる「hiFace Evo」を使用。電源には「FIDELIX FL-AC-zn4」を使用。
  5. 「hiFace Evo」には専用のクッロク「Evo Clock」をあてがう。「Evo Clock」には専用電源の「Evo Supply」を使用。
  6. 「hiFace Evo」と「APU.1D4+lightmpd」の接続にはオヤイデの「Continental 5S」を使用。
  7. 「APU.1D4+lightmpd・「hiFace Evo」・「Evo Clock」は足下にサンシャイン製の制震ボードやインシュレーター、上からは布でくるんだ鉛のインゴットを置いて振動対策を行う。

「APU.1D4」

APU.1D4

「hiFace Evo」

evo2

「Evo Clock」

CLOCK

「Evo Supply」

Evo_Supply

「FIDELIX FL-AC-zn4」

FIDELIX

今では、PCオーディオの心臓部とも言うべき「APU.1D4+lightmpd」に専用の電源をあてがうことは常識となっています。それ以外の部分に対しても、専用のアナログ電源をあてがうことが可能であればあてがった方が間違いなく音質は向上します。
デジタル段(1)のNASにも専用のアナログ電源をあてがっていましたが、これも同様です。

また、LANケーブルを通してシステムに入り込んでくる電磁波ノイズを完全にシャットアウトをすることは不可能ですが、それをできる限り押さえ込むために「RLI-1」のようなアイソレーターを挟み込むことも常識と言っていいでしょう。

「RLI-1」
RKI-1

そして、おそらくは賛否両論があるだろう「BEHRINGER DEQ2496」です。

「DEQ2496」

BEHRINGER_DEQ2496

ただし、現時点では機能面では不満はあるものの、システムの中核としてなくてはならない機能だと考えています。
オーディオは最後はアナログの世界であり、それ故に部屋の問題からは逃げることはできません。まさか、家を建て直すわけにはいきませんし、さらに言えば、たとえ家を建て直したからと言って部屋の問題が解決するわけではありません。
それならば、デジタル領域で動作させることで音質面の劣化が非常に小さい近い状態で、深刻な部屋の問題のかなりの部分が解決できるのメリットは非常に大きいと言わざるを得ません。
ただし、この「BEHRINGER DEQ2496」は使いこなすのが非常に難しいです。

取りあえずこの部分で配慮していることは以下の通りですが、なかなか書ききれない部分があります。

  1. 取りあえずは、自動補正機能を使って、そこをスタート地点にする。
  2. 「MySpeaker」というソフトを使って測定を繰り返し、イコライジングカーブを微調整していく。減衰する方はあまり気にしなくても良いが、ブーストするときは上限を6デジベル程度と禁欲的に行う
  3. PEQ(パラメトリック・イコライザ)などに代表される様々な機能も最初は使ったのですが、最終的にはイコライジングだけで追い込むのがベターと判断。
  4. ビット落ちを防ぐために「lightmpd」で16bit→24bitに変換しておく。

つまりは、最後は測定と耳を頼りに細かく詰めていくことが必要で、さらにはできる限り禁欲的に使用することが肝心だと言うことです。
PCオーディオというのは基本的に「細部に女神が宿る」世界だと痛感しています。細かい対策を地道に積み上げていくと、あるブレークポイントを超えた時点でガラリと音が変化します。そのブレークポイントになった時点の対策が見かけ上は一発逆転のホームランのように見えますが、別の環境でその対策だけを施しても音は変わりません。
「私は○○の対策で音質が大幅に向上しました」という言い方は、概ね「事実」ではあっても「真実」でないことが多いです。

アナログ段

今年に入って変化したのはパワーアンプに「ROTEL 1592TM2」を導入したことだけで、特にプリアンプ以下はロートル集団です。このロートル集団は、2年後の退職時に一新したいと考えています。

「ROTEL 1592TM2」

Rotel

PCオーディオの熟成によって、誰もが簡単に高純度のデジタル信号を取り出すことができるようになりました。そして、その事実がアナログ段に対する要求を高めることになりました。

世の中にはかなりプアなアナログ段であるにもかかわらず、デジタルデータの16bitと24bitの違いを聞き分けることができるという人もいるのですが、私には到底不可能です。
特に、一昔前のアンプのボリューム基本は抵抗を組み合わせたものですから、どんなに高価であっても刻みは非常に粗いですしノイジーな代物です。値段はハイエンドでも性能はプアと言わざるを得ません。

そして、何よりも問題は「オーディオの劣等生」と言われるスピーカーです。
このきわめてアバウトな存在を、突き詰めた上流部のPCオーディオの世界とどのように折り合いを付ければいいのかはじっくりと考えてみる必要があります。

また、もしかしたら、「DAC」をアナログ段に入れていることを訝しく思う人がいるかもしれません。
しかし、この数年のトライの中で、疑いもなく「DAC」は本質的にはアナログ機器だと確信するようになりました。
カタログには32bit対応だの、384kHz対応だの、DSD対応だのと数値が踊っていますが、最終的にはアナログ信号に変換してプリアンプに送り出さなければいけません。つまり、「DAC」というのは半分はデジタル機器であり、半分はアナログ機器なのです。

そして、忘れていけないのは、デジタルの性能は「集積度」で決まるとすれば、アナログの性能は「物量」で決まるという「事実」です。
そして、「集積度」の向上は技術の進歩と歩調を揃えますから、それはコストの向上とはそれほど直接的には結びつきません。
しかし、「物量」は即コストに結びつきます。

つまりは、コストをかけなくてもカタログの見かけ上の数値は上げることができますが、カタログの数値には表れないアナログ機器としての性能を上げるためにはコストがかかるのです。
そして、デジタル領域の性能を決めるチップ類はどれもこれも同じようなものを使っていますから、「DAC」の性能は結局はアナログ機器としての性能で決まってしまうのです。ですから、「DAC」はアナログ機器だと思い定めた方が正解だと確信しています。(つまりは、それなりに資金を投入しなければいけない・・・と腹を決めることです。)

「ESOTERIC D-07X」

d07x

それから、今年最後のブラッシュアップとして「DAC」にクロック・ジェネレータの「TASCAM CG-1000」を導入しました。これも、おそらく「必須」だと思われます。

「TASCAM CG-1000」

CG-1000

最後に機器を接続しているケーブル類ですが、現時点ではそんなに高価なものは使っていません。参考までに紹介しておきます。

ケーブル関係

電源ケーブル関係

  1. デジタル段の電源タップ→「TASCAM AV-P25RMKII」
  2. エルサウンドの電源→「エルサウンドのACコード」
  3. 「BEHRINGER DEQ2496」→「てaudio-technica パワーケーブル AT-PC600/2.0」
  4. 「TASCAM CG-1000」→「audio-technica パワーケーブル AT-PC1000/2.0」
  5. アナログ段の電源タップ→「オヤイデ OCD-1」
  6. 「ESOTERIC D-07X」→「EX-PRO ACC-1.5m」
  7. 「ROTEL 1592TM2」→「EXC-oyaide-PA23」(おまけで付属してきました。我が家で一番高いケーブルです。)

ラインケーブル関係

  1. 同軸のデジタルケーブル(hiFace Evo→DEQ2496→D-07X)→「ゴッサム(Gotham) GAC-2 AES/EBU」
  2. 同軸のアナログケーブル(D-07X→Acuphase C-200V)→ 「アキュフェーズ製のケーブル(凄く古いので型番不明)」
  3. RCAケーブル(プリアンプ→パワーアンプ)→「ゴッサム(Gotham) GAC-4/1 接続端子はノイトリックのPROFIプラグ」
  4. クロック用デジタルケーブル(CG-1000→D-07X & Evo Clock→hiFace Evo)→「オヤイデ AS-808B」

PCケーブル関係

  1. LANケーブル→「ケーブルダイレクト カテゴリ7 LANケーブル STP(FTP)」
  2. USBケーブル(APU.1D4+lightmpd→hiFace Evo)→「オヤイデ Continental 5S」

このあたりも、ロートル集団を一新したときに見直しが必要かと考えています。
また、近いうちに、デジタル段の電源関係に何らかのクリーン電源を入れる必要性も感じています。

以上が、2014年のメインシステムの基本構成です。
皆様にとって、来年も良き年になりますように!!