「Tiny Core」と「lightmpd」を比べてみれば

今回は(今回に限りませんが・・・^^;)たいした内容ではありません。
「Tiny Core」と「lightmpd」を聞き比べてみての感想です。

まったり系の「Tiny Core」

「Tiny Core」の音を一言で言えば「まったり系」です。ただし、その「まったり」というのは、「lightmpd」と比べれば「まったり」しているという相対的な評価であって、たとえば「Voyage MPD」などと比べると十分すぎるほどに高解像な世界を提供してくれます。
ですから、「Voyage MPD」では物足りなさを覚えるけれども、「lightmpd」ではあまりにも尖りすぎると思う人には、ちょうど良い場所に位置しているのかもしれません。

おそらく、この違いは「チューニング」に起因しているのではないかと思われます。
「lightmpd」は「Voyage MPD」以来の「良いと思われるチューニング」が全て詰め込まれています。そのために、LinuxのカーネルもRT化して、スレッドの優先度なども「もっとも良い」と思える状態で提供されています。結果として、怖ろしいほどの高解像度と音場の広がりを獲得しています。
そして、この1~2年、いろいろなオーディオ試聴会に参加してきたのですが、どれほど高価なCDプレーヤーであっても、この「lightmpd」が実現している世界と比べれば「緩さ」を感じざるを得ませんでした。つまりは、PCオーディオは、「lightmpd」の登場によって、かつての「お皿を回す」レガシーなシステムでは到達できないレベルにまで達したと言い切れるのです。

しかし、その世界はレガシーなシステムで音楽を聴き続けてきた人々にとっては違和感を感じる世界であることも事実のようです。

その解像度の高さは、アナログ時代のテープ編集による音源ならば、テープの切れ目まで分かるのではないかと思えるほどです。まあ、さすがにそれは大げさだとしても(^^;、それでも今まで気づかなかったごく微かな環境雑音があちこちで聞き取れるようになることは事実です。
特に、システム後段のアナログ領域にもそれなりの配慮を持って取り組んでおられる方ならば、その明け透けなまでの表現には戸惑いを覚えるかもしれません。

それと比べれば、「Tiny Core」はちょうど「頃合いの良い」ところに位置しています。
そして、その「頃合いの良さ」は何も「チューニングしていない」ことによってもたらされていることは事実です。

まずは、「MPD」自体がソースからコンパイルしているわけではなくて、「tce-load」というコマンドで出来合いのパッケージをインストールしています。
当然のことながらyanさんのパッチも当たっていませんのでスレッドの優先度を調整することもできません。カーネルもRT化されていないので、その他の音楽再生に必要なタスクの優先度の調整もできません。
そして何よりも、32ビット版OSです。

「lightmpd」と比べれば周回遅れみたいな存在なのですが、この「緩さ」が音の「緩さ」につながり、人によってはそれが「頃合いの良さ」として感じ取れるのです。
正直言って、この音は嫌いではありません。

いつもいつも、切った張ったみたいな感じで音楽を聴いていると疲れてしまいます。
時には、少し緩めにして、くつろいで音楽を聴きたいこともあります。そんな時には「Tiny Core」がピッタリです。

「lightmpd」はとても優れたシステムですが、唯一不満があるとすれば、あまりにも「ブラックボックス」に過ぎるという点です。「緩めたい」と思っても、ユーザーのサイドで簡単に緩めることもできません。
そう言う意味では、「lightmpd」はレガシーなシステムにおける「COプレーヤー」とコンセプが似ているのかもしれません。

  1. ポンとおいて線を繋げば音が出る。
  2. ユーザーがその音に介入できる余地はほとんどない。

これが「COプレーヤー」の良いところでもあり詰まらないところでもあったのですが、それとよく似た雰囲気が「lightmpd」にもあります。

もっとも、「ポンとおいて線を繋げば音が出る」ほどユーザーフレンドリーではありませんが、「NAS」を自動的にマウントできるようになれば、まさに「ポンとおいて線を繋げば音が出る」領域あたりにはきます。
「ユーザーがその音に介入できる余地はほとんどない」と言う項目はほぼ当てはまります。

ですから、「CDプレーヤー」のブラックボックス的仕様に不満を覚えて始まったPCオーディオの取り組みが、回り回って最後は「CDプレーヤー」的な「lightmpd」で一段落したというのは、悪い冗談のようにも思えます。
しかし、多くの人に受け入れられるためには最後はこういう「CDプレーヤー」的な仕様に落ち着かざるを得ないのでしょうね。

話が少しばかり横にそれました。
つまりは、少し緩めたいと思っても、「lightmpd」はそれが簡単ではないのです。「mpd.conf」の設定変更で多少の「緩さ」は実現可能ですが、その時々の気分で変更を変えるのは現実的ではありません。

ですから、「Tiny Core」を「緩いlightmpd」としてシステムに組み込むというのは非常に現実的な選択肢だと思われます。
もちろん、メモリ上で全てのシステムを動作させるという根幹のコンセプトは同じなのですから、「緩いlightmpd」という現状をスタート地点として、OSのRT化や「MPD」をソースコードからコンパイルして締め上げるなどして、「lightmpd」に挑戦するという選択肢もあります。しかし、それはよほどの「趣味人」でなければ「楽しめ」ないでしょう。

アナログ時代のカートリッジのように「lightmpd」と「Tiny Core」を使い分けるというのが、もっとも利口なやり方のように思えます。

PCオーディオの微妙さを再確認

「lightmpd」は「USBメモリ」から起動できたんでしょうか?
今さら何を言ってるの?と言われそうですが、SDカードの中味をイメージファイルとして書き出してUSBメモリに書き込んで、それを「APU1D」に差しこんだのですが上手く起動しませんでした。

そう思って本家のサイト確認すると、用意するものとして「micro SD メモリーカード」と記されていて、「USBメモリ」は記されていません。
そう言えば、「lightMPDはNAS上の音楽ファイルを再生する事に特化しました。USB接続のHDDやSDメモリ内のファイルを再生する事は考えていません。」と記されていますので、USBからのbootも「NG」なのかもしれません。

その点で言えば、「Tiny Core」はSDカードからでもUSBメモリからでもbootさせることが可能です。
まあ、そんなことがアドバンテージになるとも思えないので、ここで触れたいのはそんなことではありません。

「lightmpd」にしても「Tiny Core」にしても、システムが起動してしまえば後は全てがメモリ上で動作しますから、起動用に使ったSDカードやUSBメモリは不要です。ですから、それを引っこ抜いても何の問題もなくシステムは動作します。
実に不思議な感じなのですが、そうやって引っこ抜いてしまうと完全にメモリだけで動作するシステムになります。

ただし、そう言う引っこ抜いた状態でクライアントPCの側からデータベースの更新をさせると、さすがに書き込む場所がないのでエラーになってシステムがダウンします。その事だけに注意すれば、何の問題もなく音楽再生システムとして動作します。

そして、不思議なことなのですが(分かる人にとっては何の不思議もないのかもしれませんが)、そうやってメモリを引っこ抜くと明らかにフッと音が変化します。

それを「音質が改善」すると言うといろいろ突っ込みが入るかもしれないので、そう言う価値判断は留保しておいて、それでも明らかにフッと音が変わります。
そして、動作しているシステムからSDカードを引っこ抜くのは現実的に不可能ですが、USBメモリなら簡単に引っこ抜くことができます。

ですから、「Tiny Core」ならば、この変化を簡単に確認することができます。

つまり、何が言いたいのかというと、PCオーディオというのは本当に微妙なシステムだと言うことです。
ホンのちょっとしたことでも敏感に反応して音を変化させます。そして、その敏感さはかつてのレガシーなオーディオシステムでは考えられないほどです。
ですから、最上流部のファイルのリッピングから始まって、配慮を払うべきチェックポイントが山ほども存在するのがPCオーディオの世界です。

そして、そう言うチェックポイントを丹念に面倒をみていくことで、ある閾値を超えた時点で音が大幅に化けます。そして、その化けた地点からの向こう側では、驚くほど変化に対して敏感なシステムになります。

今回のUSBメモリの抜き差しでも、改めてそう言う敏感さを再確認させてもらえました。

残念なのは、必死でファイル再生によるハイレゾ再生を推しながら、その再生システムがあまりにも杜撰に過ぎるショップが多すぎることです。
上辺の24ビットだの192Khzなどと言う数値だけで優位性を主張しながら、実際に鳴っている音がショボイので誰も振り向きません。

この正月にいくつかのお店の試聴会に参加したときに、同席した人がポツリともらされました。

「400万円出して、こんなものなのか?」

全く同感でしたが、ココロの中では「きちんと取り組めばこんなものじゃないですよ」とも思っていました。

そう言う気持ちをお店の人に持ってもらわないと、ホントにオーディオは終わってしまいます。


23 comments for “「Tiny Core」と「lightmpd」を比べてみれば

  1. 2015年2月1日 at 5:42 PM

    yungさん、APU1Cに関して言えば、USBからの起動は出来ますよ。

    私もTinyCore Linuxには興味があったので、今回のlightMPDとの比較、たいへん興味深く読ませていただきました。
    VoyageMPDの時のようにyungさんの環境のイメージファイルを公開していただけると、追試ができるので助かります。

    我が家でもAPU+lightMPDの音が最高(御馳走)の音なので、普段使いのものを探しています。現状では、raspberry pi B+にLINUXCOMのi2s接続用のDACを繋げてrune audioで音を出しています。このシステムだとトータルでも1万円以下なのですが、APU+lightMPDの音に肉薄しています。

    lightMPDの作者のdigififanさんにraspberry pi用のlightMPDの制作をお願いしていますが、これが出たらAPUと立場が逆転してしまうかもしれません。

    • 2015年2月1日 at 8:30 PM

      VoyageMPDの時のようにyungさんの環境のイメージファイルを公開していただけると、追試ができるので助かります。

      それはあまりいい方法ではないでしょうね。
      Tiny Coreはかなり特殊なディストリビューションなので、インストールからの手順を経て設定できるだけのスキルがなければ、おそらくイメージファイルから起動させても自分の環境に合わせた設定ができないと思います。

      ただし、システム全体が小さいのでインストールそのものは非常に簡単です。LiveCDを作成すればWindowsPCで簡単にUSBメモリにインストールもできますから、興味があれば一度試してみてください。

      lightMPDの作者のdigififanさんにraspberry pi用のlightMPDの制作をお願いしていますが、これが出たらAPUと立場が逆転してしまうかもしれません。

      これはどうでしょうね?
      APUの最大のメリットはヘッドレストと言うことと、システムの安定性です。PCオーディオもこのあたりのレベルにまで来るとこの二つのアドバンテージは非常に大きいです。
      raspberry piは出始めの頃に使ったことがあるだけなので、安定性は強化されているのかもしれませんが、当時はあまり使い続ける気がしませんでした。

      • 2015年2月1日 at 9:23 PM

        yungさん、レスありがとうございます。私もANDBOX44、raspberry pi、BeagleBone Black、APU1Cと使ってきたので、それぞれの機種の限界は心得ているつもりですが、raspberry piのi2s接続時の鮮度の高い音は一度聴いてみる価値があると思いますよ。

        • 2015年2月1日 at 9:28 PM

          raspberry piのi2s接続時の鮮度の高い音は一度聴いてみる価値があると思いますよ。

          なるほど、「i2s接続」時の音ですね。それなら納得です。
          私もどこかで、USB接続でデータを引き出すという「間に合わせ」の状態は卒業しなければとは思っています。どう考えても、あれは音楽用の仕様ではないですからね。

          とは言え、なかなか形にはなってこないので、今は様子を見ているところです。
          もう少し安定性のある基盤で、半田ごてを握らないでも使えるような製品が近いうちに出てくるのではないかと期待しています。

          • 2015年2月2日 at 8:39 PM

            yungさん、ニュースです。
            raspberry piの新型が発売されたそうです。

            以下は「ITmedia」ニュースより引用。
            —————————————————————————-
            アールエスコンポーネンツは2月2日、名刺サイズのシングルボードコンピュータ「Raspberry Pi」の新モデル「Raspberry Pi 2 Model B」を発売した。同社ECサイトでの価格は4291円(税別)。
             コストパフォーマンスはそのままに、プロセッサとメモリを強化し、6倍超の高速化を実現。プロセッサにはARM Cortex-A7コアを4基備えた「BCM2863」を採用し、メモリ容量は1Gバイトに。GPIOやUSBポートの入出力部分、高効率スイッチング電源、ボード形状などは従来品の「Model B+」と同等。Raspberry Pi 1と完全に互換性があるとしている。
            —————————————————————————-
            何だか面白いことになってきましたね。
            という訳で、早速ポチってしまいました。

    • 2015年2月15日 at 4:36 PM

      Raspberry pi用のlightMPDが公開されたので、音出しをしていました。
      最初は私の家のNASと相性が悪く、NASを認識しなかったのですが、digififanさんの協力を得て、無事、音出しに成功しました。
      結果、APU+lightMPDを超えることは出来ませんでしたが、好い勝負でした。
      音の傾向はほとんど変わらないので、ちょっと聴いただけでは区別がつきませんでした。音場も奥行きがあります。でも、piの方が音の密度感が少し足りない感じがしました。
      でも、i2sDACとの合計1万円以下でこの音が出てしまうのですから驚きです。
      興味のある方は是非聴いてみて下さい。

      • 2015年2月15日 at 5:31 PM

        digififanさんのサイトでは、この「Raspberry pi用のlightMPD」で随分盛り上がっているようですね。私も興味深くフォローしています。
        ただ、雰囲気的には「安定性」にかなり課題があるようで、皆さん苦労をされているようです(^^;

        私はこういうサイトをやっているのですが、基本はパソコンや機械を弄っているよりは音楽を聴いている方が好きなタイプです。
        ですから、一度システムを構築すれば安定して音楽を再生してくれる「APU+lightMPD」は実に有り難い存在なのです。おそらく、「APU」の一番のメリットはこの安定性だろうな、と思っている次第です。

  2. 頭はピーマン
    2015年2月2日 at 9:16 PM

    日本語のディレクトリ(フォルダ)・ファイル名は正しく表示されてますでしょうか?

    yung様、TinyCoreのレポートお疲れ様です。
    yung様・みすず様のお陰で、私のようなLinux初心者でもTinyCoreで音を鳴らすことができました。
    ありがとうございました!

    当方、APU1D4から[DDC]X-DDC plus・[DAC]Audio-dg NFB-11(同軸接続)・[HPA]ORB JADE casa・[HP]AKG Q-701という環境で音楽フォルダsata接続で鳴らしてみました。
    lightMPDを使えない環境での感想は、「かなりイイ!! できれば、voyageMPDから移りたい」です。
    当方の環境のvoyageでは(emacsを使っている所為なのかもしれませんが)、どうしても低音が強調されてしまい、mpdのバッファーをかなり少なくすることで低音の抑えていましたが、TinyCoreでは、それ程気にすることなく、音質はソリッドですが聞き辛さはありません(若干、平面的かなとは思いますが)。もし、当方みたいにlightMPDが使えない環境でしたら、試してみる価値は大いにあると思いました。

    ただ、HDD(NTFS)に入っている音楽データの日本語表示がどうしても正しく表示されません。
    「TinyCore 日本語」でヒットしたWebページを参考に色々しているのですが・・・。
    具体的には、
    ・bootパーテーションをマウントしexlinux.confのAppend行に「lang=ja_JP.UTF8 tz=JST-9」に追記
    ・「/etc/profile」の「G_FILENAME_ENCODING=iso8859-1」を「@local」に
    ・getlocal.tczをインストール後、getlocale.shを叩いて、ja_JP.UTF8に
    etc
    マウントは「sudo mount -t ntfs -o nls=utf8 /音楽データHDD /マウント先」でしています。

    NASでは日本語表示は正常でしょうか?

    なお、当方Linuxに詳しくないので、もしかしたら見当違いのことをしているかもしれませんが・・・。

    • 2015年2月2日 at 9:59 PM

      NASでは日本語表示は正常でしょうか?

      あまり考えたことがなかったのですが、確かめてみると問題なく日本語で表示されていますね。
      おそらく、「HDD(NTFS)に入っている音楽データの日本語」がシフトJISだったりする可能性があるのではないでしょうか。そうだとすると、いくら引数を付けても文字化けは起こるような気がします。

      こういうマルチバイト文字の問題には長年悩まされきたので、私にとってメインのクラシックは全てアルファベット表記で収納しています。タグ情報も全てアルファベット表記です。
      英語は得意じゃないですが、何十年もCDショップで輸入盤ばかり漁っていたので、クラシック音楽関係の情報だけは全く不自由は感じません。ホントに習うより慣れろの世界ですね。

      • 頭はピーマン
        2015年2月5日 at 11:13 PM

        yung様、返信ありがとうございます。

        本日、改めてTinyCoreのインストールをし直したところ、

        TinyCore(sata接続)で、「MPDクライアント」上での音楽データの日本語ディレクトリー・ファイル名が、正常に表示されるようになりました。

        お騒がせし、ご迷惑お掛け致しました。
        色々、イジ繰り返した結果、表示されなくなっていたようです。
        「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」を痛感しました。

        ただ、ssh接続でターミナルエミュレーター上でlsコマンドを打っても日本語はディレクトリー・ファイルは相変わらず「???」になるんですよね(VoyageMPDでは日本語で表示されるのですが)。
        windowsで作成されたフォルダ・ファイル名の文字コードはUTF-16らしいのですが、
        TinyCoreにインストールしたMPDやVoyageMPDでは、文字コードの違いをうまく処理しているんでしょうね。TinyCoreでは「BusyBox」という組み込みでも使われているムダを削ぎ落としたアプリケーションからコマンド(ここではmount)が発行されているようですので、それが影響しているような気がしますが、門外漢なのでよく判りませんでした。

        この機に、日本語ディレクトリー・ファイル名を改めようと思います。

        ありがとうございました。

  3. Fuji
    2015年2月3日 at 8:55 AM

    yseki118さん、Fujiと申します。

    >raspberry piのi2s接続時の鮮度の高い音は一度聴いてみる価値があると思いますよ。

    私も、i2s接続には非常に興味が有ります。
    現在Vine mpdで聴いていますが、より良い音を求め Cubox、Mubox、 lightmpdi4pro、などを聴いて来たのですがどれもVine mpdの音を超える事はありませんでした。そこで今回APU4C lightmpdで音出しを試みました。最初にAPU4C lightmpdを聴いた時はVine mpdの音に慣れている私にも、この音ならばメインに据えられるかな、と思ったのですが、何か物足りないと感じました。Vine mpdと比べて、音楽再生にとって一番大事な音の太さや濃さが足りない、音のエネルギー感が足りない、高音域が五月蝿く(荒く)感じられる、こんな所でしょうか。従って、APU4C lightmpdをメインに据える事が出来ていません。そこでyseki118さんにお聞きしたいのですが” raspberry piのi2s接続時の鮮度の高い音”と有りますが、鮮度の高さは当然としても、音の太さや濃さ、エネルギー感、と言った所の評価は如何でしょうか。

    • 2015年2月3日 at 6:02 PM

      Fujiさんは、APU+voyageMPDで音を出されたことはあるでしょうか。音の太さや濃さという点では、この組み合わせが一番だと思います。
      私がAPUを買って最初に使ったのがvoyageMPDでしたが、出てきた音の濃さには驚愕してしまいました。でも、オーケストラを聴く気にならないので、lightMPDが出たのをきっかけに、乗り換えました。
      lightMPDはvoyageMPDに比べると大人しい音がします。それでも、BBB+lightMPDの方がオーケストラを聴くのには相応しかったので、併用していました。
      lightMPD一本になったのは、V0.07からです。このバージョンになってから、オーケストラが気持ち良く聴けるようになりました。何と言っても、弦の音がシルクの質感を伴っているのですから、こたえられません。
      加えて、女性ヴォーカルが実にエロチックに聞こえるので、聴き始めると、なかなか電源を切ることが出来なくなってしまいました。
      これは私にとっては御馳走の音です。いつも御馳走ばかり食べていては体に悪いので、普段使いのものを探していたのですが、それが、raspberry piのi2s用DACだったのです。
      i2sについては「みみず工房」さんのサイトが一番詳しい情報が得られると思いますが、BeagleBone Blackに外部クロックを使ってi2s接続でDACに繋げるのが最高なのだそうです。でも、私にはそんなスキルはありませんから、もっと簡単にできるものを探したところ、LINUXCOMから出ているraspberry pi B+用のDACなら半田付けが一切いらないということで、購入しました。
      ですので、これはあくまでLINUXCOMのDACを使った私の家で出ている音の印象ですので、ご承知おき下さい。
      最初はVOLUMIOのV1.41を使いました。出てくる音はエネルギー感があり、大変元気がありました。音も前に出てきます。でも、高域に荒さがあって、長時間聞く気になれませんでした。そこで、VOLUMIOのV1.5が出たのをきっかけに乗り換えました。V1.5はその高域の荒さがなくなり、聞きやすくなりました。相変わらず音は前に出ます。でも、voyageMPDほどの濃さは感じません。APU+lightMPDの音に比べて音のバランスが高域に寄っていてメタリックな感じがします。また、音の表情もややあっさりしています。ということで、rune audioの0.3βにしてみました。これは、VOLUMIOよりも音が奥にひっこみます。その分、音に陰影がつきます。でも、APU+lightMPD程ではありません。
      以前、BeagleBone Blackを使って、VOLUMIO、RUNE AUDIO、lightMPDを聞き比べたことがあります。結果はこの順で表現力が高まってきました。
      今回raspbeery pi用のlightMPDが出たら逆転してしまうかもと書いたのは、raspberry piにこの法則をあてはめると、RUNE AUDIO+raspberry piのi2sの音がAPU+lightMPDに肉薄しているので、それを超える可能性を感じているからです。
      それに加えて、昨日、raspberry piの新型が発表されました。現状のままでも、ハードの変更で良い線までいくのではないかという期待もあります。

      lightMPDの掲示板に「音質について」「音質について(2)」というスレッドがありますが、そこに私が書き連ねたものがいくつかあります。また、lightMPDの作者のTinyCore Linuxについての見解も知ることができますので、一度覗いてみたらいかがでしょうか。

      • Fuji
        2015年2月4日 at 5:51 PM

        yseki118さん、Fujiです、早速ご返事いただき有難うございます。

        >Fujiさんは、APU+voyageMPDで音を出されたことはあるでしょうか。音の太さや濃さという点では、この組み合わせが一番だと思います。

        APU+voyageMPDで音を出した事はありません。Cuboxのような感覚でインストール出来るのでしょうか、イメージファイルは用意されているのでしょうか。私自身APU4C lightmpdには本当に期待していました。何故かと言うと、Vine mpd用のPCはタワー型で静音化しているとはいえ、ファンのノイズも少し有りますし場所も取り、不細工ですから。APU4C lightmpdは私にとって正に理想的なミュージックプレイヤーだと思った訳です。しかしながら、 Cubox、BoyageMubox、 lightmpdi4pro、APU4Clightmpdを順次聴いて来た中で全体的に感じる事は、音の太さや濃さ、エネルギー感、高音域の伸び、等に不足を感じています。この理由として私なりに考えて見ますと(あくまでも推測です)、ミュージックプレイヤーPCのパワー不足(CPU、電源等)にあるのではないかと考えています。Vine mpd用のPCのCPUは3.2GHzデュアルコアー、4GBのメモリー、400Wのスイッチング電源で構成されています。当初よりこの様な大型のPCはノイズが多くて使えないと言われていますが、私が聴く限りその様な事は全く有りません。音の太さや濃さ、エネルギー感、高音域の伸び、に加え背景の静けさに関してもAPU4C lightmpdと同等かそれ以上と考えております。ですから今迄の経緯からしてどうなんでしょうかAPU+voyageMPDでVine mpd以上の音が出てくれればありがたいのですが。

        >i2sについては「みみず工房」さんのサイトが一番詳しい情報が得られると思いますが、

        私にとって「みみず工房」さんのサイトは難し過ぎます。元々リナックス音痴の私は未だにCUI画面が大嫌いですし、特にViコマンド、あれはいけません、私には全く理解出来ません、そんな訳でユングさんの”Vine5でMPDを動かす http://www.yung.jp/bony/?p=909”を参考に構築し音出しに成功した訳です。何故音出しに成功したと言えばWindows(GUI)感覚でインストール出来きたからです。ただ当時のVine mpdのままでは当然APU4C lightmpdを超える様な音は出ませんから、それなりの作業が必要になります。又yseki118さんは”raspberry piのi2s用DACだったのです。”と述べておられますが、i2s専用ということに成るのですか、製品としてのUSB DDCではDDC→DAC間のみをi2s接続とするしか無い様ですしPC→DDC→DAC間のi2s接続とするとなると既存の機器では難しいと思われますが如何でしょうか。いずれにしてもi2sについてはもう少し情報を集め勉強したいと思っております。

        • 2015年2月4日 at 7:26 PM

          Fujiさん、APU+voyageMPDのことなら、この「PCオーディオ実験室」の6月から7月にかけての記事を参考にするのが一番だと思います。
          yungさんがイメージファイルも提供して下さっているので、簡単に音出しができますよ。
          是非、音を聴いてみて下さい。

          • Fuji
            2015年2月5日 at 7:21 AM

            yseki118さん、Fujiです。

            >APU+voyageMPDのことなら、この「PCオーディオ実験室」の6月から7月にかけての記事を参考にするのが一番だと思います。

            情報、有難うございます。ただこの記事のなかで”(音質面で徹底的にチューニングした優れものではなくて、全くの素の状態です。音質面ではここをスタート地点にしてまだまだ追い込めるとは思います。)”の部分が気になります。この状態で本当にAPU4Clightmpdを超える音が出るのでしょうか。私が求めているのは、音の太さや濃さだけではなく、エネルギー感、高音域の伸び、背景の静けさ、等総合的にVine mpdを超える音を求めています。又、Vine mpd自体も中身を徹底的にそぎ落としAPU4Clightmpd以上の音を実現していますから、この状態のAPU+voyageMPDでVine mpdを超える音を出すのは難しいのではないかと思うのですが、yseki118さんはどの様に思われますか。

    • きゅう
      2015年2月5日 at 1:36 PM

      yseki118様 横レス失礼いたします

      yung様、Fuji様
      Raspberry PiのI2S接続ですが、Raspberry Piは発売当初、以前yungさんが書かれていた様にUSBとLANを同じチップでコントロールしているため音質が悪く、当初は見向きもされなかったのはご存知の通りです
      その後、Raspberry Piの基板から直接I2S信号を取り出して、(Raspberry PiからはMCKは出力されないので)MCKの要らないESS社製DACやTI社製PCM5102Aといったチップの乗ったDACに出力して音を出す方法が、「高音質」という事で最近注目されています
      当初はみみず工房さんの掲示板で書かれていた様にES9018を使ったDACに有線接続する方法が多かった様ですが、その後HiFiBerry(海外)やIrBerry(国内、new-western-elec様 http://nw-electric.way-nifty.com/blog/)など、PCM5102Aなどを使ってRspberry PiのGPIOピンヘッダに直接接続(差し込むだけ)するタイプのごく小さい基板がいくつか発売されています
      これらは、DDCを介する事無く、Raspberry Piから直接I2S信号を取り出してDA変換を行っているので、その分高音質なのだと思いますし、何よりも手軽です
      yseki118様がデジファイさんにお願いしているLightMPDもこのような環境用だと思います
      なお、先述のnew-western-elec様からは、A+、B+用のES9023を使ったDACも発売されています(IrBerryともども少しのハンダ付けが必要ですが)し、Interface誌の2014年9月号に特集されていて、new-western-elecさんが多数の原稿を書かれています

      • Fuji
        2015年2月5日 at 5:25 PM

        きゅうさん、Fujiです。

        情報戴き有難うございます。Raspberry Piの基板から直接I2S信号を取り出すという事は、Raspberry Pi以外の基板からはI2S信号は取り出せないのでしょうか。例えばAPU4Cや、現在Vine mpdを運用しているタワー型PCなどから直接I2S信号を取り出し、この信号を市販のDACに繋ぎ音だしする事は可能なのでしょうか。つまり既存の機器でI2S接続出来れば私にとって理想的なのですが。

        • 2015年2月5日 at 9:04 PM

          Fujiさん、「実際に音を出してみて下さい。」としか言いようがありませんが、voyageMPDも十分高音質だと思いますよ。
          BeagleBone Black +lightMPDと聞き比べをしましたが、APU+voyageMPDの濃い音は絶対に出せないと思いました。
          では、何故、lightMPDに乗り換えたかと言うと、APU+voyageMPDだと、「音楽を聴く」というより、「音を聴く」ということになってしまうからです。1曲聴き終わったときの、満足感が違ったのです。
          voyageMPDはどちらかと言うとオーディオマニアが好む音のように思います。(私見ですが)
          また、lightMPDも32bitと64bitでは音が違います。私は64bit版を使っていますが、32bit版に比べて音が濃いです。Fujiさんが32bit版のlightMPDを使っていらっしゃるなら、一度64bit版も試してみたらどうでしょう。

          • Fuji
            2015年2月6日 at 8:36 AM

            yseki118さん、Fujiです。

            >一度64bit版も試してみたらどうでしょう。

            APU4C lightmpdもVine mpdも64bit版を使っています。もし私がVine mpdの音を知らずLight mpdをの音を聴けば間違い無くメインシステムになっていたはずです。それ位Light mpdは非常に優れた装置だと思っております。それと私自身オーディオマニアだとも思っておりません。あくまでも音楽を聴きたいだけです。オーディオ装置と言うのは音楽を聴く為の物であって、音を聴く為の物ではないと考えております。実際APU4C lightmpdではなく現在APU+voyagempdをメインのシステムとして採用されている方はどの位居られるのでしょうか、ユングさんもメインはAPU4C lightmpdですよね。どうでしょうか、yseki118さんもVine mpdの音を聴いて見たら如何でしょうか、どの様なPC(64Bit)でもWindows感覚で簡単にインストール出来ますし、音出しだけであればたいした手間はかかりません。そこから音質を良くして行く為の作業は音楽を聴きながら実施出来ますから、こう言う所はユーザーがその音に介入できる余地が無限に有ると言う事です。正に音楽(音質)を育てて行くと言う感覚になりますので、これはやりがいが有りますよ。

  4. 2015年2月21日 at 11:35 PM

    いろいろMPDの音質について感想を述べていますが,それぞれ作者の方々が趣味と善意で(失礼!)で開発しているのですから,冷静になりませんか。
    低音が出る・出ないに始まって,出過ぎるとかなってしまったら,それってMPD以外の再生環境との相性ではないでしょうか。
    イコライザーを入れているわけではないのです。ディジタルでそんな音作りは意識してできるものではないのです。様々な要因があって-それがなんだかわかりませんが-出てくる音になるわけで,開発者のことを思えば,他の環境でチューニングすればよいのではないでしょうか。
    「自分の環境では」という前提付きで「感想」を述べていただきたいものです。
    私はRaspberry pi2のi2sは素晴らしいと思いますが,せっかく力を入れてUSB接続のDACを作ったので,そちらを使いたいし,DSDもネイティブで再生したいし,となると,ハード的に問題のあるRaspberry pi2は使えず,APU1C,Cubox-i4,BBB+lightmpdで満足しています。

    • Fuji
      2015年2月22日 at 9:44 AM

      Jiroさん、Fujiと申します。

      >いろいろMPDの音質について感想を述べていますが,それぞれ作者の方々が趣味と善意で(失礼!)で開発しているのですから,冷静になりませんか。

      現在私が使用しているVine mpdはユングさんの”(Vine5でMPDを動かすhttp://www.yung.jp/bony/?p=909)”を参考に構築しています。当然、あのままの状態ではAPU4C lightmpdを超える様な音は絶対に出ません(ユングさん、ごめんなさい!)ので、システムの軽量化(といえるかな)が必要となり、私独自の方法で、どなたにもお世話にならず、時間をかけ極限まで軽量化しAPU4C lightmpd以上の音を実現しています。従って、作者の方々には一切のご迷惑はかけてはおりません、と言うのが私の認識です。

      >「自分の環境では」という前提付きで「感想」を述べていただきたいものです。

      私がこの様な場所に投稿する場合は常に全て「自分の環境では」という前提でお話をさせて頂いております。余りにも当たり前の事ですので省略しておりますが、「自分の環境では」と断った方が良いのでしょうか。他の方々もこの前提に立っておられるのではと思うのですが。お互い、皆様それぞれの音を聴く術はありませんので。

  5. 2015年2月23日 at 11:33 PM

    Fujiさん

    大変失礼いたしました。
    Fujiさんの場合は,どれが良いとか,どこが悪いとかいうことの単純なことではなく,自分でチューニングしたVine mpdとの比較で言っていたということがわかりました。
    私はそのようなスキルがないので,出来合いのmpdで良いと思えるものを探し,それに合わせて,アンプやスピーカー,ヘッドホン等,セッティングから部屋まで工夫して良いと思えるような音にしています。
    しかし,スキルがないと諦めるのではなく,挑戦すべきなのかなと。
    そうしたヒントをこのHPでyungさんが一生懸命提供して下さっているのですね。
    実は私もlightmpd以前は,RaspberryPI+volumioで,某HPを参考に不要な機能を削っていくうちに,軽くなって?DSD再生時のプチノイズがだんだん減って,音も変わってゆくのが分かりました。しかし,どう頑張っても,完全になくなるることはありませんでした。
    それであきらめてしまい,BBBやCubox,APUに走ったのですが,手持ちのWindows自作マシンでmpdを使えるようにする方向も興味があります。
    私は,自分が趣味で録音した音(合唱,ブラスバンド,オーケストラ)を良い音で聞きたいのです。レコーダーで,手ごろな価格で良い音で録音できるものとして購入したのが,KORGのMR-1000なので,DSDを良い音で再生できることが条件です。

    • Fuji
      2015年2月24日 at 11:18 AM

      Jiroさん、Fujiと申します。

      >しかし,スキルがないと諦めるのではなく,挑戦すべきなのかなと。

      私自身、先の投稿で述べたように全くのLinux音痴でして、何故Vine mpdなのかといえば、ユングさんがmpdを始めてアップされたのがVine mpdで、その後Voyage mpdを構築された訳ですが、これが私にとっては難物で、どうしても音を出す事が出来ずVoyage mpdは諦めましたが、Vine mpdでは何とか音出しに成功した訳です。勿論この時出て来た音は現在のLightmpdには遠く及びませんでしたので、システムの軽量化を考えたのですが、軽量化ってどうすれば?で、私が考えたのはファイルシステム内にあるおびただしい数のフォルダー、ファイル、実行ファイル等を削除する事、画面を見ながらマウスで目的のフォルダー等をつまんでゴミ箱に捨てて消去、と言う作業を繰り返すだけですからスキルも何もいりません。これらの削除総数は約1,240MB(ディスクトップ上で)に上り、ここまで削除すると本当に驚くほど音が良くなります。もちろんこれ以外にも色々と音の良くなる工夫をしていますが。せいぜいこの程度がLinux音痴に出来る事でしょうか。しかしmpdって本当に面白いですよ、手をかければかける程、音が良くなって行きますから。まあこんな馬鹿なことをしているのは私位しかいないでしょうけど。

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