fireface 400 ささやかな電源の改善

fireface400とfireface800の違いはどこにあるのか?もちろん、同時に入出力できる数が違ったり、FireWire 800の接続端子が使えたりするのですが、聞き専の人間にとってはあまり重要な相違点ではありません。
聞くところによると、最大の相違点はfireface400が外部電源であるのに対して、fireface800は電源が内蔵されているところらしいです。そして、fireface400に付属している電源アダプターはかなりチープであるのに対して、fireface800に内蔵されている電源はそれなりに作り込まれているというあたりが最も重要なポイントらしいのです。

つまり、ある程度お金に余裕があって楽をしたいという人は、fireface800を買ってきてポンと置けば間違いは起こりません。ただし、電源関係にアタックして少しでも音をよくしようと思っても、なかなか素人には手が出しにくいと言うことになります。
もちろん電源関係に手を加えることは保障外の自己改造にあたりますので、結果はすべて自己責任と言うことになります。
よって、fireface800を使うときは、メーカーが想定した状態をおとなしく受け入れるしかないと言うことになります。

それに対して、fireface400の方は電源が外付けですので、あれこれ試せるというメリットがあります。これまた聞くところによると、自作の電源でfireface800を凌駕するような音を実現されている方もおられるようです。(ただし、その電源制作にかかった費用を合算すると価格面でもfireface800を軽く凌駕するとか・・・^^;)
つまり、PCオーディオ派にとってはfireface400を使うならば、電源回りの改良は「必須」と言うことらしいです。そして、そう言う努力にこたえるだけの「伸びしろ」を持っているところがfireface400の魅力だと言えそうです。

とは言っても、なかなか良さそうな電源は見あたりませんね。出力は12V、2.0Aとなっていますので適合しそうなものはいくらもあるように思うのですが、なかなか「これだ!」と思えるようなものは見あたりません。
なるほど、だから皆さん自作されるわけです。
ただし、その手のことにはあまり自信がないので、変なものを作って電源を入れた途端にお釈迦になりそうで、踏み切る自信はもてそうにありません。
そんな時に、RME FireFace 400 の電源向上という情報を発見しました。

付属の電源アダプターをYAMAHAの「PA-6」に変えるという簡便なものです。
BLOG主のTukasaさんは「電源を自作する技量は持ち合わせておりませんので、当初はアマチュア無線用の電源ボックスを買おうと思っていたのですが、正直言ってアレを部屋に置く気が起きない」と述べておりますが、全く同感です。
「しかし、12V,2A位出るやつでトランス式って意外と見当たらない。僅かに見つかった中から買ったのがコレ。」ということでYAMAHA「PA-6」を紹介されています。

Tukasaさんは半年ほど使われていてノープロブレムらしいです。
これはいい、と言うことで早速私もネットで探し回って発注しました。
「PA-6」は本来はシンセサイザー・キーボードの「PSR-550」を動かすものらしくて、かなりガッチリとした作りです。手元に届いてみると意外なほどにズッシリとした重みで(1.4Kg)、頼もしさを感じます。(重いもの=良いもの・・・というオーディオマニアの発想^^;)

pa61

電源改良と言っても、付属のアダプターを「PA-6」に変えるだけですから実に簡単です。
そこで、かんじんの「音」の方なのですが、これはもう唖然としました。
Tukasaさんは「これだけで結構音質が違ってきます。PA-6の方が音が深いところから鳴る感じ。対して標準添付品は上っ面でシャカシャカ鳴ってると言うか。」と述べられていますが、全く同感です。音の厚みというか、ボディ感というか、そう言うあたりが全く違ってきます。
こんなちょっとした改良でこれだけ音が変わるというのは、考えてみると恐ろしい話です。以前、「聴感上、違うと言えば違うような、同じと言えば同じようなレベルは、違いなしと断ずべし。」という教訓を書き記したのですが、これはだれが聞いてもはっきりと分かるほどの改善です。

これで、まじめに音源の改善に取り組めばどこまで行けるのだろうという思いが頭を横切ります。
まずい、恐ろしい世界に足を踏みこんでしまいそうだ(-“”-;)

ちなみに、電源回りの改造に伴って発生する問題は完全にメーカーの保障外になります。
私の環境では現在で約一ヶ月、問題なく動いていますが、実際に試されるときはあくまでも自己責任でお願いします。自作電源を試されている世界では、スイッチオンと同時に煙が立ち上ることも良くあるようですので・・・(・_≠)


4 comments for “fireface 400 ささやかな電源の改善

  1. ひらっち
    2010年4月28日 at 9:54 AM

    私もND-S1のACアダプターをトランス式に替えようかと悩んでいますが、定電圧でないので、機器に負担をかけないか不安で踏み込めません。
    よく中古でオークションに出ているアマチュア無線用の直流安定化電源をオーディオに流用するとどうなるのか、実験しようかと思っています。電圧が調整出来るので、色々な機器で試すことが可能ですし。

  2. 団塊王子
    2010年6月6日 at 10:13 PM

    yung君 様

    毎回、楽しみにして拝見させてもらっています。
    現在、window7,cMP2+cPlay,Fireface400, D/Aコンバーター(古いCDプレーヤーに内蔵のもの)、そしてバイアンプ駆動のマーティンローガンで音楽を聴いています。

    我がパソコン上のcMP2は、若干不完全動作のようで、window7上では100%の力を発揮していないかもしれません。そしてチューニングもそこそこでプロセス数30前後で聴いています。それでも素晴らしい音がしています。  
    ところで、私は次のような電源改造をしました。結果がすこぶる良かったので報告させてもらいます。

    (1)パソコンの電源ケーブルをオーディオに変えました。
    「PCオーディオfanNo.2」の対談記事に「特にPCの電源ケーブルで音が激変する事実は論理的に説明できません。」とありますので半信半疑で試してみました。(私の場合はオーディオ用電源ケーブル+アイソレーショントランスを使用)ところが変わったのです。激変と言ってもよいと思います。うまく表現できないのですが、教会内の男女コーラスの響きが生のきれいさに近づいた。ソプラノの巻舌音がよりきれいに聴こえ始めた。アコースティック楽器の音がよりきれいに聴こえるようになった。無理と諦めていた交響曲など迫力も感じられるようになった。等々。

    yung君さんの判定基準「聴感上、違うと言えば違うような、同じと言えば同じようなレベルは、違いなしと断ずべし。」は確実にクリアしていると思います。
    チェックに使用した曲は、定番の「Cantate Domino」(proprius)、   「camomile Best Audio」(藤田恵美)、定番ではありませんが「運命」(ベーム指揮ウィーンフィル)等々。

    (2)さらにFireface400を電池駆動にしました。
       電池駆動というのはマニアにとって夢ですがいろいろ制限があってなかなか困難です。
    今回、DC9V音楽用バッテリー「eneloop music Booster」(1万円弱)を使ってみました。最初は、お風呂の中のような響きの強い音で「悪くはないが変な音」という印象でした。その内、落ち着いてきましたが、(1)の激変ぶりに比べると大したことはないと諦めかけました。ところが1週間目辺りから「あれれっ。ちょっときれいな音がするじゃない?」から始まり加速度的によくなり半月後辺りから「うーん」と唸らせる音になりました。現在、1.5カ月になりますが、さらに品のよい(音響特性のよいコンサートホールで聴くような)音になっています。激変したのはチェロの音です。これはyungさんの判定基準をクリアすると思います。今まではチェロはなかなか生の感じが出ませんでした。ところが今は10数年前、室内で6mの距離で聴いたチェロ独奏の感動と同じ感動を与えてくれます。このところ毎日「無伴奏チェロ組曲」(バッハ)の聴きびたりです。これほど良くなるのならD/Aコンバーターもバッテリー駆動したいところです。ところが問題はこのバッテリー、1時間余りしか持たないようです。1時間を過ぎるころからいつバッテリーが切れるかとびくびくしながら聴いています。充電時間は3.5Hも必要だし・・・。
    この不便さ解消のためもっと大容量のバッテリーにするか、YAMAHA「PA?6」も試してみたい(部品・ケーブルをオーディオ用にチューンアップ予定)と思っています。しかしバッテリーを超えられるかどうか。もうオーディオの泥沼に片足を入れました。

  3. 団塊王子
    2010年6月7日 at 2:10 AM

    ユング君 様
    毎回、楽しみにして拝見させてもらっています。ちょっと次のような改善をしました。

    (1) パソコンにオーディオ用電源ケーブル+アイソレーショントランスにしました。
    「PCオーディオfanNo.2」の対談記事に「特にPCの電源ケーブルで音が激変する事実は論理的に説明できません。」とありますので半信半疑で試してみました。激変と言ってもよいと思います。教会内の男女コーラスの響きが生のきれいさに近づいた。ソプラノの巻舌音がよりきれいに聴こえ始めた。思わずはっとする、何か雰囲気が生々しくなった印象です。

    (2)さらにFireface400を電池駆動にしました。
     DC9V音楽用バッテリー「eneloop music Booster」(1万円弱)を使ってみました。最初、風呂の中のような響きの強い音でしたが1週間目辺りから「あれれっ。ちょっときれいな音がするじゃない?」から加速的によくなり半月後辺りから「うーん」と唸らせる音になりました。現在、1.5カ月になりますが、品のよい(音響特性のよいコンサートホールで聴くような)音になっています。激変したのはチェロの音です。昔、室内で聴いたチェロ独奏の感動と同じ感動を与えてくれます。毎日「無伴奏チェロ組曲」の聴きびたりです。これほど良くなるのならD/Aコンバーターもバッテリー駆動したいところです。ところが問題はこのバッテリー、1.5時間程度しか持ちません。1時間を過ぎるころからいつバッテリーが切れるかとびくびくしながら聴いています。充電時間は3.5時間も必要だし・・・。

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